ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

23日までは連絡取れます

2012年11月20日 10時09分35秒 | 雑記
主に仕事関係の方へご連絡です。
21日にイエローナイフに飛び、24日まで滞在する予定です。それまではネット環境が整っているので、連絡は問題なく取れるので、何かありましたらメールを送ってください。

イエローナイフの後はケンブリッジベイという村に向かい、それから先はあまり頻繁には連絡が取れなくなると思います。

こちらは毎日雨。冬のバンクーバーってこんなに天気が悪いんですね。町の中心部にはガラス張りのマンションが目立ちますが、冬になると太陽の光が射さず憂鬱症の人が増えてしまうため、法律だか条例だかで、一定割合以上、ガラス張りにしなければならないと決まっているそうです。

昨日から買い出しをしていますが、時差ボケがひどくて昼間はついつい寝てしまいます。昔は時差ボケなんて感じたことなかったのに。年を感じるなあ。

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バンクーバー

2012年11月19日 01時01分47秒 | 雑記
今年も北極探検のためにカナダにやって来た。
昨日、バンクーバーに到着。YWCAにチェックインした後、昨年、荻田君のつてで知り合いになった番場さんのお宅で夕食をごちそうになった。こちらはしとしとと雨ばかり。バンクーバーでは食糧や装備の買い出しをおこない、その後、イエローナイフから北極圏のケンブリッジベイという村に入る予定である。

今回の目的は極夜の北極を旅することだ。というか、旅できるかどうかを確かめることが目的である。

極夜、つまり太陽が昇らない世界は極地にしかない。極地を本当に体で感じるには、やはり太陽の昇らない冬に行かざるをえないだろう。しかもその極夜の世界をなるべく自力で旅をする。

極地で本当の極地性を感じるためには、衛星電話とGPSというハイテク装備はないほうがいい。昨年の旅ではそのことをつよく思った。『アグルーカ』の中でも書いたけど、衛星電話とGPSがあると、極地にいるにもかかわらず極地の自然から切り離された感じがしてしまう。きちんと自然のなかに入り込めていない感じがしてしまうのだ。

ということで、電話とGPSなしで極夜の北極を旅することが今の私のテーマなのだが、はたしてそんなことが可能なのか、とりあえず現地に行って訓練してみようというのが今回の旅の目的である。GPSがないとすると、現在位置を確認するには六分儀で天体を観測してそれをもとに計算するしかない。六分儀の使い方と計算方法はある程度学習したが、厳寒の北極でその通りできるかどうかは別問題だ。ケンブリッジベイでは天体観測の訓練や装備のチェック、イグルーの設営訓練なども行う予定で、できればその後、昨年おとずれたジョアヘブンか、あるいは別の村を星を見ながら歩いて旅したい。村はいずれも500キロ前後離れており、一カ月程度の行程になるだろう。

日本は衆院解散して大変のようですね。去年も北極にいる間に地震があり、日本を離れた時に必ず大きな出来事が発生する。選挙に投票できないのは残念ではあるが、でも実はすこしホッとした気持ちがないでもない。

なぜかというと、ここ最近ずっと、選挙になったらどこに投票しようか頭を悩ませてきたからだ。民主党政権はひどかったし、かといって自民党政権に戻って欲しくない。他の第三極の政党にも政策的に共感できるところは少ない。こりゃ投票先がないなあ、などと思っていたところに、いきなり解散して、その翌日、私はカナダにやって来た。いってみれば不可抗力的に投票できなくなったわけで、無責任なようだが、投票したくもない政党に投票しなくて済んだので、ホッとしているのである。


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