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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

頑張ってるじゃん

2022年02月17日 | 生物生産科
ここは生物工学研究班の本拠地である生物工学実験室。
理系である農業高校には、さまざまな実験室がありますが
ここは大きく、設備も整っているのでとても使いやすい実験室です。
さて培養室を覗いてみると試験管内に植物が育っています。
おそらくコチョウランかシラン。
無菌播種を学ぶのに最適なラン科の植物です。
でも嬉しかったのは赤と青のLEDランプ。
これはTEAM FLORA PHOTONICSが
1年ぐらい前に生物工学研究班に貸し出したものです。
このランプは波長がちゃんとわかっている実験用のもので
なんと1個16,000円もします。FLORAが10年かけて購入したものと
かつて一緒にLEDを使って活動していた野菜班が実験を終えたことから、
くださったものと合わせて10個ぐらいあるうちの2つです。
草花班から環境班になってLED研究を行う機会が減った現在のフローラ。
他の班に使ってもらうことで宝の持ち腐れにならずに済んでいます。
LEDも頑張っています。
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名農コンソーシアム

2022年02月15日 | 生物生産科
環境班は農場にある生物工学研究班の馴化温室を借用していますが、
校内の生物工学実験室も利用させてもらっています。
現在使っているのはこの大きな装置。
大型家電のように見えますが定温器(恒温器)です。
ここは微生物の培養もするため、いくつか定温器がありますが
その中でもこれは冷蔵庫ぐらいの大型のタイプ。
24℃に設定してフローラハンターズが作った
実験用のサンプルを乾燥させてもらっています。
かつて名久井農業高校では洋ランの培養など生物工学が盛んで
授業がここでよく行われていました。
ところが学科改編などでカリキュラムが変わり
今は生物生産科の3年生で授業が少しあるだけで
課題研究の時間以外は使われることも少なくなりました。
でも違います。
広くいろいろな装置が揃っているなど使い勝手が良いことから
なんと環境班や草花班などいろいろな研究班が集まっているのです。
取り組んでいるのはそれぞれ異なる研究ですが
他班の研究を見ることができるのでとても刺激的。
面白いヒントをもらえることもあります。
もしかしたらこの部屋こそ研究の芽を育てるインキュベータなのかもしれません。
将来、ここに集う研究班が得意分野を持ち寄り
共同して大きな課題に取り組む
TEAM名農のコンソーシアムが立ち上がることを期待しています。
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どこいった

2022年02月10日 | 生物生産科
ここは生物工学実験室。
チームが校内の本拠地として使っている土肥実験室とは
比べ物にならないぐらい設備も整った実験室です。
文字通り、生物生産科の生物工学研究班の本拠地ですが
環境班は彼らに頭があがりません。
なぜならチームが農場でアジトとしている馴化温室は
そもそもバイオの技術で育てた洋ランなどを外環境に馴らすための施設。
つまり生物工学研究班の持ち物なのです。
しかし洋ランの培養をあまり行わなくなったこともあり
長年借用していますが、いつ立ち退きを迫られてもおかしくない状況。
そのためチームは高額なLED照明を彼らに貸し出すなど
ご機嫌をとっています。いつか連携して研究したいものです。
さてここで注目したいのは、本来なら中央にどんとあるはずの
純水生成装置がないこと。いったいどこにいったのでしょう。
ヒントは大きな白いボトル。中には蒸留水が入っています。
実は生成装置が壊れてしまったのです。
生物工学の実験には純水、つまり蒸留水がかかせません。
それが自前で作れなくなったのは大きな痛手、死活問題です。
そこでこのようなボトルで購入して使っているのだそうです。
環境班もよく蒸留水を使いますが、故障しているので
もらうわけにいかず、今は毎月のように自腹で購入しています。
名農の生物工学研究室は、県内の農業高校の中でも最初にできた施設。
当時は最新でしたが、今はあちこち老朽化しています。
ぜひ修理してほしいものです。
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100年先も愛を誓うよ

2022年02月06日 | 生物生産科
直径3cmもあるそれはそれは太いネギ。
それが南部町だけしか栽培していない「南部太ネギ」です。
これは日本テレビの「ザ!鉄腕!DASH!!」で紹介された時のものですが
圧倒的な太さは驚きです。さらにネギは加熱すると甘くなる野菜。
季節にもよりますが、ぜひ南部町に来たら食べて欲しい逸品です。
ところでこの南部太ネギは「ザ!鉄腕!DASH!!」だけじゃなく
「満点 青空レストラン」などたくさんのメディアで紹介されています。
もちろん美味しいからですが、名農生に関わるこんな深イイ話もあるからです。
かつて在来種として栽培されていた南部太ネギですが、
農村の近代化が進むと野菜は商品となっていきます。
すると長所である柔らかさが大規模栽培に伴う管理作業や輸送時の欠点になりました。
そんな理由から気がつくとたった一戸の農家がほそぼそと
自家用として栽培しているまで激減していました。
それに気づいたのが生物生産科の野菜研究班。種子をわけていただき
数年かけて復活させたのです。絶滅から劇的に救った名農生。
地元の宝を100年先も愛し続けたいものです。さて南部町には面白い条例があります。
それが「南部町笑顔あふれる明るいコミュニケーション推進条例」通称、鍋条例です。
毎月22日(ふーふー)は鍋を囲み、楽しみましょうというユニークなもの。
次回は2月22日、この南部太ネギを使った鍋を作る家庭もあるはずです。
そういえば以前、焼き鳥屋さんに南部太ネギを持ち込み、ねぎまを食べたことがあります。
甘く美味しいかったので、南部太ネギと青森シャモロックで商品化したら人気がでそうです。
なお「ねぎま」の「ま」とはマグロの「ま」。かつてはネギとマグロの鍋だったそうです。
青森には大間のマグロもあります。なんだか新旧いろんな「ねぎま」ができそうです。
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つわものどもが夢の跡

2021年12月07日 | 生物生産科
ここは第1農場に入ってすぐ左側の空き地です。
久しぶりに足を運んでびっくり。
ここにたくさん並んでいたはずの百葉箱がありません。
長い間使われなかったので、朽ちてしまったのでしょうか。
今から20年ぐらい前の名農を知っている人にとっては
枯れ草に覆われたこの殺伐とした風景は相当ショックだと思います。
ここはかつて名農気象班の本拠地だったところ。
百葉箱がいくつか設置され、気温、湿度、地温はもちろん
日射量や降水量などが名農生と職員の手によって
365日測定されていました。そして奥に見える第1農場の管理室で
毎日、測定データの記録と分析が行われていました。
測定に用いる機器はすべて検定を通ったもの。
したがってここで観測されたデータは正式発表できる高精度なもので、
近隣の市町村はもちろん、試験場までも
八戸の気象台ではなく名農気象班のデータを活用していました。
日本で最も権威のあるといわれる日本学生科学賞で日本一を2回。
皇居で天皇陛下から授与されています。農業クラブの全国大会でも
最優秀賞を受賞。まさに自他とも認める名農の最高研究集団でした。
農業の近代化により気象データの活用が重要視され
その最先端を歩んでいた気象班ですが、
アメダスのネットワークが配備されたことで、10年ほど前に役目を終えました。
そんなかつての誇らしい姿を知っているからこそ
この風景にはなんともいえない寂しさを感じてしまいます。
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