私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

むしろ

2007-10-01 18:53:47 | Weblog
 ちょっと又寄り道をしました。「松の落葉」に戻ります。
 「むしろ」についても解説しておられますのでそれを取り上げます。
 
 今「むしろ」といえば土の上に敷いて、物を置いたり人が座ったりする藁などを使って作っている「こもむしろ」を呼んでいますが、平安の昔には、家の中で使われていた上等な敷物を「むしろ」と呼んだのだそうです。
 その中でも上等なものが綾むしろです。絹で作られていたやわらかなむしろです。うわむしろ、したむしろなどもあり、寝る時に使ったふとんのようなものであったらしいのです。そのほか、敷物として使われた竹むしろ、菅むしろなどのかたむしろもあったようです。
 種類も広筵、長筵、狭筵、小筵はその形から、出雲筵、信濃筵、あづま筵などは織り出す国から、たかむしろ、菅むしろ、綾むしろは作られた材料から呼ばれていたそうです。

 私事(ひとりごと);
 我々の時代の人は筵といえば、筵旗など百姓一揆の幟などから誠にお粗末な藁でこしらえてある農作物を置くための何処にでも転がっているような敷き物の感覚しかないのですが、本来は上流階級の人たちが使っていた上等の生活用品であったようです。
 「時代時代でそれぞれに使われている物は、やはりその時代に書かれた書物によらなければ正しく理解する事は出来ない」と、言っておられる先生の言の通りです。
 「なんだそんなもの」と簡単に早合点しないで、何でもよく調べてみる事の大切さを改めて教えられました。

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