ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

番組時間訂正

2012年03月29日 05時09分09秒 | お知らせ
昨日お知らせした番組時間ですが、変更があったらしいです。正しくは、


▼5月18日(金)NHK BS1にて
  23時~23時50分 前編
  24時~24時50分 後編

ということのようです。

今日はモスクワに着きました。思ったより寒いし、雪が多い。夜はなぜか韓国料理屋で食事をし、もう疲れたので寝ます。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ロシア行で不在にします。その他掲載誌など

2012年03月27日 10時01分17秒 | お知らせ
NHKの番組制作でロシアに行くため、28日から4月13日まで不在にします。

番組はロシア西部のスモレンスクという町からモスクワまでの国道一号線を巡る旅番組です。
放送はNHK BS1で
5月18日午後10時から10時50分(前編)
      午後11時から11時50分(後編)
という同日2本立ての予定です。

向こうに滞在中、急なご依頼や連絡にはすぐに返事ができないかもしれません。
各種花見、山行等にも参加できません。ご了承のほど、よろしくお願いします。

    *    *

新潮社の書評誌『波』4月号に、稲泉連『命をつないだ道 東北・国道45号線をゆく』の書評を執筆しました。



紹介した本は、東日本大震災で崩壊した国道45号線の復旧をテーマに書かれたノンフィクションです。道は人間社会にとって必要不可欠なインフラですが、今度の震災ではすべての道が崩壊しました。生き残った人たちの命を救けるためにも、道の復旧を急がなければならない――。修羅場に直面した行政官や建設業者ら、普段、道に携わる男たちの熱い気持ちと、極限での仕事ぶりにぐいぐい引き込まれます。

それにしても稲泉君は取材力もすごいけど、文章が本当にうまい。私の本を二冊とも週刊誌の書評で書いてくれたので、少しでも恩返しになったら幸いである。

命をつないだ道: 東北・国道45号線をゆく
稲泉連
新潮社


ちょっと紹介が遅れましたが、モンベルクラブの会員誌『outward』の「一冊の本」というコーナーで、コーマック・マッカーシー『ザ・ロード』について書きました。



ザ・ロード (ハヤカワepi文庫)
コーマック・マッカーシー
早川書房


この本は以前このブログでも書きましたが、私が強く影響を受けた本の一冊です。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

メルトダウン

2012年03月20日 23時24分15秒 | 書籍
メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故
大鹿靖明
講談社


大鹿靖明『メルトダウン』を読む。

最近、これほどのめり込んで読んだノンフィクションは他にない。原発事故発生直後の緊迫したやり取りから始まり、その後の管内閣の原発、エネルギー政策決定の過程や、経産省の現体制維持を目的した反動的な動きに至るまで、現在知り得る限りの舞台裏をスリリングな筆致で描ききっている。

事故発生直後の東電幹部の無能ぶりや、その後の経産省幹部の姑息な暗躍や策動は、怒りを通り越して、あきれ返ってしまった。昨年の震災発生当時、私は北極にいて、事故や政治の詳しい動きについて詳しく知る機会がなかったため、帰国後に原発関連の本を何冊か貪るように読んだが、それでもこの本ほど、東電、官邸、霞が関の当事者たちの動きを生々しく伝える作品は他になかった。こんな人間たちに国の根幹にかかわる政策のかじ取りを任せているのかと思うと、心底いやになる。

『ヒルズ黙示録』を読んだ時も、ライブドア関係者に思いっきり肩入れした熱い筆致に感動させられたが、本書はもっと義憤に駆られて書かれたような感じがして、その怒りがぐいぐいこちらにも伝わってくる。こんなに読んでいて頭にくる本もないだろう。

細かい部分だが、情報源を本文の中に盛り込むのではなく、巻末の脚注にまとめて提示しているところなどは、アメリカの調査報道系ノンフィクションの手法を取り入れていたのだろうか。「~によると」みたいな情報源を提示する文言があまりないので、小説を読むように、つっかえることなく一気に読むことができる。

大鹿さんはジャーナリストとして今、日本で一番力のある書き手ではないだろうか。事故発生から一年でここまでの記録をまとめる手腕は、圧巻の一言。とにかく多くの人に読んでもらいたい本だ。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御嶽山地獄谷悪魔ルンゼ

2012年03月17日 20時11分54秒 | クライミング


様々な意味で危ないクライミングをすることで有名なセクシー登山部の舐め太郎氏とともに、新しいアイスクライミングエリアの可能性を模索するために御嶽地獄谷に行ってきた。16日早朝にスキー場で合流。とりあえず、全裸にハーネスという姿ではないのを見てほっとする。

頂上からまず地獄谷を偵察。内部では妙な穴から噴煙がブシューブシューと不気味な音を立てながら舞い上がっている。まさに地獄さながらの渓相を前に、舐め氏が一言。「Oさんが印象的なことを言ってました。ここは生ある者がいていいばしょではなぃ……」。そう言い終わるか、終わらないかの瞬間、ドゴンという音を残して舐め太郎氏の姿が消えた。なんと雪渓を踏み抜いて、谷に落ちたのだ。一瞬、終わった(彼は死んだ)と思ったが、穴をのぞくと、水流はそれほど多くなく、舐め太郎氏は流されずに、ずぶ濡れになりながら、なんとか這い上がって来た。まったく、いつでも命がけで自己表現をすることに余念のない男である(違う?)。

肝心のクライミングですが、ルンゼは思ったほどの規模ではなく、2P90メートル。部分的に立ったところがあって、4+~5でしょうか。硫化水素たっぷりの噴煙は立ち上るし、ルンゼの中は落石が頻繁に落ちてきて、危険なことこの上ない(ルートの内容からしても、わずわざ行くことはお薦めしません)。その後100mほど雪壁をコンテで登り終了。翌日は地獄谷本谷ルンゼを頂上までつめる予定だったが、早朝からの暴風雪で意気消沈。ホワイトアウトの中、あちこち彷徨いながら下山した。途中でデポしていたKMSKスポーツのSWDMNRさん拝借のスキーを見失い焦ったが、無事発見、よかった。



なお3月下旬から4月上旬まで仕事でロシアに行く予定だったので、これで今シーズンのアイスは終わりかなと思っていたが、ロシア行がのびて来週末も日本にいてしまうことになった。天気が良かったらどうしよう。山に行ったらいろんな人にいろんな目で見られるんだろうなあ。ああ、ごめんなさいごめんなさい。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

桐蔭横浜大学での講演

2012年03月13日 19時46分55秒 | お知らせ
本の雑誌 346号
クリエーター情報なし
本の雑誌社


本の雑誌四月号に、図書カード三万円使い放題!の原稿が載っています。
本屋に行って三万円で本を買った、というだけの話なんですが、表紙にまで使っていただいている……。ありがとうございます!

     *     *

20日(火)、横浜桐蔭大学で講演を行います。
「冒険するカラダ/都市のカラダ」と題して、冒険と身体とのかかわりについて話そうと思っています。

講演は「カラダと社会」というイベントの企画で、午前中は別の催しがあります。私の講演は午後1時からです。
無料。事前申し込みなし。希望者は当日会場までお越しください。本の販売、希望者へのサインも行う予定です。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
イベント:「カラダと社会」

日時: 3月20日(火/祝) 10:00~16:00
場所:桐蔭横浜大学中央棟

午前の部 10:30~12:40

報告会 震災から1年 ー復興とカラダ
活動報告:桐蔭横浜大学震災ボランティア支援チーム「カラダcafeの試み」
10:30~11:30

復興トーク:「被災地の復興と人々のつながり」
ゲスト:大沢心(岩手県野田村「お菓子のまるきん」パティシエ)
11:40~12:40

午後の部 13:00~15:00
講演 角幡唯介(ノンフィクション作家・探検家)

〘常時併設〙

1F カラダで遊ぼう
10:00~12:00 A会場
13:00~15:30 B会場

岩手県野田村物産展

2F からだcafe
「桐蔭横浜大学ボランティア支援チームが昨年8月に岩手県野田村で開催した"からだcafe"を再現します。タイカレーやハーブティー、「お菓子のまるきん」のロールケーキでおくつろぎください。なお、今回の売り上げは3月24日、25日に野田村で行う"からだcafe-Vol2"の活動資金に充てられます。」

お問い合わせ 桐蔭横浜大学スポーツ健康政策学部サービスラーニングラボ
         Tel:045-974-5066 e-mail:@cc.toin.ac.jp まで
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

OPENES石川君対談&スカパー「BAZOOKA」出演のお知らせ

2012年03月12日 15時11分47秒 | お知らせ
映画「世界最古の洞窟壁画3D 忘れられた夢の記憶」について石川直樹君と対談した記事が、OPENERSというウェブマガジンで公開されています。

こちらです。ぜひ読んでみてください。

http://openers.jp/culture/tips_movie/kakuhataishikawa.html?rp=cgytop

また、BSスカパーの番組「BAZOOKA」に19日月曜夜10時から出演します。雪男特集で、捜索隊の副隊長だった八木原さんも出演予定です。

http://www.bs-sptv.com/bazooka/

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

すばる四月号

2012年03月09日 11時21分29秒 | お知らせ
すばる 2012年 04月号 [雑誌]
クリエーター情報なし
集英社


すばるの4月号が発売中です。前回、分割掲載となった分の後半が掲載されています。
おそらくこの連載での一番の山場です。賛否があるでしょうが……。

先週末は大谷不動へ。右ルートと、本谷の右壁側のルートを登りました。今週は三スラに行くつもりでしたが、この天気では無理ですね。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする