私の町 吉備津

藤井高尚って知っている??今、彼の著書[歌のしるべ]を紹介しております。

吉備って知っている  114 藤井高雅と松野2

2009-03-05 22:22:40 | Weblog
 藤井高尚には一人の息子「高豊」がいました、高豊は幼少より才学に秀で、ことに歌に関しては、父高尚より巧みであったという。
 この高豊は父の後を継ぎ吉備津宮の宮司を務めたのですが、35歳の時、突然病死してしまいます。高尚のこの高豊に対する期待が大きかったばかりに、彼の夭死は痛恨の出来事であったのです。
  高尚のこんな歌が残っています。
  
 2月12日高豊が去年うせし日なりければまた祭するついでに
   ・思うこと かたらひ人の ひとり子の
           なくてもへけり あわれひととせ

 父高尚以上の歌人と称された高豊の歌を上げておきます。

   ・花なくて 鳥も声せぬ かくれがに
           さびしさそへて 春雨ぞ降る

 この高豊の娘に松野がいます。その母美弥もまた歌を善くしています。
   ・松杉の 奥にかくれて 一本は
           あらしもしらぬ 山桜かな
 二人の歌は吉備国歌集に載っています。その彼女も、また、42歳の若さで昇天しております。

 その後、高尚はこの娘「松野」に大いに期待をかけて育てています。