私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

 ホトトギス早も来鳴きて

2011-05-23 10:41:49 | Weblog

 5月20日には、ホトトギスの初音を聞きましたが、それ以後。その声は聞いていません。どうした事でしょうかね。

 そこで、今日は、此のホトトギスのことについて、ちょこっと、書いてみます。
 
 ホトトギスは、辞書などによりますと、別名「四手のたをさ」「勧農鳥」「くきら」「冥途鳥」とも呼ばれているそうです。漢字では時鳥、子規、杜鵑、不如帰と書いています。
 この内の一つ、どうして、「四手のたおさ」と呼ばれたかについて、調べてみましたので書いてみます。

 普通の鳥の足には、指が前に三本、後ろに一本付いているのですが、ホトトギスだけには、前と後に各々二本ずつ付いているのだそうです。だから、「四手」なのです。
 更に、その鳴き声を、我々普通は、「てっぺんかけたか」と云う風に聞こえると昔から云い伝えられて、その通りに信じて来たのですが、これも、どの地方かは分からないのですが「田を作らば、はよ作れ。時過ぎれば熟れぬ」と云う風に聞こえたのだそうです。早く田植えをしなくてはいけないと、頻りに百姓の尻を叩く地主さん、そうです、田の持ち主「長(おさ)」、「たおさ」の声のように聞こえたから「四手のたおさ」と命名されたのです。
 また、その事は一方、早く田植えをしなければ秋の収穫に間に合いませんよと云う農業を勧めてくれる、大変ありがたい鳥だとして、「勧農鳥」と呼ばれた地方もあったとかと云われています。
 鳥の名前にすら、それぞれの土地の特色を捉えて命名されたと云う事がよく分ります。
 
 あまり裕福でない土地では、田長が年貢を厳しく取り締まる、来る秋の悲哀に重ねて、その鳥の鳴き音を憎々しげに感じ、「四手の田長」という、決して有難い鳥とは思われないような名前を付けています。それに対して、反対に大変裕福な村では、今年も田植えが始まるよ、秋の収穫が楽しみだというその鳴き音に対して歓喜を感じたであろう呼び名を付けられています。
 所変われば品変わるの好例です。

 なお、この「四手」を「死出」として忌み嫌う鳥であるともされている地方もあるとかや。これもまた裕福でない村での事だろうと思われますが???それは中国の古書には五月を「俗悪月」と呼ばれていた事に由来するらしいのですが、本来は、「五月晴れ」に代表されるような爽快の気分にさせてくれる月だある筈です。

 でも、今年は五月も、また、その「俗悪月」と云う名にふさわしい月になってしまったようですね。20日以来、そのホトトギスも東北地方のお百姓の事を慮ってか、聞こえません。これも不思議なことですが????


最新の画像もっと見る

コメントを投稿