枕草子と和泉式部日記。この二つは平安時代の女流文学の中で、好きな作品です。
一つ一つの話が短いので、岩波文庫のように難しい言葉の注釈が入っている版だと、高校のときに習った程度の古文の知識でも原文で読めるところも手軽です。
枕草子の一節「心ときめきするもの」の一つに、「唐鏡の少しくらき見たる」というのがあります。
当時は鏡といっても銅などの金属を研磨したもので、今のように平らなガラスに水銀やアルミを噴射したつくりではなく、鮮明に姿を映し出すものではありませんでした。
鏡のなかでも、くもっているものは、自分の欠点が隠れ、美しく見えるから心ときめく(意味はほぼ現代語と一緒で”うれしくてどきどきする”)。
うん、わかります。暗いところで鏡を見たほうが、しみもそばかすも隠れてぐっと若く見えます。
他者からみても、女性の美しいのは「夜目、遠目、傘の内」といいますねえ。
清少納言は、枕草子のなかで自分の才気自慢が多くちょっといやみなところがありますが、こんなことを率直に書いてもいるので、実は無邪気でかわいらしいところもある女性だったのかなと勝手に想像しています。
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写真は、バラと、集めている動物モチーフのピルボックスの一部。
枕草子 (岩波文庫) | |
清少納言,池田 亀鑑 | |
岩波書店 |