河童の歌声

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奥秩父の山小屋で

2017-03-01 08:09:01 | 登山
奥秩父の山を独りで歩いていた。
表丹沢などと比べると、奥秩父の山はひっそりとして、
静かに一人っきりで山を歩く歓びに私は浸っていました。

すれ違う登山者も殆どなく、
大自然の中の自分を感じながら、歩いていました。

その日の泊りは将監小屋。



他の泊り客も殆ど居なく、
小屋主を交えて数人の登山者との静かな夕食。

朝、小屋から外を見ると、樹木が小雨に煙っていた。
ひさしから滴が落ち、小さな水たまりに波紋を作っていた。
「あ~、雨か~」
あえかな波紋を見つめていると、
小学校の頃、下校時間の驟雨に帰りの傘が無く、
みな困惑顔で言葉も無く空を眺めていた時を思い出しました。

そのうち家族が三々五々傘を持って迎えに来る様になりました。
「母さん、迎えに来てくれないかな~」

ようやく校庭の向こうに母の姿がほの見えた時、
無性に母にすがり付いて泣き出したい気持ちの昂ぶりがした。

母との会話は、ことさら何気ない風を装った。
しかし、心の中の母はとても懐かしい匂いがした。


私は気を取り直し、雨具を着けると、
小雨に煙る奥秩父、笠取山へと足を踏み出しました。

コメント (4)
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