ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

ショック。リブロ閉店

2015年05月31日 21時14分56秒 | 雑記
五月中旬からアッパリアスという小さな水鳥が近辺に訪れるようになった。シオラパルクの人たちはアッパリアスが大好物で、夏のあいだはこればっかり食べているという。取り方は簡単なようで奥が深い。鳥の集まる岩場に行って、岩陰に隠れて、長柄の先につけた網で取るのである。時間があると皆いそいそと出かけて、アッパリアスを取りに行っている。私も何度なく挑戦しているが、これが難しい。地元の人は一度に100羽、200羽と簡単に取るが、私はこれまで最高が15羽。一桁ちがう。

今日も天気がいいので、今からアッパリアスを取りにでかけるつもりだ。うーん、アッパリアスな日々……。

とまあ、あんまりそのことを書くと、ナショジオなどで書くことがなくなるので、これぐらいにしておく。

ところで今、ネットでニュースを見てリブロの池袋本店が閉店するということを知り、びっくりした。非常にショックである。リブロは私にとっては一番身近な本屋だった。なにしろ、家は西武池袋沿線なので、電車で出かけるときは絶対に池袋を経由する。自宅にもどるときに、ひとまずリブロに立ち寄り、新刊コーナーをのぞいて、そのあとノンフィクションコーナーで自分の本の扱いに釈然としないものを感じ、人文書コーナーを眺めながら西武池袋駅南口に抜けてそこから帰宅というのが私の移動ルートだった。

これから本屋に行こうと思ったら、ジュンク堂に行かなければならないのか……。ジュンク堂は日常的に使う本屋としてはデカすぎるし、ほんのちょっとだけど駅から歩かなければならないのが面倒だ。駅構内とつながり、面積的にも手ごろ、かつ(私の本の扱いをのぞいて)面陳的にもセンスがよかったリブロは非常にありがたい存在だった。

リブロが潰れるとは、日本の出版界はいったいどうなってしまうのだろう……。もちろんそんな暗然とした思いもあるが、それよりも習慣化された日常の一部が破壊されてしまったことがショックの原因だろう。西武線沿線に住んでいる意味が半分ぐらいなくなった気分だ。
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