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リバティー船

2020-08-25 14:25:04 | 船舶
第二次世界大戦では、
物資を大量に輸送する必要から、戦時標準船という貨物船が大量に造られました。
この戦時標準船をアメリカでは、リバティー(自由)船と言いました。





7180トン・全長125メートル・全幅17.2メートル・航行速度20キロ。
機関は安価で大量生産向きの蒸気レシプロエンジン。スクリューは一基。
1941年(昭和16年)から1945年(昭和20年)にかけて、
アメリカは何と2712隻のリバティー船を建造したのです。
この驚くべき工業力。
ですから、アメリカの工業力の凄さを知っていた数少ない日本人は、
日米開戦を聞いた時、既に日本の敗戦を確信したのですね。
こんなに物凄い国を相手に、貧乏国の日本が敵う筈がないのです。

短期間に大量の貨物船製造をする必要性から、
アメリカは、ブロック工法とアーク溶接の技術を導入しました。
それが、戦後の造船に画期的な進歩をもたらします。

それまでは、一隻の船を船台で組み立てていたのを、
異なった場所で同じ型の物体を大量に造っておき、
それを船台で組み立ててゆく工法は画期的で、
驚くべきスピードで一隻の船を完成させたのです。
単純計算でも、一ヵ月に45隻という信じられない数字です。
一日あたり、1.5隻造ってしまうのです。
それどころか最盛期には、一日あたり4~5隻だったのです。



しかし、まだ未熟だった技術と低い理解度があって、
完成したリバティー船のうち200隻が、
脆性(ぜいせい)破壊により沈没してしまいました。
しかし、アメリカはこの事実から、更に完成度の高い船を作り上げていったのです。

面白いと言うか、これほど大量の船を短期間で完成したのはいいのですが、
船名を付けるのに大変な苦労をしたそうです。
あらゆる歴史上の有名人・
あらゆる著名な作家・画家・音楽家・俳優・声楽家・実業家・
教育者・大学創設者・冒険家・スポーツマン・
それも、あっという間に種が尽きてしまい、
とにかく、ありとあらゆる考えうる全てを船名にしたそうです。

戦後、一躍世界のタンカー界のトップに躍り出た、プレイボーイとしても有名な、
ギリシャのオナシスは、このリバティー船の払い下げを大量に買い付け、
それを基に資産を築き上げた人物でした。

しかし、戦争というのは、勝つ為にはこれほど途方もない事をするのですね。
こんな物凄いアメリカという化け物みたいな国を相手に、
竹槍なんてバカな事を言ってる国が戦争を吹っ掛ける、
全く相手を知らな過ぎにも程がある。
大人と子供の喧嘩でしたね。


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