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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

南の国から

2021年05月21日 | 
掌にのる小ぶりの真っ赤なリンゴ。
この時期にリンゴが売っているのは珍しいので興味本位で買ってみました。
品種名はBreeze(ブリーズ)。ニュージーランド産でした。
近年、ニューランドからの輸入が増えているとは聞いたいましたが
意識して手に取ったのは初めて。いったいどんな味なのでしょう。
すると優しい甘さ、やや酸味も感じます。
印象としては昔の日本のリンゴという感じで、これといった特徴がありません。
食味では日本の主力品種「ふじ」と勝負にはならないと思います。
しかしこの時期ながら果肉が硬くシャキシャキです。
南半球は今から秋になるのでちょうどリンゴが採れ始める頃。
日本のリンゴの端境期に合わせて輸入しているらしく
ここを上手に攻めると勝機があるかもしれません。
何はともあれ久しぶりに歯応えのあるリンゴをいただきました。
これから別な品種も入ってくるらしく、ちょっと楽しみです。
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早すぎた研究

2021年04月03日 | 
この真っ白いキノコをご存知ですか。
キノコで有名なホクトが育成したブナシメジの「ブナピー」に
よく似ていますが違います。これは「はつゆきたけ」。
なんと皆さん大好きなナメコの突然変異種で青森県で発見されました。
実は15年以上前、県の林業試験場のご協力を得て
このはつゆきたけをリンゴ剪定枝で栽培する研究を行っていました。
当時、はつゆきたけは県内、それも田子町という隣町だけで栽培されていた特産品。
生徒たちと取り組んだ結果は、ビギナーズラックでなかなかのでき。
青森県のリンゴで青森県ならではのはつゆきたけを栽培するプロジェクトは高評価でした。
気になるのは最近、地元スーパーではつゆきたけの姿が見えなくなったこと。
食感がよく、それは美味しいキノコだっただけにちょっと不安です。
研究班は、はつゆきたけと一緒に人気のエリンギの栽培にも挑戦していました。
エリンギはエリンジュウムという草花の根に生えるキノコなので
栽培できるか不安でしたが、こちらも簡単に栽培でき、
栽培キットを自作しては皆さんに無償配布した記憶があります。
逆に栽培を諦めたのはマッシュルーム。こちらはオガクズではなく土で栽培するもの。
栽培法がちょっと違うので断念しました。キノコ嫌いのメンバーもいましたが、
何もない培地からニョキニョキと顔を出してくるのは不思議な光景でみんな興味津々でした。
そんな栽培研究を行っていた際、LEDをキノコの照射する実験もしていました。
すると何度やってもLEDの波長によって不思議なことに傘の色が濃くなったり、
傘の下の柄の部分の長さが長くなったり短くなることに気がつきました。
しかしどこにもそんな文献はありません。そこで国など多くの試験場に問い合わせた結果、
キノコは光を感じないので、波長で変化するのは考えられないといわれてしまいました。
当時、キノコにLEDを照射する変わり者がいなかったので研究例がなかったのだと思います。
結局、理由不明のままプロジェクトは数年で終わり、生徒たちは卒業してしまいました。
キノコに光受容体が発見されたのは、その数年後。あの現象は偶然ではなかったのです。
研究班が時代よりちょっと先を歩いていた頃のエピソードです。
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絶妙なバランス

2021年03月19日 | 
先日、素敵なエッセイを引用してご紹介した彼岸団子。
今年も食べることができました。
せっかくなので半分に切ってみると、このように中に餡がぎっしり。
食べるとこれまたエッセイに書いてあるとおり餡のボリュウムと皮の厚さが絶妙です。
大福餅と違って皮はもち米とうるち米の粉を混ぜたもち粉。
したがってフワフワではなくずっしりと重く、感覚はお菓子ではありません。
ただ残念なのは、2日も経つとかたくなって食べられません。
そのため幼い頃は炙って食べた思い出があります。
しかし今はレンチンですぐ戻るので大丈夫です。
さてお彼岸なのでお寺に行ってきましたが、
やはり檀家の方がお供えした彼岸団子がいっぱい並んでいました。
そのうち5分の1ぐらいが緑色のよもぎの彼岸団子。
よもぎは春先に出てくる若葉を摘んでお餅や団子にします。
先人の資料を見ると、春彼岸は若葉を摘んでよもぎの団子を作ることもあったようです。
また秋彼岸には春に摘んだよもぎを乾燥させて保存し、
それを使ってよもぎ団子をお供えすることもあったといいます。
供えられている団子のほとんどがこの白い団子ですが
やはり今でもよもぎの彼岸団子をお供えしている方がいるようです。
眺めてみると少数派ではありますが、明らかにご家庭で手作りしただろうという
大きなお団子もありました。いつまでもこんな風習が残っていてほしいものです。
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スターカット

2021年03月03日 | 
これはリンゴの輪切りです。
普通は皮を剥いて縦に切り分けて食べますが、ちょっと面倒。
そこでお勧めなのが、このように輪切りにする方法です。
1cmぐらいの厚さなら口に皮が残らないので皮むき不要。
話題のリンゴポリフェノールは、果皮付近に多く存在するので
機能性成分もとれるので、とても良い食べ方だと思います。
これをお洒落に「スターカット」というのだそうです。
スターというのは中央に見える星形の部分で中に種子が入っています。
ではなぜ星形になるのでしょう。
リンゴの花の中心には、ご存知メシベがあります。
その柱頭は先端が5つに分かれており
基部にはそれぞれに対応する5つの部屋があります。
その5部屋の配置がこのように星形に見えるのです。
ではもし柱頭の3つしか受粉しなかったらどうなるのでしょう。
2部屋は空き部屋となるため、その部分の果肉は肥大しにくくなります。
つまり歪な形のリンゴになってしまうのです。
リンゴ農家がせっせと人工受粉をするのは、
きれいな形にするという理由もあるのです。
リンゴの開花は5月上旬。もし機会があったら
ぜひ柱頭を虫眼鏡で観察してください。
今日はひな祭り。スターカットでお祝いしましょう。
さて青森県南部地方に降る春のどか雪。今年は降らずに春になりそう。
今、北海道では大雪ですが、もしかしたらこちらに降る雪が
北に移動しているのかもしれません。
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豆まき

2021年02月04日 | 
立春も過ぎ、暦の上では春となりました。
春を迎える前に行うのが節分の豆まき。
一般的にその時の豆は炒り豆、つまりダイズですが
東北や北海道では昔から落花生を使っています。
それはどうしてでしょう。よくこの時期、北国では
どうしても雪の上にまくことになるため
後で見つけやすい落花生になったという話を耳にします。
確かにダイズと違って大きいので便利ですが、現在の落花生の産地は千葉。
かつて沖縄の方から日本に入ってきたといわれるように温暖な場所が適地です。
今は青森県でも栽培できますが、経営栽培している農家は聞いたことがありません。
果たして昔は栽培していたのでしょうか。
それとも栽培したダイズがあるにもかかわらず購入までしてまいたのでしょうか。
もしかしたら落花生で豆まきをするのは近年になってからなのでしょうか。
どうもしっくりしません。皆さんの豆まきはどんな豆でしたか?
さて今も昔も農業高校では、2年次から始まる課題研究をスムーズに進めるため
1年次に栽培や飼育体験をさせながら研究活動のノウハウを指導しています。
選択する作物は学校によって、またその年によって変化しますが
かつて名農では長い間、落花生を栽培させたことがあります。
それは落花生が特異な結実の仕方をするから。また可食部が土の中にできるので
収穫してみないとその姿がわからなく面白いからです。
ある日、収穫乾燥後、サヤを手でもぎ取る実習を屋外でしていたところ
近くの保育園が見学に来ました。子供たちは不思議そうに覗き込み
サヤを見つけて「ピーナッツ」と叫びます。
すると遅れてきたベテランの保育士さんが大きな声で「南京豆だ!」。
これには名農生も大笑い。皆さんは落花生をなんと呼びますか?
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