ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

エロスの記憶

2014年05月22日 12時12分31秒 | お知らせ
エロスの記憶 文藝春秋「オール讀物」官能的コレクション2014
クリエーター情報なし
文藝春秋


文藝春秋社から、お世話になっているオール読物の増刊号「エロスの記憶」が発売されました。表紙がまっかっかですごいことになっています。執筆陣は(エロ)小説が小池真理子、桐野夏生、村山由佳、桜木紫乃、林真理子といった(エロ)女流作家の御大たち。エッセイのほうは、池田満寿夫、平松洋子、山田風太郎、柴門ふみ、岸惠子、なぜかフィリップ・トルシエの各(エロ)御大エッセイイストたちが並んでいます。

実は私も十数枚の中エッセイながら、エロエッセイを一本寄稿し、末席を汚しております。タイトルは「極地探検家の下半身事情」。いろんな意味で汚しています。いやだ、いやだ、エロだけは正廉でポカリスウェットみたいな爽やかな自分のイメージが損なわれるので勘弁してくださいと、散々断ったんですが、いやどうしても書いてほしいと編集部に乞われ、やむなく書いた一本です(ということにしておきます)。

ブログで宣伝するのも躊躇われる内容ですが、出来は割とよかったので告知します。まあ、エロというか、下ネタですね。どんなふうに汚しているかは、読んでご確認を。

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恐るべき真実

2014年05月15日 23時11分34秒 | 雑記
以前、このブログでもご報告申し上げたことのある足の爪水虫の悪化が止まらない。

二年前から近くの病院に通い、内服薬を処方してもらってきた。肝臓に悪い薬らしくて、あまり飲みたくないのだが、まあ、二、三カ月の我慢だということで飲んでいたが、結局、完治しないまま、その年はカナダ北極圏へ出かけた。

旅をしている間に、症状は悪化し帰国。しょうがないので、夏前ぐらいから再び病院に通いはじめ、今度は半年ぐらい同じ肝臓に悪いという薬を飲み続けたが、しかしまた治らないまま、今度はグリーンランドに行って、再び悪化させることになってしまった。

今、私の足の親指の爪はひどいことになっている。表面がこんもりと盛り上がり、内側が見たことのないガサガサの形容不能な汚い組織で覆われている。先日、服部さんと飯を食った時、私の足をみて、「うわ、けっこうすごいことになってるね」とビビっていたぐらいだ。サバイバル登山家がビビるほど、迫力のある爪をしているのである。

それはともかく、ここまで頑張って治療に励んだのだから、来年の北極までには治したい。しかも娘ができ、「うつったら、どうするのさ」と妻の追及も厳しいので、病院をかえて、近所で評判だという皮膚科に行ってみることにした。

そこで恐ろしい事実が判明したのだ。

評判だという皮膚科医は私の汚い足の爪をみて言った。
「前の病院では検査はしたんですか」
「いえ、パッと見て、ああ爪水虫だねって感じで、特に検査はしなかったのですが」
実はそれまで通っていたのは専門の皮膚科ではなく、内科・小児科・皮膚科などの看板をかかげた小さな町医者だった。
評判だという皮膚科医はピンセットで、私の足の爪の内側のガサガサした形容不能な乾いた組織を削り、粉状にしてスライドガラスの上にのせ、顕微鏡で検査しはじめた。そしてしばらく観察した後に、こんなことを言った。

「あのね、今ずっと見てたんですけど、水虫菌が一匹も見つからないんですよ」
「え?」
「一匹もね。普通、爪水虫がひどかったら、爪だけじゃなくて指も水虫になるもんですが、それも全然ないでしょ。だから爪がこうなったのは、違う原因かもしれないですね」

なんということだ! 今まで爪水虫と信じてきたから、肝臓の悪い薬も飲んできたのに。もしかしたら最初から違ったというのか?

先生によると、水虫じゃなくても、登山家やマラソンランナーのなかには爪が激しく変形してしまう人もいるらしい。一度変形し、二段爪になり盛り上がると、爪の根元の皮膚が弱まり、どんどん悪化していく傾向があるとか。先生はもしかしたら水虫だったけど、薬の服用で治ったのかもしれないとも言うが、しかし指に水虫ができたことはなかったし……。

一応、夏にもう一回検査して、それで繁殖していなかったらシロということになった。爪水虫だと思っている、あなた。あきらめるのはまだ早い。一度、きちんとしたお医者さんに診てもらうことをお薦めします。

それにしても、いい加減な診察をした、あの町医者のジジイ。今度、病院の前にウンコしてやろう。




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