ホトケの顔も三度まで

ノンフィクション作家、探検家角幡唯介のブログ

地平線会議と岳人のお知らせ

2010年02月27日 10時49分57秒 | 雑記
地平線会議での報告会を無事、終えることができました。会場が満員になるほどたくさんの人に来ていただいたらしく、みなさま、どうもありがとうございました。

ただ、話し終えた後に知ったのですが、どうも写真が暗くて非常に見えにくかったようです。パソコンの画面ではなんの問題もなかったので、全然気がつきませんでした。わざわざお金を払ってまで聞きに来てくれたのに申し訳ありません。

話の時間配分も前半のうんちくに時間を割きすぎてしまい、本当に話したかった今回の旅のドタバタぶりをあまり伝えきることができませんでした。それも反省点。

人前で話すのは、新聞記者の時に地元の大学の講義で、記者の仕事についてえらそうに、しかも将来のことをあまりまじめに考えないようにしましょうと大学側の意図とは反することを話して以来のことだった。いやー、人前で話すのは難しいですね。今回の報告会でもうまく伝えきれたとは思えないので、よく分からなかったという人は、3月上旬に発売される「岳人」4月号を読んでください。第2特集で11ページ書いてます。
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マダニ

2010年02月20日 01時20分18秒 | 雑記
ツアンポー峡谷の探検から帰国して一カ月以上。山の中でやられたダニの傷跡がひどくなってきた。

ツアンポー峡谷は大変ワイルドなところであるので、直径1センチくらいのマダニ(通称ヤマダニ)がうようよしている。今回はヤマビルファイターという薬効成分ディートがたっぷり入った害虫忌避剤を持っていき、寝る前と行動前に全身に振りかけていたにもかかわらず、五カ所くらいやられた。七年前はそんなものは持っていかなかったので、十カ所くらい咬まれた。それに比べれば随分ましだったが。

このマダニ、咬まれたら強引に引っ剥がしていたせいかもしれないが、痕がずいぶん長い間残って、しかもかゆい。前回はかさぶたになり、一年以上痕が残ったので、今回もそうなんだろうと別に全然気にしてなかった。だがひょんなことからネットで調べてみると、マダニはライム病という恐ろしい病気を媒介することがあるらしい。

怖くなって今更ながら傷跡から汁をしごき出した。ちなみに写真は右足のすね。いやー、写真で見るとえぐいなあ。

  *  *

前回もお知らせしましたが、こんな話が満載のツアンポー探検報告会を地平線会議でおこないます。来週金曜の2月26日、高田馬場の新宿区スポーツセンターで午後6時半から。500円。
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ツアンポー峡谷の報告会

2010年02月08日 21時24分12秒 | 探検・冒険
12月から1月にかけておこなったツアンポー峡谷の探検について、2月26日の地平線会議で報告させていただきます。

場所は高田馬場の新宿区スポーツセンター。500円。

最奥の村ギャラから前人未到のツアンポー峡谷核心部60キロを単独で踏査(しようと)した冒険についての報告会です。今回、ゆえあって写真はあまりいいのが残っていないため、7年前に探検した時の写真やら、使い古した地図やら、過去の探検隊の記録やら、小道具もいくつか用意してなんとか場を持たせたいと思います。

時間などの詳細は地平線会議のHPで。http://www.chiheisen.net/

興味のある方は、ぜひ来てください。近くの中華料理屋で二次会もありますので、婚活中の女性におすすめです。
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北極バカ

2010年02月07日 10時27分16秒 | 探検・冒険
自称北極バカ、荻田泰永さんと新宿で飲んだ。さ来週からカナダ北極圏1400km単独徒歩行に出かけるという。

彼と出会ったのはもう、7、8年前になるだろうか。確か地平線会議で顔を合わせたのがきっかけだった気がする。当時から北極バカですと自分のことを紹介していたが、今回の旅で北極圏は十回目。ここまで来ると北極バカというより、ただのバカの可能性も出てくるが、その分、本物であることは間違いない。でも、そんなに同じ所に行って飽きないのだろうか。「北極は夏になると氷が解けるので、氷の状態が毎年変わるのが魅力」とのこと。聞いてもよくわからんが、極地は行ってみたい。

やはりホッキョクグマが一番怖いらしい。最近は地球温暖化でホッキョクグマの住むところがなくなりつつあります、といった映像がテレビでよく流れているが、「歩いている方からしてみたら、もうちょっと減ってくれても良いのにというくらいいっぱいいます」

来年はいよいよ北極点単独無補強徒歩到達という世界三人目の偉業に挑むそうだ。がんばって欲しい。

   *   *

ドキュメンタリー映画「マン・オン・ワイヤ―」をついに見た。

フィリップ・プティの綱渡りは、冒険が芸術にまで高められた稀有な例だと思う。とても美しかった。ただ年をとり、皮膚の張りが失われた今の彼が同じことをやっても、美しいものとはならなさそう。美しい冒険には、若さというのも必要らしい。


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米子不動・アナコンダ

2010年02月01日 01時48分07秒 | クライミング
30、31日と米子不動でアイスクライミング。来週のウィンター・クライマーズ・ミーティングの下見のため、日本のトップクライマーの方々もやって来ていた。

30日はカチカチ山に登ろうと思っていたが、馬目弘仁、佐藤裕介パーティー(いずれも日本というか世界的クライマー)が登るというので、どうぞどうぞとお譲りして、我々は十八幅滝というちょっと遠くにあるささやかな60メートルの滝を登りに行った。テントに帰って来て、佐藤君に「カチカチ山はどうでしたか」と訊くと、「いやー、1ピッチ目があんまり氷ってなくて、悪かったすね」とのこと。登らなくてよかった! 彼が悪いというくらいなのだから、僕らが行っていたら死んでいたに違いない。

31日は群馬のS野さんが合流し、アナコンダへ。アナコンダは3ピッチ。しかし我々は途中でロープの一本が切れてしまい、35mくらいの長さになってしまったことから、5ピッチもかかってしまった。

この日は馬目、佐藤パーティが隣のコブラを登っていた(上の写真の左がアナコンダ、右がコブラ)。あり得ない氷柱を、あり得ないスピードで、クライミングジムのルートを登るかのようにすいすいと登っていった。




コブラ1P目を登る佐藤裕介さん

いいもん見させてもらいました。
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