ドラム、あるいは最高の楽器か

The Ventures - Caravan (Medley) ザ・ベンチャーズ キャラバン 【720P】


私は１６歳～２２歳まで楽器をやった事がありますが、それは全部が金管楽器でした。
ユーフォニューム・中バス（ユーフォニュームとスーザホーンの中間）
スーザホーン、それにトランペットです。
自分様にトランペットとユーフォニュームも買いました。
鍵盤楽器とか弦楽器を一度もやった事はありません。

歌声喫茶ともしびでは、一応ドラムセットが置いてあります。
司会者のＳさんは、司会の合間に時々ドラムを叩いたりするのですが、
Ｓさんいわく「ドラムを叩いている時が一番楽しい」と。
本当にＳさんはドラムを楽しそうな顔で叩いています。

私が歌声喫茶にハマったのは２００７年の３月からですが、
若い頃、多分２０歳ころだと思うのですが、
新宿の歌声喫茶（恐らくともしびだったのでしょう）に２回くらい行った記憶があるのです。
その時、私は歌を唄う行為より、ひたすら舞台のドラムばかりを見ていたのです。
何故そんなにドラムばかり見ていたのかは、自分でも分かりません。
ですが、興味があったから見ていたのは間違いないでしょう。
しかし、結局私はドラムをやる事は一度もありませんでした。

ドラムが他の楽器と違う点は、音階が無いという事です。
私はとにかく楽器が上手くなりたい、しっかりとした音階を掴みたいと、
主にそういった点ばかりを追い求めていたので、
ドラムを演奏する人（ドラマー）は、
音階が無い事によく我慢できるなと不思議な気がしていました。

どんな有名なドラマーがいるかなんて私は全然知りませんが、
大好きだったベンチャーズのドラマーがメル・テーラーという人だと知りました。
彼の風貌は独特で、東洋人には絶対に無い顔をしているのが印象的でした。
また、彼のテクニックはドラムを知ってる人からは讃えられていたみたいです。

メル・テーラーは楽しそうにドラムを叩いています。
楽しいばかりではなく、叩くという行為が嬉しくて仕方がないのだと思います。
そのテクニックは素人の私にも素晴らしいと感じます。

そういった事を思いながらドラマーを見ていると、
ドラムと言う楽器は、確かに音階は無いのですが、
ドラムに取り憑かれた人にとっては、
他の楽器など考えられない、やる気にもならない魅力がきっとあるのだと思います。

しかし、あの楽器は絶対に間違える事はできません。
マーチングバンドのシンバルもそうですが、
ジャーンと叩く場所を間違えたりしたら、取り返しがつきません。
あるいは、それだけに自分の叩くドラムに誇りを持っているのかも知れません。

妻が、ある歌声喫茶に行ったら、
その日、たまたま来ていたドラマーが歌声をぶち壊しにする、
バカでかい音でドラムを叩きまくり、歌声が台無しになった事があったそうです。
音楽を、楽器を演奏する人は、こういった基本中の基本も知らない人は、
絶対にダメですね。
楽器などやる資格がそもそもありません。
音楽というのは、余計な音、無駄な音、狂った音は出してはダメで、
もし音を出す時は、美しい音を繊細な感覚で出さないとね。

音階の無い唯一の楽器ドラム。
その魅力にハマった人達を見ていると、
ひょっとして、ドラムって最高の楽器なのかも知れないと思うのです。