

香港が遂に国家安全法を施行する事になりました。
国家安全法という法律は、
日本に戦前あり、悪法の名と欲しいままにした、
(治安維持法)・・それの再現でしょう。
国家に背いた奴らを根こそぎ逮捕して、強制的に口を封じ込め、
黙らせてしまうという、まさに恐怖政治。
香港がイギリスの植民地から99年間の契約通り、
中国に返還されたのは1997年でした。
それから23年を経て、とうとう香港は完全な共産国家となりました。
最近、起こった香港のデモなどから、
共産化は避けられないとは感じていましたが、
やはり、と言うか、いよいよと言うか、
来るべき(時)は遂に来てしまいました。
残念ですが私達外国人には、どうにもなりません。
昔、香港は「東洋の真珠」と呼ばれていました。
東洋という世界の片隅の一点にしか過ぎないちっぽけな存在。
それだけに、光輝く存在であった香港を(真珠)と呼ぶ気持ちも判ります。



返還される前の香港は、本当に輝いていました。
あの狭い国は、ゴチャゴチャして、人によっては汚い国と思ったかも知れません。
しかし、そこにはどこか人を魅了する不思議なパワーがありました。



私は個人的には、あのゴチャゴチャした香港が好きでした。
大都会だとは思うのですが、
東京とは全然違った魅力がありました。
欧米の洗練された都市には、あまり魅力は感じないのですが、
如何にも東南アジア的なあの雰囲気が大好きでした。

腕時計だとかのブランド品を日本語で「にせもの・・にせもの」と、
あからさまに売ってくる、あの逞しい商魂が中国人的な発想で、笑えました。
香港の人達はみな、資本主義が好きで、
ある意味好き勝手に生きてきた人達ばかりです。
生まれてこの方、資本主義の世界で、生き馬の目を抜く人生をやってた人に、
今から共産主義をやれと言ったってそんなものは無理に決まっています。
本当に中国の共産主義は、どう仕様もないですね。
国家は大きければ大きい程いいと未だに信じている。
それこそがダメなんだという事が全然分っていない。
私は中国に1ヵ月あまりは滞在しましたが、
あの共産主義の中で生きなければ、生きられない人達の悲哀を、
痛いほど感じる事ばかりでした。
華南の広州や、華中の上海などはまだいいのですが、
華北の北京や天津のガチガチの共産主義には息が詰まりそうでした。
華北は(愛国)華中は(出国)華南は(売国)
北が国を愛していても、華中では、気に入らなければ国を出ればいい。
ところが華南では、気に入らない国など売り飛ばしてしまえ、ですからね~。
そのくらい同じ中国人と言っても気質は、まるで別国家みたいに違います。
国というものは、同じ主義の、一緒に住んでいて気持ちのいい人達と、
同じ生活をするのが最も理想的なんだという事を判ろうともしない。
香港の人達は一緒に住んでいて、気持ち良く暮らしていたんですね。
それを根底から覆して、今までとはまるで違う生き方をしろと命令しても、
そんなのは無理に決まってる。
折角、香港と言うある意味、理想的とも思えるちっぽけな世界。
それこそが最も理想的であった今までの香港という世界。
これをがんじがらめの共産国にするメリットなんか無いでしょう。
東洋の真珠は、そこらにある石ころに成り下がってしまいました。
もう香港に行く魅力などありません。
行くなら台湾が最も、古き良き中国を思う場所かもしれませんね。