6月29日に全国公開される映画『コン・ティキ』の試写会を昨日見てきた。
探検に興味のある方ならすぐに分かるだろうが、ノルウェーの人類学者で探検家トール・ヘイエルダールのコンティキ号による漂流を描いたものだ。探検の中身を簡単にまとめると、ポリネシアに人類が住みついたのは、南米から海を渡ってからではないかと考え付いたヘイエルダールは、その独自の学説を立証するため、ペルーから水に浮かぶバルサ材で筏を組み、はるばる八千キロを漂流して、本当にポリネシアにたどり着いた。その探検の模様をまとめた本は全世界で5千万部も売れた。日本では『コン・ティキ号探検記』としてちくま文庫から出ています(……と思ったら絶版みたいですね)。
映画は素晴らしかった。この探検がどれだけ無茶苦茶だったかよく分かったし、コンティキ号があんなに大きかったことも知らなかった。本当の探検をできた時に感じる、自分と地球との対峙感も映像でうまく表現できている。何より自分の信念に一直線に突き進むヘイエルダールの魅力が伝わってきて感動した。必ずしもハッピーエンドでないところも含めてよかった。個人的には、やっぱり見境なく突き進むことが大事なんだな、という良いのか悪いのかよく分からない刺激を受けた。受けてしまった……。
探検に興味のない人でも十分に娯楽大作として楽しめるので、ぜひ多くの方に見てもらいたい。公開はだいぶ先ですが。下記はノルウェー大使館のHPです。
http://www.norway.or.jp/news_events/culture/literature/kontiki_ggnominate/
あとノンフィクション書評サイトHONZに高野さんの『謎の独立国家ソマリランド』の書評を書きました。
『ソマリランド』は本人も自負している通り、高野さんの久しぶりの会心作。無法と暴力が蔓延るアフリカ・ソマリアで平和と民主主義を達成しているソマリランドの探検記です。読み応え十分、一気読み必至。
実は4月から朝日新聞の書評委員をやることになっており、最初にこの本を取り上げたかったのだが、他の評者との競合にやぶれてしまった。週刊現代からも頼まれていたのだが、朝日で書くつもりだったので断った、という経緯があり、最終的にHONZで書かせてもらった。HONZはこちらです。
http://honz.jp/23795
探検に興味のある方ならすぐに分かるだろうが、ノルウェーの人類学者で探検家トール・ヘイエルダールのコンティキ号による漂流を描いたものだ。探検の中身を簡単にまとめると、ポリネシアに人類が住みついたのは、南米から海を渡ってからではないかと考え付いたヘイエルダールは、その独自の学説を立証するため、ペルーから水に浮かぶバルサ材で筏を組み、はるばる八千キロを漂流して、本当にポリネシアにたどり着いた。その探検の模様をまとめた本は全世界で5千万部も売れた。日本では『コン・ティキ号探検記』としてちくま文庫から出ています(……と思ったら絶版みたいですね)。
コン・ティキ号探検記 (ちくま文庫) | |
トール・ヘイエルダール | |
筑摩書房 |
映画は素晴らしかった。この探検がどれだけ無茶苦茶だったかよく分かったし、コンティキ号があんなに大きかったことも知らなかった。本当の探検をできた時に感じる、自分と地球との対峙感も映像でうまく表現できている。何より自分の信念に一直線に突き進むヘイエルダールの魅力が伝わってきて感動した。必ずしもハッピーエンドでないところも含めてよかった。個人的には、やっぱり見境なく突き進むことが大事なんだな、という良いのか悪いのかよく分からない刺激を受けた。受けてしまった……。
探検に興味のない人でも十分に娯楽大作として楽しめるので、ぜひ多くの方に見てもらいたい。公開はだいぶ先ですが。下記はノルウェー大使館のHPです。
http://www.norway.or.jp/news_events/culture/literature/kontiki_ggnominate/
あとノンフィクション書評サイトHONZに高野さんの『謎の独立国家ソマリランド』の書評を書きました。
『ソマリランド』は本人も自負している通り、高野さんの久しぶりの会心作。無法と暴力が蔓延るアフリカ・ソマリアで平和と民主主義を達成しているソマリランドの探検記です。読み応え十分、一気読み必至。
謎の独立国家ソマリランド | |
高野秀行 | |
本の雑誌社 |
実は4月から朝日新聞の書評委員をやることになっており、最初にこの本を取り上げたかったのだが、他の評者との競合にやぶれてしまった。週刊現代からも頼まれていたのだが、朝日で書くつもりだったので断った、という経緯があり、最終的にHONZで書かせてもらった。HONZはこちらです。
http://honz.jp/23795