ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

『極夜行』発売

2018年02月06日 22時47分12秒 | お知らせ
極夜行
角幡 唯介
文藝春秋


昨年冬の極夜探検をまとめた『極夜行』が発売となります。早いところでは7日から店頭に並ぶそうです。

冬の北極圏の四か月間にものぼる暗黒の極夜を越えて、ついに昇る太陽を見るまでの80日間にわたる探検の記録です。この十年間、現代における新しい探検のかたちをもとめて活動してきましたが、この作品はその総決算という位置づけです。これ以上、探検的な旅はもうできないと思います。それぐらいカオスな世界です。

それに可愛い顔の犬も登場します。



もちろん総決算的旅を記した本なので、外面的にはただ暗くて寒くて憂鬱なだけにすぎない極夜世界のカオス性をどのように表現したら読者に正確に伝わるか、かなり工夫して執筆しました。その試みは、もしかしたら客観的には失敗している可能性もありますが、自分ではかなり成功しているのではないかと評価してます。五日ほど前に見本が届きましたが、自分の作品にもかかわらず、ついつい「おもしれえー」と一気読みしてしまいました。こんなことは初めてのことです。いやいやあれには困った。この事実からも、本作品が自分以外の他者にとってもかなり駆動力のある内容になっているのではないかと推察されます。

『空白の五マイル』とは異なる、地理的探検の世界を突き抜けた異次元の脱システム的世界をご堪能ください。

イベント追加情報。

2月12日に大阪・枚方市の蔦屋書店で『極夜行』のトークイベントあります。詳細は以下です。

【イベント内容】
2月9日(金)に、文藝春秋より新刊『極夜行』を刊行される探検家・角幡唯介氏。
様々な未知の空間を追い求め、常に自身を極限状態に置きながら世界中を旅してきた氏が、冬になると目指した場所が北極でした。そこには、極夜という長い長い漆黒の夜が存在します。場所によっては4ヶ月間も太陽の昇らない、未知の探検。相棒となる一匹の犬を連れての過酷な時間、世界最北の小さな村に暮らす人々との交流、そして4ヶ月振りに目にした太陽に、氏は何を感じたのか―。
準備期間を含め足かけ4年間に渡るプロジェクトの全容を、貴重な極夜の映像も交え、著書に書ききれなかった事まで時にはユーモアたっぷりに語って頂きます。
終わりの見えない暗闇世界や太陽への渇望を、是非枚方 蔦屋書店でご体感ください。

2018年02月12日(月) 50名 
時間 17:30~

場所 蔦屋書店 4F カフェスペース

参加費 1,000円(税込)

申し込み方法 電話予約・web予約

問い合わせ先
枚方 蔦屋書店
http://real.tsite.jp/hirakata/event/2018/01/4-1.html


また以前お知らせした9日の文藝春秋、10日のデサント、13日の新潮社のイベントも空席いっぱいあるようです。あんまり人数が少ないと悲しくてやる気がなくなってトークも乗らず、つまらなくなってしまうので、ぜひご参加ください。

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極地キャンプ中止のお知らせ

2018年01月25日 09時07分16秒 | お知らせ
週末に予定されていた嬬恋での極地キャンプは、草津白根山の噴火により中止となりました。
大変残念なことですが、自然あってのイベントなので仕方がないかと思います。

https://www.muji.net/camp/tsunan/blog/2018/01/2018.html

参加を予定されていた皆様にはご迷惑をおかけします。来年以降、チャンスがあれば次はぜひやりましょう。

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『極夜行』関連イベント情報

2018年01月20日 16時29分30秒 | お知らせ
2月9日の新作『極夜行』に関連してトークイベントがいくつか開かれます。

①角幡唯介が語る「僕と愛犬ウヤミリックの極夜の探検」

あらゆるノンフィクション賞を受賞している探検家の角幡唯介さんの、4年にわたる壮大な旅が完結、単行本となって皆さんにお届けする日が来ました。
角幡さんの人生をかけた新しいテーマは、「極夜」でした。極夜とは、冬の極地における太陽の昇らない長い期間のことです。探検家にとって未知の空間を見つけることが困難となったいま、極夜を数カ月旅することは、まだ誰も成し遂げていない“未知”の部分だったのです。
 角幡さんは、そこに行って太陽を見ない数カ月を過ごした時、自分が何を思い、どのように変化するのを経験したかった。シオラパルクという世界最北の小さな村に暮らす人々に助けてもらいながら準備をし、ひとりで数十キロの橇を引いて探検に出ました。相棒となる犬、ウヤミリックを一匹連れて。
 今回のトークショーは、2014年1月に出会ったウヤミリックとの話がテーマです。しつけに苦労しながらも愛情が芽生え、毎年ウヤミリックと旅をしました。深い愛があっても、非常事態では予想もしなかった感情が角幡さんに芽生えました。本作のキーとなる部分です。ウヤミリックとの旅の映像を見ながら“楽しい”お話をしていただける予定です。

申し込み https://peatix.com/event/343034?lang=ja

日時:2月9日(金) 19時~21時 (18時30分会場)
場所:文藝春秋西館地下ホール
入場料:2000円

当日書籍の販売をいたします。

②探検家・角幡唯介さん『極夜行』刊行記念トークイベント 「80日間の暗黒世界で見たもの、感じたこと」

探検家、ノンフィクション作家・角幡唯介さんが2016年12月から80日間、冬の北極圏で一日中太陽が昇らない暗闇の世界「極夜」を旅した様子を克明に記した最新刊『極夜行』(2月9日発売)の刊行記念トークイベントです。
『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』ではチベットの前人未到の秘境を単独で調査し、『雪男は向こうからやってきた』ではヒマラヤで雪男を捜索。
『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』では自らの足で北極1600キロを踏破し、初めて海をテーマにした『漂流』ではマグロ漁船に乗船するなど、これまで常に未知の世界に挑んできた角幡さん。
今回の探検では、足掛け4年を準備に費やし、GPSを持たず、一匹の犬を相棒に雪と氷に閉ざされた暗黒世界へ踏み出しました。アクシデントが続き、命の危険も迫る80日間の極夜探検のなかで、角幡さんは何を見て、どんなことを感じていたのでしょうか。
本に書かれなかったエピソードに加えて、これまでの探検との違いとはなにか、探検を終えて1年が経ち自身はどう変容したのか、次の目的地はもう決まっているのかなどなどを伺います。角幡ファン必見の90分!

<日時>
2018年2月10日(土)17:00~18:30(16時30分開場)
<入場料>
1,000円(前売券)
1,200円(当日券)
※当日券は会場にて販売いたします。前売券が完売の場合は、立見席でのご案内が可能です。ただし、立見席も数に限りがございますので事前にご確認ください。

<会場>
DESCENTE SHOP TOKYO BOOKS
※会場にお手洗いはございませんので、ご了承ください。

申し込み http://www.descente.jp/shoptokyo/event96/

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極地キャンプ

2018年01月20日 09時52分26秒 | お知らせ
急な話ですが、次の週末にこのようなイベントがあります。もし興味のある方がいれば。今のところの参加者は8人しかいないようで、密着型のイベントになりそうです。
ちなみにイグルーはこの五年ぐらい作ってないので、上手に作れる自信はありません。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


標高1,300mに位置する真冬のカンパーニャ嬬恋キャンプ場(群馬県嬬恋村)は、関東でも限りなく北極の環境に近い場所でもある。2018年1月下旬の真っ白で切り裂くほどの寒気の中、北極圏を疑似体験するキャンプイベントを今年も開催します。

最低気温が、-20℃になる日もある冬のカンパーニャ嬬恋キャンプ場。
ここはまるで北極圏にいるかのような空気も凍る寒さと深雪の白銀の世界があります。
つまり、北極圏の疑似体験ができるキャンプ場で体感したことがないほどの寒さをいかに楽しむかをテーマにした「極地冒険キャンプ」。
今年は、以前このイベントにお招きした荻田氏とともに2011年、北極史最大の謎と呼ばれる英国フランクリン隊の足跡をたどる冒険に挑んだ、ノンフィクショ作家で探検家の角幡唯介(かくはた ゆうすけ)氏をお迎えします。

角幡氏は、2016年冬から2017年春に掛け、北極圏グリーンランドにある、シオラパルク(北緯77度47分)という、住民が暮らす集落として、世界最北の小さな猟師村から出発した、たった一人、相棒(犬)ウヤミリックとともに、80日間にも及ぶ「一人極夜の旅」(日中でも太陽が沈んだ状態が続く現象)に挑んでいます。

何を求め、この最果ての地から旅を始めたのか?
「私が北の最果てに来たのは、この約200年前のイヌイットの男が見ていたような本物の太陽や本物の月を見たかったからだった。」
引用:文春オンライン「私は太陽を見た」http://bunshun.jp/category/into-the-polar-night

さまざまな冒険に挑む角幡氏は、何を思い、何を感じているのか?
角幡氏が直近に挑んだ「一人極夜の旅」のお話しを中心に、凍てつく厳冬期のカンパーニャ嬬恋キャンプ場で北極圏を体験します。

日中は、バラギ湖にビッシリと張った氷を切り出し、イグルーつくりにチャレンジします。
夜はもちろんギンギンの氷上にテント泊です。イグルーの出来次第では、イグルー泊も可能!

「極地冒険キャンプ 2018」概要
開催日:
2018年1月27日(土)-1月28日(日)
開催時間:
13時~開場(テント設営可能) 14時イベント開催
場所:
無印良品カンパーニャ嬬恋キャンプ場 群馬県吾妻郡嬬恋村バラギ高原(キャンプ場までの所要時間)
参加費:
15,000円(消費税込)
※現地にてお支払ください。
参加資格:
どなたでも(極寒氷上でのテント泊になりますので、装備・経験されている方)
参加方法:
インターネット、お電話にてご予約承ります。
※ご予約には事前にユーザー登録が必要です。
インターネット https://www.muji.net/camp/user/
電話(MUJIアウトドアネットワーク)03-5950-3660
(月~金10時-17時、祝祭日除く)
予約開始:
2018年1月5日(金) 10時~
持ち物:
しっかりとした防寒着、極寒雪中キャンプ可能な装備
募集人数:
35名程度
ゲスト:
ノンフィクション作家・探検家 角幡 唯介(かくはた ゆうすけ)氏
1月27日(土)

10時:
イグルーつくり準備(有志募集)
※昼食まかない付
13時:
キャンプ場集合 各自テント設営(バラギ湖氷上に設営)
14時:
角幡氏の北極冒険の話しを聞きながら、イグルーつくり
17時:
各自風呂(近隣の温泉施設を利用)
※ココからは、センターハウス
18時:
夕食 北極メシ&鍋
19時:
角幡氏の映像&トーク
22時:
氷上で「極夜体験」&「天体望遠鏡で心ゆくまで星空観察」
24時:
各自テントにて就寝
1月28日(日)
5時:
朝焼け確認(全員で、寒い~って言う)
※2度寝
7時:
朝食 北極モーニング
8時:
イグルーつくりの続き、氷上アイスフィッシング
※自由に遊びます
12時:
各自撤収して終了

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吉田勝次さんとのトークイベント「『地球探検』大放談!」

2017年06月14日 21時31分02秒 | お知らせ
『洞窟ばか』の著者で、クレイジージャーニーの出演などでおなじみの探検家吉田勝次さんとのトークイベントが新潮社ラカグであります。

このブログでもすこし紹介しましたが、吉田さんとは旧知の仲。その昔、新聞記者時代に富山支局在任中、吉田さんが黒部峡谷の洞窟探査にやってきて、その同行取材をさせてもらったことがあります。これまでに私は人生で何人か、決して忘れることのできない強烈なキャラクターの人物にあってきました。たとえば大学卒業後に参加したニューギニア遠征隊の藤原さん、あるいはシオラパルクの大島さん。吉田さんもその一人で、たった一度の邂逅ではありましたが、そのときの映像がガンコな油汚れみたいに今も頭の端っこのほうにこびりついて離れません。

フィールドは異なりますが、同じ探検家同士、地球の未知の魅力を語り合いたいと思います。一応、吉田さんの本の刊行記念なので、私のほうが聞き役的な感じかな~と想像してます。

7月5日午後7時~8時半。2000円。サインもあります。

イベント詳細とチケット販売はこちら。https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01ra1xyxakbn.html

以下、上記サイトからコピペしたイベント詳細です。

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2017/7/5(水) 19:00~2017/7/5(水) 20:30
イベント受付開始時間 2017/7/5(水) 18:30~
la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko


国内外で1000を越える洞窟に挑んできた洞窟探検家の吉田勝次さん。初めて洞窟に入ったのは28歳のとき。完全な暗闇と洞窟が持つ強烈なパワーに圧倒され、「自分がやりたかったのはこれだ!!」と、洞窟の魅力にとりつかれてしまったといいます。
 その後、未踏の洞窟を発見しては挑む「洞窟病」は重症化の一途をたどり、A4サイズの隙間があれば体を押し込み、ロープ1本で400メートルの縦穴を下る……。何度も死にそうな目に遭いながらも奮闘する姿は、TBSテレビ「クレイジージャーニー」などでも取り上げられ、観る者を驚かせています。

 そんな吉田さんと対するのは、探検家かつノンフィクション作家の角幡唯介さん。チベットのツァンポー峡谷の奥地で何度も死にかけ、雪男を探すためヒマラヤ山中に60日間潜み、あるいは凍傷にかかりながら北極圏を走破するといった壮絶な体験を綴った数々の作品で、大宅賞をはじめ、数々の文学賞を受賞されています。

 常人には理解できない境地へと向かっていく吉田さんと角幡さん。いったい何が、二人を駆り立てるのでしょうか。モチベーションから探検テーマの決め方、絶対絶命のピンチから生還できた理由、はたまた大きな声では明かせない話まで、大いに語っていただきます。



※トーク終了後に吉田勝次さんの『洞窟ばか』、角幡唯介さんの著書へのサイン会を開催いたします。書籍は会場でも販売いたします。なお時間の都合上、書籍は1著者につき1冊とさせていただきます。

※ご購入いただいたチケットは理由の如何を問わず、取替・変更・キャンセルはできません。ご了承ください。

※開場は開演の30分前です。



******************************

プロフィール
吉田勝次(よしだ・かつじ)
1966年、大阪府生まれ。洞窟探検家。(有)勝建代表取締役、(社)日本ケイビング連盟会長。洞窟のプロガイドとして、テレビ番組での洞窟撮影、学術調査、研究機関からのサンプリング依頼、洞窟ガイド育成など、洞窟に関わるすべてを請け負う。洞窟をガイドする事業「地球探検社」、洞窟探検チーム「JET」、洞窟探検プロガイドチーム「CiaO!」主宰。

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
1976年、北海道生まれ。ノンフィクション作家、探検家。早稲田大学探検部OB、元朝日新聞記者。著書に『空白の五マイル』『雪男は向こうからやって来た』『アグルーカの行方』『探検家、36歳の憂鬱』『探検家の日々本本』『旅人の表現術』など。近著『漂流』は自身の体験ではなく沖縄の猟師の人生を追い、新たな境地を開く。






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『探検家の日々本本』文庫本発売

2017年06月06日 21時12分53秒 | お知らせ
探検家の日々本本 (幻冬舎文庫)
角幡 唯介
幻冬舎



あの毎日出版文化賞書評賞受賞、一気読み必至の読書エッセイ『探検家の日々本本』の文庫本が6月9日より発売となります。カバーデザインが一新。2012年正月、集英社が朝日新聞の元旦紙面にうつ宣伝広告のために撮影した写真を、今回、幻冬舎の文庫本の表紙に使いました。現場は極夜のカナダ・ケンブリッジベイで、毎日、氷点下三十度前後の寒さだったため、セルフで二、三枚とるとすぐにバッテリーがあがってしまい、非常に苦労して撮った写真です。

私のほかの本は読んでいるけど、この本は読んでいないという方も多いでしょう。そういう方はおそらくこの本のことを、私が本を読み、その本について論評した本だと誤解されているのでしょう。しかしこの本はじつは書評本ではありません。私が読んだ本をネタに、自分のことや頭のなかのこと、あるいは冒険や探検の真髄等々を語った、要するにエッセイなのです。その意味では毎日出版文化賞書評賞の選考委員の方々は、なにか大きな勘違いをされたのかもしれません。

実際、毎日出版文化賞書評賞を受賞したと連絡を受けたときは、自分自身、え、なぜ? と思いました。自分としては結構いい出来だと思っていたので、もしかしたら賞をもらえるかもとは思っていましたが、想定していたのは講談社エッセイ賞でした。それが書評賞。でもラッキーとも思いました。

今回の極夜探検でシオラパルクまで同行したフリーのTVディレクター亀川氏は、私の本のなかで一番奥が深いのがこの本だとまで言ってました。私としては、自分の本のなかで一番深いのは『漂流』だと思っていたので、亀川氏の寸評を聞き「この人は本当にわかってないな」とちょっとムカッときましたが、しかし、まあ、それもアリでしょう。

いずれにしても面白いこと請け合いです。ちなみにごく一部の加筆修正をのぞき、単行本から中身はほぼ変わってません。

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講演等のお知らせ

2017年05月26日 18時19分29秒 | お知らせ
6月、7月の講演会のお知らせです。めちゃくちゃあります。ヤバイです。忙しいです。原稿書けないです。山には行きます。

●6月10日に金沢市で中日新聞の夏山の集いで、山登りについて講演します。40分と短い講演なので、探検の話ではなく、国内登山の魅力について話そうと思います。

白馬連峰夏山相談会と2017中日夏山のつどい
開催日 2017年6月10日(土)
場所 石川県文教会館(金沢市尾山町10-5)

白馬連峰夏山相談会 13:00~18:00
 北アルプスの白馬への登山の楽しみ方、装備、注意点、各山小屋の紹介、登山ルートの案内について、現地の山小屋スタッフや観光局の局員が対面にてご相談に応じます。

2017中日夏山のつどい 18:00~(17:30開場、20:45終了予定)
 今年は講師に冒険家にして作家、角幡唯介さんを迎え、山登りの魅力について語って頂きます。また、豪華景品が当たるお楽しみ抽選会や白馬岳の魅力を伝える映画も放映予定。

 問い合わせ 北陸中日新聞広告部=(電)076(233)4640
 http://www.chunichi.co.jp/hokuriku/article/event/ZZ2017051901008989.html

●6月11日 東京・代々木で国立登山研修所の創立50周年イベントで「極夜の探検と冒険の可能性」と題して講演します。ヤマテンの猪熊さんも山の天気について講演されるようです。予約不要。

国立国立オリンピック記念青少年センター417号室 入場無料 250名様
開場12:30 開演13:00 終了16:30
http://www.tozanken-tomonokai.com/pg30.html

●6月13日 名古屋で極夜の探検についての報告会を開催します。先日、文春で開いた報告会とほぼ同じ内容です。

角幡唯介イベント
日時:2017年6月13日(火)19 :00 〜20:30(開場18:30)
会場:ウインクあいち 愛知産業労働センター9階 907号室(名古屋駅より徒歩5分)
定員:40名(要予約)
参加費:2,000円

予約方法
氏名、電話番号、参加人数を、noboruhito.peoplewhoclimb@gmail.com にメールでお送りください。
http://www.a-kimama.com/culture/2017/05/68491/

ちなみに極夜探検については7月か8月に地平線会議でも報告することになりそうです。

あと7月5日に、あの『洞窟ばか』の吉田勝次さんと新潮社ラカグでトークショーやります。名付けて「地球探検大放談」。何話すか不明です。詳しくはまた後日。











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講演会、トークのお知らせ

2017年04月14日 09時24分29秒 | お知らせ
4月、5月、6月と講演会、トークショーの仕事がけっこう入っており、とりあえず近いものを告知します。

まず、4月24日。下北沢の本屋さんB&Bで、ノンフィクションライター西牟田靖さん『わが子に会えない』刊行記念で公開トークします。この本は妻と別れて子供に会えなくなった父親たちにインタビューしたノンフィクションなので、このトークでは西牟田さんに取材の経緯や舞台裏など聞きつつ、長期探検中で子供と離れなければならない一人の親として、親子関係とは何なのかについて語りたいと思います。

予約はB&Bのサイトからお願いします。
http://bookandbeer.com/event/20170428_ev/

5月21日に、以前、ツアンポー探検の前に通っていたチベット語教室のカワチェン主催による講演会があります。こちらは新宿歴史博物館。「探検すること、取材すること、書くこと」というお題をいただきましたので、そんなことについて。前にICIで取材やノンフィクションについて語ったときは、深い内容を目指しすぎてはまったので、もう少し、エピソード中心のわかりやすい内容にします。

詳細はカワチェンHPで。
http://www.kawachen.org/event.htm#20170521

4月28日の文春の極夜報告会はすでに予約が百人を超えたとの中間報告をもらっています。
また6月10日には中日新聞の夏山のつどいのイベントで金沢で山について、6月11日には国立登山研修所の五十周年企画で代々木で「冒険論」に関して、6月17日には北海道北見市の地元山岳会主催で北見で極夜探検のことで、それぞれ講演会が入っています。また日が近くなったら詳しくお知らせします。

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極夜探検の報告会

2017年03月28日 20時46分55秒 | お知らせ
お知らせです。4月28日に文藝春秋社のB1ホールで極夜の探検の報告会を開きます。なにしろ真っ暗闇の中で、写真がほとんど撮れなかったため、映像を交えてのトークになるかと思います。

これから他の場で話すことがあるかと思いますが、今回の旅の報告はこれが最初です。

日時:4月28日(金) 開場18時15分 開演19時(約90分)
場所:文藝春秋西館B1ホール (千代田区紀尾井町3-23 有楽町線麹町駅より徒歩2分 西館入口よりお入り下さい)
参加費:2000円

ナンバーウェブに詳しい告知が出ています。
http://number.bunshun.jp/articles/-/827704
またチケットの購入は以下になります。
http://peatix.com/event/251042

ダンテもびっくり。混沌とした冥界の彷徨にご興味のある方は、ぜひご参加ください。
(写真は4カ月ぶりに見た太陽)







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『地図のない場所で眠りたい』文庫化

2016年10月14日 15時10分06秒 | お知らせ
高野さんとの対談本『地図のない場所で眠りたい』が文庫化されて今日発売です。装丁に使われているのは、シオラパルクの氷河のどんづまりにあるメーハン氷河途中のキャンプの写真で、背中をまるめたウヤミリックがうつってます。

地図のない場所で眠りたい (講談社文庫)
高野 秀行,角幡 唯介
講談社


改めて、ざっと目を通したが、この本、けっこう面白いかも……。こうした対談本はライターがまとめるので、自分が書くわけではない。単行本のときには「高野さんとの対談の本、面白かったです」とよく言われたが、べつに自分の文章が褒められているわけではなく、まとめてくれた森山さん(探検部の先輩で高野さんの後輩)がうまいだけで、正直、全然うれしくなかった。どうせ褒めるんならアグルーカとか漂流を褒めて欲しいのだが……。しかし、文庫本に目を通すと、たしかに面白い。対談本でもかまわないので、高野さん人気にあやかって重版してほしい。

なお『探検家40歳の事情』のほうは21日発売。

探検家、40歳の事情
角幡 唯介
文藝春秋


まだアマゾンのサイトにはカバーがでていないが、クレアトラベラーの連載でイラストを描いてくださっている下田昌克さんが装画してくれた。こちらもウヤミリックがどーんと座った絵である。今気づいたけど、ウヤミリックが立て続けに本のカバーに使われていたんだな。ちなみに昨日、シオラパルクの住人で電話したら「クンミ・ナウマット(犬は大丈夫)」と言っていたので、無事、生きているらしい。

ついでに『漂流』のほうは新聞雑誌のメディアで取り上げられまくっている。今のところ書評は読売新聞、日経新聞、共同通信、北海道新聞、週刊新潮、週刊現代、週刊朝日、SAPIO、著者インタビューを受けたのは朝日新聞、文藝春秋、中央公論、アサヒ芸能。ラジオも東京FMのブルーオーシャン、TBSラジオの荻上チキのセッション22に出演。今後も某紙で書評掲載の予定ありと聞いている。こんなに書評が掲載された本は初めてだけど、まだ重版しない。なぜだろう。

ウェブ上で読める書評。
日経 http://style.nikkei.com/article/DGXKZO08171790Y6A001C1MY6001?channel=DF130120166021
読売 http://www.yomiuri.co.jp/life/book/review/20161003-OYT8T50058.html
北海道新聞 http://dd.hokkaido-np.co.jp/cont/books/2-0084443.html?page=2016-09-25
週刊朝日 http://book.asahi.com/reviews/column/2016093000002.html
朝日新聞著者インタビュー http://book.asahi.com/booknews/update/2016091600004.html




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『探検家、40歳の事情』発売記念トークイベント

2016年10月04日 23時26分28秒 | お知らせ
今年、3発目の単行本となる『探検家、40歳の事情』が21日に文藝春秋より発売となります。ゴリゴリの本格ノンフィクションである『漂流』とは全然ちがった、探検のこぼれ話をあつめた肩の凝らないエッセイ集です。前作の初エッセイ集『探検家、36歳の憂鬱』から四年たち、結婚し、子供が生まれたことから私の日常生活は激変しました。40歳という家族をかかえた、いい中年男が探検に出る以上、当然、探検の現場でもちょくちょく妻との絡みがあるわけで、そのへんの現在の私の事情がひょっこりと顔を出すような話にまとめています。「人間とイヌ」という一篇がすこしシリアスですが、あとはまじめな話はありません。カクハタ、あほだなあ~と笑って読んでいただければ本望です。あなたはどの話のオチが好きですか?

さて、本書の発売を記念して21日に東京の八重洲ブックセンターでトークイベントを開きます。昨年のグリーンランドの旅を話を写真や動画をまじえながら語ろうと思います。また、出発が今月30日にせまった極夜探検の計画についても話す予定です。ご興味のある方はぜひご参加ください。なお書店での発売記念イベントということで、サインは同書店で購入いただいた本限定ということのようなので、あらかじめご了承ください。

以下はイベントの告知内容です。

角幡唯介さん 『探検家、40歳の事情』(文藝春秋刊)刊行記念トーク&サイン会
日時:10月21日(金)19時~
会場:八重洲ブックセンター本館8Fギャラリー
定員:80名(要予約/申し込み先着順)
申込み方法:八重洲ブックセンター1Fカウンターにて申込みいただくか、お電話にて承ります。☎03-3281-8201
備考:サインは当日八重洲ブックセンターにてお買い上げの本のみに限らせていただきます。


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名古屋でイベントのお知らせ

2016年09月16日 22時25分07秒 | お知らせ
10月6日に名古屋でイベントを開きます。『漂流』絡みのものではなく、北極の話です。昨年のグリーンランドの話を中心に、今年の計画などを話そうかと思っています。今年は10月30日に日本を出発し、11月からいよいよ極夜探検の予定です。この5年間の総決算。というか探検家人生最大の旅のつもりです。まだかなり残席があるようなので、ご都合のつく方はぜひご来場ください。

以下、主催者から送られてきた告知内容です。

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極夜という空白部を旅する。

この冬、極夜という太陽が昇らない北極圏を数ヶ月にわたって一頭の犬とともに旅をする角幡唯介さんをお迎えして、名古屋で初めてのトークイベントを開催します。
主催者 朝日陽子

日時:2016年10月6日(木曜日)
19:00〜20:30(開場18:30)
開場:ウインクあいち 愛知産業労働センター9階 905号室 (名古屋駅より徒歩5分)
定員:35名(要予約)
予約方法:氏名、電話番号、参加人数を記入の上、メールにてご連絡ください。(返信メールが拒否される場合があります。返信メールが受け取れるように設定の変更をお願いいたします。)

noboruhito.peoplewhoclimb@gmail.com

参加費:2000円

詳しくは、Facebookページ「登る人」にて随時更新いたします。下記アドレスから、どなたでもご覧いただけます。
http://www.facebook.com/noboruhito

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なお、18日のデサントでおこなう『漂流』のイベントもまだ余裕があるようです。詳しくはデサントのページへ。
http://www.descente.jp/shoptokyo/event67/

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チケット完売。18日にも別のイベントあります

2016年09月05日 21時01分17秒 | お知らせ
9日に新潮社のラカグでやるイベントですが、なんと、なーんと、90席すべてが完売したとのこ。

ビックリポンとはこのことである。

参加費2000円なので、まあ、せいぜい30~40人というところかなぁと思っていたのだが、90席とは前代未聞の人数である。アマゾンで頓珍漢なレビューがあがっていて頭にきたが、自分としは『アグルーカ』を上回る深いテーマで書けたと思っているので、この作品に込めた熱気が伝わったのかと思うと率直に嬉しい。この前、担当の今泉さんと何を話したらいいですかねぇと相談したところ、完全にまな板のコイでいいんじゃないですかと言われたので、進行は藤原さんにお任せして、聞かれたことに素直に答えることにしよう。

さて、このイベントに参加できなかった人のために朗報です。18日にまた『漂流』絡みでトークショーを開きます。聞き手はライターの川内イオさん。こちらも取材中の裏話や苦労話、この作品に込めた思いなどを語りたいと思います。

以下、告知です。

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〈探検家・角幡唯介さんトークイベント「『漂流』で描きたかったこと、描かかなったこと〉


今年8月、ある漁師の波乱に満ちた人生を中心に、海洋民の生き様を描いた渾身の長編ノンフィクション『漂流』を発売した探検家、作家の角幡唯介さんのトークイベントです。

角幡さんは探検家、ノンフィクション作家として『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(開高健ノンフィクション賞などを受賞)でチベットの前人未到の秘境を単独で調査し、『雪男は向こうからやってきた』(新田次郎文学賞受賞)ではヒマラヤで雪男を捜索するなど常に未知の世界に挑んできました。

自らの足で北極1600キロを踏破した『アグルーカの行方 129人全員死亡、フランクリン隊が見た北極』で講談社ノンフィクション賞を受賞した後、4年ぶりとなる本格ノンフィクションとなるのが、初めて海をテーマにした『漂流』です。今回の主人公は、かつて37日間も太平洋を漂流し、奇跡の生還を遂げた沖縄のマグロ漁師です。

沖縄、グアム、パラオ、フィリピンなどで現地取材を重ねた角幡さんに、普段はなかなか知ることができない本に書かれなかったエピソードや取材の裏話についてお話して頂きます。取材時に撮影した動画も公開されるかも!?
『漂流』を掘り下げながら、角幡さんの探検家としての人生にも触れられる90分!
この機会にぜひ!

<日時>
2016年9月18日(日)16:00~17:30(15時30分開場)

<入場料>
1,000円(前売券)
1,200円(当日券)

<会場>
DESCENTE SHOP TOKYO BOOKS

※原宿駅の目の前です。
http://www.descente.jp/shoptokyo/access/
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『漂流』25日発売!

2016年08月17日 21時37分51秒 | お知らせ
『漂流』の発売がいよいよ迫ってきた。発売は25日。見本は19日に出るということで、本の出来栄えが非常に楽しみだ。なにしろ私としては『アグルーカ』以来、四年ぶりの本格的ノンフィクション。この四年間というもの、冬や極夜の探検、夏はこの『漂流』取材にすべての時間を割いてきただけに、非常に力の入った作品なのだ。

……なのだが、しかし、残念ながら私は明日から南会津へ長期の漂泊登山へ出かけるので、見本をみることができない。版元の編集者も営業担当も非常に力を入れてくれているので、大変、申し訳ないし、カバーもかっこいい出来栄えなので、私自身、できれば見本の完成を見届けてから山へ……と思っていたのだが、こればっかりはもう、天気の状態とか今後の予定とかもあるので、明日出発しないと私のなかでは間に合わない状況となってしまっているのだ。

ということで山優先。無念であるが、行けるときに行っておかないと山は逃げるから、しょうがない。

下山予定は9月頭。その頃には本屋に並んでいるだろう。大きなスペースが確保されていることを期待して、下山したいと思います。

さて、先日も告知しましたが、その『漂流』の発売にあわせたイベントが新潮社のイベントスペースで開かれます。まだ席に余裕があるようなので、興味のある方はぜひ参加してください。以下、イベント情報を再掲します。


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角幡唯介「はじめての海洋ノンフィクションを、僕はこう書きました」

『漂流』刊行記念トーク(聞き手:藤原章生)

2016/9/9(金) 19:00~2016/9/9(金) 20:30
イベント受付開始時間 2016/9/9(金) 18:30~

la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko
東京都新宿区矢来町67

チケット2000円

チケット販売はこちら http://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/015hfpyatsqt.html#detail

『空白の五マイル チベット、世界最大のツァンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞の3冠を取り、一躍注目の書き手となった探検家の角幡唯介さん。その後も、『雪男は向こうからやってきた』(新田次郎文学賞)、『アグルーカの行方』(講談社ノンフィクション賞)と、自ら体験し取材するスタイルで、独自のノンフィクションを世に送り出してきました。

 最新作『漂流』で、角幡さんは新境地に挑みます。舞台は沖縄を中心とした南太平洋の漁場、しかも、今回は自身の体験ではなく、沖縄の漁師の人生を追った作品です。海、暖かい地域(南方)、他者の人生ーーー今までにない形の作品といえます。あらすじはこうです。

1994年冬、沖縄県伊良部島・佐良浜のマグロ漁師・本村実さんは、フィリピン人らと共に救命筏で37日間の漂流の後、「奇跡の生還」を遂げます。しかし8年後、本村さんは再び出航し二度と戻ることはありませんでした。九死に一生を得たにもかかわらず、彼を再び海に向かわせたものは何だったのか.....?

 沖縄、グアム、パラオ、フィリピンなどで家族や関係者の話を聞き、漁師の生き様を追った渾身の長編ノンフィクション『漂流』。この刊行を記念して、トークイベントを開催します。

 聞き手は毎日新聞編集委員の藤原章生さんです。

 ところで、藤原さんと角幡さんには、いくつかの共通項があります。新聞記者である(だった)こと、開高健賞受賞者であること、山好きなこと、山で命を落としかけた経験があること.....。ご自身もノンフィクション作家としていくつもの作品を上梓している藤原さんが、インタビュアーとして角幡さんの創作の舞台裏に迫ります。

・当日会場で書籍『漂流』をお買い求めくださった方を対象に、終演後、角幡唯介さんのサイン会を行います。また、藤原章生さんの著作も会場で販売いたします。


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プロフィール

角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)
探検家・ノンフィクション作家。1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政経学部卒、同大学探検部OB。2003年、朝日新聞社入社、08年退社。著書に『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞など)、『雪男は向こうからやって来た』(新田次郎文学賞)、『アグルーカの行方』(講談社ノンフィクション賞)、『探検家、36歳の憂鬱』、『探検家の日々本本』(毎日出版文化賞)など。近著に『旅人の表現術』。

藤原章生(ふじわら・あきお)
毎日新聞編集委員・ノンフィクション作家。1961年福島県常磐市(現いわき市)生まれ。北海道大学工学部卒業、住友金属鉱山に入社。1989年毎日新聞記者に転じる。ヨハネスブルク、メキシコ市、ローマ特派員、郡山支局長などを経て現職。著書に『絵はがきにされた少年』(開高健ノンフィクション賞)、『資本主義の「終わりの始まり」』、『世界はフラットにもの悲しくて』『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか―“最後の弟子”森一久の被爆と原子力人生―』など。

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ご購入いただいたチケットの、取替・変更・キャンセルはできません。ご了承ください。
開場は開演の30分前です。

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『漂流』イベント案内

2016年07月16日 09時23分01秒 | お知らせ
四年ぶりの本格的ノンフィクションとなる『漂流』の発売がいよいよ近づいてきました。

沖縄・宮古の佐良浜という漁村出身のある漁師が1994年、グアムでマグロ漁操業中に船が沈没、ライフラフトで漂流し、37日後にフィリピンで奇跡的に救出されました。その後、彼は船に乗ることをやめましたが、しかし八年後に再びグアムに向かいます。なぜ彼は再び海に出たのか。その背景には彼の出身地である佐良浜の特殊な風土、歴史と、われわれ陸の人間には容易に理解しがたい海に生きる人間の倫理がありました。『漂流』は一人の人間が土地の風土、そして海という自然にどのように支配されるのかを追った、(自分で言うのもなんですが)原稿用紙800枚、432頁の前人未到、類書なしの圧巻超ド級大作ノンフィクションです。

通常、こういう作品は小説で表現するものですが、私は基本的に全員実名のノンフィクションで描きました。漁師というのは取材して書くのが本当に難しい対象です。なぜなら、彼らの言っていることって、何を言っているのかよくわからないからです。そのため漁師物のノンフィクションは乗船ルポ、水産産業モノをのぞくと、ほとんど存在しません。しかし私は彼らが何をいっているのかよくわからないことをふくめて、彼らの世界を書きました。単なる乗船ルポではなく、海の男の世界観に陸の人間が構造的にせまった作品としては初めてのものだと思います。面白いこと請け合いです。

再校ゲラ作業も終了し、昨日は新潮のPR誌「波」収録のため、芥川賞作家で朝日の書評委員で同じだった小野正嗣さんと対談。小野さんは大分の漁村出身で故郷を舞台にした小説を発表しているので、漁村文化、漁師気質について濃密な話を展開できました。

さて、この本の出版を記念して、新潮社のイベントスペースで公開トークが開かれます。お相手は、私と同じ開高賞出身作家で、かつ毎日新聞記者(昔は私も記者をしていました)、しかも北大山岳部出身で私がよく一緒に山登りする群馬の清野さんの後輩でもある藤原章生さんです。これまで藤原さんとお会いしたことはないですが、これだけ共通項があれば否応なく盛りあがるでしょう。

開催は9月でちょっと早いですが、以下告知です。チケット2000円だそうです。ちょっと高いですが、ふるってご参加を。
チケット販売はこちら http://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/015hfpyatsqt.html#detail

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角幡唯介「はじめての海洋ノンフィクションを、僕はこう書きました」

『漂流』刊行記念トーク(聞き手:藤原章生)

2016/9/9(金) 19:00~2016/9/9(金) 20:30
イベント受付開始時間 2016/9/9(金) 18:30~

la kagu(ラカグ)2F レクチャースペースsoko
東京都新宿区矢来町67

チケット2000円


『空白の五マイル チベット、世界最大のツァンポー峡谷に挑む』で、開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞、梅棹忠夫・山と探検文学賞の3冠を取り、一躍注目の書き手となった探検家の角幡唯介さん。その後も、『雪男は向こうからやってきた』(新田次郎文学賞)、『アグルーカの行方』(講談社ノンフィクション賞)と、自ら体験し取材するスタイルで、独自のノンフィクションを世に送り出してきました。

 最新作『漂流』で、角幡さんは新境地に挑みます。舞台は沖縄を中心とした南太平洋の漁場、しかも、今回は自身の体験ではなく、沖縄の漁師の人生を追った作品です。海、暖かい地域(南方)、他者の人生ーーー今までにない形の作品といえます。あらすじはこうです。


1994年冬、沖縄県伊良部島・佐良浜のマグロ漁師・本村実さんは、フィリピン人らと共に救命筏で37日間の漂流の後、「奇跡の生還」を遂げます。しかし8年後、本村さんは再び出航し二度と戻ることはありませんでした。九死に一生を得たにもかかわらず、彼を再び海に向かわせたものは何だったのか.....?

 沖縄、グアム、パラオ、フィリピンなどで家族や関係者の話を聞き、漁師の生き様を追った渾身の長編ノンフィクション『漂流』。この刊行を記念して、トークイベントを開催します。

 聞き手は毎日新聞編集委員の藤原章生さんです。

 ところで、藤原さんと角幡さんには、いくつかの共通項があります。新聞記者である(だった)こと、開高健賞受賞者であること、山好きなこと、山で命を落としかけた経験があること.....。ご自身もノンフィクション作家としていくつもの作品を上梓している藤原さんが、インタビュアーとして角幡さんの創作の舞台裏に迫ります。

・当日会場で書籍『漂流』をお買い求めくださった方を対象に、終演後、角幡唯介さんのサイン会を行います。また、藤原章生さんの著作も会場で販売いたします。




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プロフィール




角幡唯介(かくはた・ゆうすけ)

探検家・ノンフィクション作家。1976年、北海道芦別市生まれ。早稲田大学政経学部卒、同大学探検部OB。2003年、朝日新聞社入社、08年退社。著書に『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』(開高健ノンフィクション賞、大宅壮一ノンフィクション賞など)、『雪男は向こうからやって来た』(新田次郎文学賞)、『アグルーカの行方』(講談社ノンフィクション賞)、『探検家、36歳の憂鬱』、『探検家の日々本本』(毎日出版文化賞)など。近著に『旅人の表現術』。




藤原章生(ふじわら・あきお)

毎日新聞編集委員・ノンフィクション作家。1961年福島県常磐市(現いわき市)生まれ。北海道大学工学部卒業、住友金属鉱山に入社。1989年毎日新聞記者に転じる。ヨハネスブルク、メキシコ市、ローマ特派員、郡山支局長などを経て現職。著書に『絵はがきにされた少年』(開高健ノンフィクション賞)、『資本主義の「終わりの始まり」』、『世界はフラットにもの悲しくて』『湯川博士、原爆投下を知っていたのですか―“最後の弟子”森一久の被爆と原子力人生―』など。



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•ご購入いただいたチケットの、取替・変更・キャンセルはできません。ご了承ください。
•開場は開演の30分前です。


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