1月1日、午前7時15分起床。目覚ましに使っていた携帯電話のバッテリーが切れており、元旦から朝寝坊。明日からどうやって朝起きようか、○中と二人でへらへら笑って新年を迎えた。
幕営地から15分ほど谷をつめ、小さな尾根に出ると、谷を隔てて向こう側に坊主山の稜線が見える。谷をトラバースして坊主山右側の鞍部を超えて坊主の沢を下る。風が強くて手の指が軽~い凍傷にかかったようで、感覚がなかなか戻らない。坊主の沢は40、50度ほどの滝が連続して現れ、懸垂下降を何度か繰り返す。黄蓮谷に戻ってきて、のんびりと遡行を開始。坊主の滝は30メートル、Ⅳくらい。この日は二股手前まで登ると、右岸にちょっと狭いが幕営適地を発見。○中が谷の上を歩くと氷が割れてジャボンと水に落ちてくれたので、ぽっかりとあいた氷の穴から水場も得られた。最高のテンバだ。
1月2日、15メートルの滑滝を超えて左俣へ入る。Ⅲ~Ⅳの滝を2、3超えると垂直の滝が出現(写真)。真ん中はつらら状で明らかに困難。1P目は左側の岩とのコンタクトラインをルートにとる。斜度は70~80度ほどだろうか。ちょっと長いので腕が疲れた。岩と氷の間にできた小さなテラスでピッチを切る。30メートル、Ⅴ下。2P目は傾斜が落ち、落ち口へ。30メートル、Ⅲ。
垂直の滝を超えると最後の滝が現れる。右足が凍傷気味なので左から巻こいてさっさと下山しようと思ったが、○中が「せっかくだから真中から登りましょう」を譲らない。しぶしぶ同意してロープを出す。70度ほどのスラブに張り付いた厚いベルグラを7メートル登り、もこもこのフェースを超える。20メートル、Ⅳ。
谷の源頭はところどころ腰ラッセルでへろへろになりながら八合目にたどりつく。時間がないので甲斐駒本峰の登頂は諦め、凍傷で痛む右足を引きずりながら黒戸尾根を神社まで下り終えた。あたりはすっかり真っ暗だ。
幕営地から15分ほど谷をつめ、小さな尾根に出ると、谷を隔てて向こう側に坊主山の稜線が見える。谷をトラバースして坊主山右側の鞍部を超えて坊主の沢を下る。風が強くて手の指が軽~い凍傷にかかったようで、感覚がなかなか戻らない。坊主の沢は40、50度ほどの滝が連続して現れ、懸垂下降を何度か繰り返す。黄蓮谷に戻ってきて、のんびりと遡行を開始。坊主の滝は30メートル、Ⅳくらい。この日は二股手前まで登ると、右岸にちょっと狭いが幕営適地を発見。○中が谷の上を歩くと氷が割れてジャボンと水に落ちてくれたので、ぽっかりとあいた氷の穴から水場も得られた。最高のテンバだ。
1月2日、15メートルの滑滝を超えて左俣へ入る。Ⅲ~Ⅳの滝を2、3超えると垂直の滝が出現(写真)。真ん中はつらら状で明らかに困難。1P目は左側の岩とのコンタクトラインをルートにとる。斜度は70~80度ほどだろうか。ちょっと長いので腕が疲れた。岩と氷の間にできた小さなテラスでピッチを切る。30メートル、Ⅴ下。2P目は傾斜が落ち、落ち口へ。30メートル、Ⅲ。
垂直の滝を超えると最後の滝が現れる。右足が凍傷気味なので左から巻こいてさっさと下山しようと思ったが、○中が「せっかくだから真中から登りましょう」を譲らない。しぶしぶ同意してロープを出す。70度ほどのスラブに張り付いた厚いベルグラを7メートル登り、もこもこのフェースを超える。20メートル、Ⅳ。
谷の源頭はところどころ腰ラッセルでへろへろになりながら八合目にたどりつく。時間がないので甲斐駒本峰の登頂は諦め、凍傷で痛む右足を引きずりながら黒戸尾根を神社まで下り終えた。あたりはすっかり真っ暗だ。
雪男捜索から帰国してから約1か月、予想外の多忙で、この間まったく山に行けなかった。気分をリフレッシュするためにも、年末年始は仕事を放り出し、探検部の後輩の○中と甲斐駒でアイスクライミングをすることにした。ルートは西坊主ノ沢から黄蓮谷左俣への継続、今シーズン初アイスとしては少々荷が重いか。
12月30日未明、竹宇駒が岳神社に到着し、3時間ほど仮眠をとる。登山そのものが10カ月ぶりで、おまけにその間ほとんど運動をしていないという○中のペースが上がらない。前を行くおっちゃん登山者と抜きつ抜かれつのデットヒートを繰り返し、黒戸尾根5合目まで5時間かかった。黄蓮谷へと続く踏み跡をたどり、尾白川本流まで下る。尾白川は雪が少なくまるで白い氷の回廊といった感じで美しい。尾白川を1時間ほど遡ったところでこの日は幕営。
31日、夜間、雪がテントをばしゃばしゃとたたき、朝起きると3センチほど雪が積もっている。のそのそ歩き、1時間半ほどで西坊主ノ沢の取り付きに到着した。
F1は120メートルほど。氷の発達状況はあまり良くないようで、真ん中の垂直部分がつらら状となっており難しそう。核心は登らせてもらおうと1P目のリードを任せてもらったが、見た目よりスケールが大きく、垂直部分の手前でロープが尽きた。50メートル、Ⅲ。2P目が核心で、垂直のつらら状の左のコーナーフェースを10メートルほど登る(写真)。今年初リード兼運動不足かつ荷物を背負ったままの○中は結構つらそう。途中で勘弁のテンションを入れる。30メートル、Ⅴ。3P目は垂直の小さな段差を2か所超えると斜度は落ちる。40メートル、Ⅳ。
F2、F3は斜度のない滑滝で、すでに雪に埋まっている。F4は真ん中のスラブが70度ほどありそうだが、残念ながら氷がつながっていないので右から高巻く。
F4を過ぎて10分ほどラッセルすると巨大なF5が現れる。滝は横幅がありどこからでもルートを取れそうだが、右側の切り立った部分は明らかに難しそう。左の斜度が緩い部分を登る。1P目、50メートル、Ⅳ上。登るに従い徐々に斜度が増していく。フラットなスラブの滑滝なので、休む場所がほどんどなく、前爪で立ちっぱなしのふくらはぎがぴきぴきしてくる。2P目は左の岩の右側のコーナーを使ってふくらはぎへの負担を減らそうとするが、途中で完全パンプ。うなりながらの50メートル、Ⅳ。3P目は傾斜が緩んだところを落ち口へ。30メートル、Ⅲだが、○中の足は悲鳴を上げた。
西坊主ノ沢はまさに筋トレルートって感じで、○中は「ムーブもくそもないっすね。全然面白くない!」。登攀終了後は稜線目指して谷を登り、谷が二股に分かれたところの樹林帯で幕営した。風が強く、体がすっかり冷えてしまった。
12月30日未明、竹宇駒が岳神社に到着し、3時間ほど仮眠をとる。登山そのものが10カ月ぶりで、おまけにその間ほとんど運動をしていないという○中のペースが上がらない。前を行くおっちゃん登山者と抜きつ抜かれつのデットヒートを繰り返し、黒戸尾根5合目まで5時間かかった。黄蓮谷へと続く踏み跡をたどり、尾白川本流まで下る。尾白川は雪が少なくまるで白い氷の回廊といった感じで美しい。尾白川を1時間ほど遡ったところでこの日は幕営。
31日、夜間、雪がテントをばしゃばしゃとたたき、朝起きると3センチほど雪が積もっている。のそのそ歩き、1時間半ほどで西坊主ノ沢の取り付きに到着した。
F1は120メートルほど。氷の発達状況はあまり良くないようで、真ん中の垂直部分がつらら状となっており難しそう。核心は登らせてもらおうと1P目のリードを任せてもらったが、見た目よりスケールが大きく、垂直部分の手前でロープが尽きた。50メートル、Ⅲ。2P目が核心で、垂直のつらら状の左のコーナーフェースを10メートルほど登る(写真)。今年初リード兼運動不足かつ荷物を背負ったままの○中は結構つらそう。途中で勘弁のテンションを入れる。30メートル、Ⅴ。3P目は垂直の小さな段差を2か所超えると斜度は落ちる。40メートル、Ⅳ。
F2、F3は斜度のない滑滝で、すでに雪に埋まっている。F4は真ん中のスラブが70度ほどありそうだが、残念ながら氷がつながっていないので右から高巻く。
F4を過ぎて10分ほどラッセルすると巨大なF5が現れる。滝は横幅がありどこからでもルートを取れそうだが、右側の切り立った部分は明らかに難しそう。左の斜度が緩い部分を登る。1P目、50メートル、Ⅳ上。登るに従い徐々に斜度が増していく。フラットなスラブの滑滝なので、休む場所がほどんどなく、前爪で立ちっぱなしのふくらはぎがぴきぴきしてくる。2P目は左の岩の右側のコーナーを使ってふくらはぎへの負担を減らそうとするが、途中で完全パンプ。うなりながらの50メートル、Ⅳ。3P目は傾斜が緩んだところを落ち口へ。30メートル、Ⅲだが、○中の足は悲鳴を上げた。
西坊主ノ沢はまさに筋トレルートって感じで、○中は「ムーブもくそもないっすね。全然面白くない!」。登攀終了後は稜線目指して谷を登り、谷が二股に分かれたところの樹林帯で幕営した。風が強く、体がすっかり冷えてしまった。