奇想庵@goo

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感想:『吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋』

2010年01月22日 21時27分56秒 | 本と雑誌
吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)吉野北高校図書委員会2 委員長の初恋 (MF文庫 ダ・ヴィンチ や 1-2)
価格:¥ 550(税込)
発売日:2009-02-21


ほろ酸っぱい青春小説2作目。サブタイトル通り図書委員長のワンちゃんの視点で書かれた作品が本書の大半を占めている。これに藤枝の視点で描かれた小編「希望の星」が添えられている。この小編は時間的には「委員長の初恋」と同時期であり、同じ展開を別視点から描いた形にもなっている。

平凡な日常ではなく、高校生特有の悩みである進路や恋愛についてが主題となっている点は1作目と同様。進路問題が占める割合が1巻より増えている点は1巻よりも時間が進行したせいでもあるが、本書は2編とも男子が主人公だという要因もあるのだろう。
この、2編とも男子視点という点はやや残念な印象も残る。ヒロインかずらの印象が強いせいもあるし、少女マンガ的な雰囲気がやや薄れたせいもある。仕方ないと分かっていてもキレイすぎる感じがしてしまうのは否めない。
『時をかける少女』から『十二国記』まで様々な本が作品中に出てきてニヤリとさせられるのは1巻同様上手く感じる。地方都市っぽさは好みではないが、これも巧みに使われている。パンクのくだりはなかなか面白かった。(☆☆☆☆)




これまでに読んだ山本渚の本の感想。(☆は評価/最大☆10個)

吉野北高校図書委員会』(☆☆☆☆☆)


アニメ感想:のだめカンタービレフィナーレ 第1話

2010年01月21日 20時46分23秒 | 2010冬アニメ
3期にしてフィナーレ。制作スタッフは2期から引き続いていて、演奏シーンは1話ということもあり非常に繊細に描かれていた。
しかし、細部は丁寧に描かれているのに、これといった印象を受けることなく終わってしまった。その原因は緩急の無さが挙げられるだろう。
原作が完結を迎えたばかりだが、そこまで描き切るために詰め込む必要があるということなのか、1話は詰め込みすぎの印象が残った。緩急で言えば、急ばかりで緩がないため印象に残らない。原作に忠実はいいが、時には大胆に切っても良かったのではないか。
2話以降もその懸念が残るだけに心配ではあるが、原作がやや淡々とした終わり方だっただけにアニメでは盛り上がるエンディングを見てみたいものだ。

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アニメ感想:おおかみかくし 第1話「嫦娥町」

2010年01月21日 20時32分31秒 | 2010冬アニメ
地方都市というよりはっきり田舎が舞台。原作のゲームは『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07の手によるものなので、作品の雰囲気も非常に似ている。ただ食傷とまでは言い過ぎとしても、これ見よがしの伏線があちこちに用意された演出は興味を惹くものとならない。
そして、ひぐらしやうみねこのようなインパクトが感じられないこの1話は正直エンターテイメントとしては力不足の印象が。いつも語っているようにエンターテイメントは「つかみ」が大切。一部のファンを除けばつまらない作品を面白くなるまで見続けようと思う視聴者は少ない。余程の知名度がない限り1話で勝負していなければ次はもうない。

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アニメ感想:ひだまりスケッチ×☆☆☆ 第1話「2月27日~3月4日 真っ赤点」「4月1日・3日 よう

2010年01月21日 20時18分00秒 | 2010冬アニメ
第3期がスタート。スタッフは変わらないが、放送形態に大きな変更が加えられた。
第1に、これまで原則として1話1日という形態だったが、今回はパートごとに分かれ、それも複数日を取り上げた形となっている。
第2に、最も大きな変化として、2年への進級がある。これまでの2期は時間はバラバラに1年間を描いていた。その枠から踏み出すこととなる。
第3に、これはこの記事を書くために公式サイトのSTORYを見て知ったのだが、2話以降ゆの視点以外の視点で描かれているという点だ。まだ2話を見ていないのでその評価は分からないが、それが作品にどんな影響を与えるのか期待と不安がある。

おなじみの面々の空気系アニメということで、心地いい空気にまた触れられる喜びがあるが、新メンバーとして下級生が加わることでどんな変化が生まれるのか。新房監督+シャフトというこれまたお馴染みの作り手だけに不安は少ないが、良さを生かしつつ新しい何かをうまく取り入れていけるかが大切とはいえ、キャラクターの数が増えることはかなり大きな冒険だ。

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アニメ感想:はなまる幼稚園 第1話「はなまるな入学式」「はなまるなおかあさん」

2010年01月21日 20時04分47秒 | 2010冬アニメ
3人の園児が主人公というよりも新任の幼稚園の先生であるつっちーが主人公。幼稚園児が相手ということもあり、『こどものじかん』ほど過激ではなく、しかし、育児アニメのようなリアルさもない。ほのぼの路線を進んでいきそうではあるが、やや中途半端な印象も。しばらくは様子見といったところか。

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アニメ感想:バカとテストと召喚獣 第1話「バカとクラスと召喚戦争」第2話「ユリとバラと保健体育」

2010年01月21日 19時19分51秒 | 2010冬アニメ
原作は1巻のみ読了。その1巻をベースとした2話までの感想を。

原作については、ライトノベルらしいノリの良さとユニークな設定は認めつつも、キャラクターに魅力を感じられずストーリーも凡庸に思い2巻以降に手を出す気にならなかった。
アニメも基本的には変わらない。ノリの良さはあるがそれ以上の惹きつける要素に乏しい。1話では木下秀吉の変身(違)シーンが目を引いたくらい。2話も特にこれといって面白いと感じる部分がなかった。1巻にあった途中のバトルをすっ飛ばした影響もあって、ストーリーの進行は行き当たりばったりな印象さえ漂う。

そもそも「落ち」役は主人公のバカ(吉井明久)よりももっとバカ(土屋康太=ムッツリーニ)だろうにそれが生かせてない感じが。でも、TVアニメではそれは難しいかも。
今後はストーリーの知らない展開となるが、もう少し頑張ってもらわないと見続けるかは微妙なところだ。

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ライトノベル・ブックガイド 【2000-】

2010年01月20日 23時12分32秒 | ライトノベル
詳しくはWiki「奇想庵の100冊」。

★猫の地球儀【秋山瑞人】
■シェリフスターズ【神坂一】
■若草野球部狂想曲【一色銀河】
★〈骨牌使い〉の鏡【五代ゆう】
■ダブルブリッド【中村恵里加】
■DADDYFACE【伊達将範】
■レディ・ガンナー【茅田砂胡】
■ジャッジメント・ワールド【青田竜幸】
■タツモリ家の食卓【古橋秀之】
■レベリオン【三雲岳斗】
★事件シリーズ【上遠野浩平】
★木島日記【大塚英志】
★R.O.D【倉田英之】
★キノの旅【時雨沢恵一】
★ナイトウォッチ三部作【上遠野浩平】
■ストレイト・ジャケット【榊一郎】
■野望円舞曲【田中芳樹&荻野目悠樹】
■星書―二星物語【荻野目悠樹】
■時空のクロスロード【鷹見一幸】
■司星者セイン【ベニー松山】
■僕にお月様を見せないで【阿智太郎】
■南国戦隊シュレイオー【神野オキナ】
★Dクラッカーズ【あざの耕平】
★獣たちの夜【押井守】
★まるマ【喬林知】
★失踪HOLIDAY【乙一】
★かめくん【北野勇作】
■ガンパレード・マーチ【広崎悠意・榊涼介】
■ショットガン刑事【秋口ぎぐる】
■ウィザーズ・ブレイン【三枝零一】
■天国に涙はいらない【佐藤ケイ】
■陰陽ノ京【渡瀬草一郎】
■スターシップ・オペレーターズ【水野良】
★トリニティ・ブラッド【吉田直】
■でたまか【鷹見一幸】
■ルーンウルフは逃がさない!【新井輝】
■Hyper Hybrid Organization【高畑京一郎】
■ふわふわの泉【野尻抱介】
■パラサイトムーン【渡瀬草一郎】
★ランブルフィッシュ【三雲岳斗】
■総理大臣のえる!【あすか正太】
★Missing【甲田学人】
★鏡家サーガ【佐藤友哉】
★イリヤの空、UFOの夏【秋山瑞人】
■まぶらほ【築地俊彦】
■ばいおれんす☆まじかる【林トモアキ】
■クロスカディア【神坂一】
★A君(17)の戦争【豪屋大介】
■ドリームバスター【宮部みゆき】
■古典部【米澤穂信】
■リバーズ・エンド【橋本紡】
■アラビアの夜の種族【古川日出男】
■サムライ・レンズマン【古橋秀之】
★NHKにようこそ【滝本竜彦】
■風の聖痕【山門敬弘】
■少年陰陽師【結城光流】
★悪魔のミカタ【うえお久光】
■伝説の勇者の伝説【鏡貴也】
■EME【瀧川武司】
■大唐風雲記【田村登正】
■AVION【富永浩史】
■戯言シリーズ【西尾維新】
■アリソン【時雨沢恵一】
■ここは魔法少年育成センター【久美沙織】
■吸血鬼のおしごと【鈴木鈴】
■ポストガール【増子二郎】
■頭蓋骨のホーリーグレイル【杉原智則】
■葉緑宇宙艦テラリウム【夏緑】
■ルーク&レイリア【葉山透】
■神様のパズル【機本伸司】
■灼眼のシャナ【高橋弥七郎】
■ハーモナイザー・エリオン【吉村夜】
■バイトでウィザード【椎野美由貴】
■いぬかみっ!【有沢まみず】
■撃墜魔女ヒミカ【荻野目悠樹】
■タクティカル・ジャッジメント【師走トオル】
■二等シリーズ【吉岡平】
■されど罪人は竜と踊る【浅井ラボ】
■カオス レギオン【冲方丁】
■キーリ【壁井ユカコ】
★七姫物語【高野和】
■バッカーノ!【成田良悟】
■魔法遣いに大切なこと【枯野瑛・山田典枝】
■ブレイブ・ストーリー【宮部みゆき】
■ムシウタ【岩井恭平】
★マルドゥック・スクランブル【冲方丁】
★銀盤カレイドスコープ【海原零】
★撲殺天使ドクロちゃん【おかゆまさき】
■第六大陸【小川一水】
■AHEADシリーズ 終わりのクロニクル【川上稔】
■神様家族【桑島由一】
■学校を出よう!【谷川流】
★涼宮ハルヒシリーズ【谷川流】
■しにがみのバラッド。【ハセガワケイスケ】
■陰からマモル!【阿智太郎】
■ROOM NO.1301【新井輝】
■護くんに女神の祝福を【岩田洋季】
■黎明の双星【花田一三六】
■9S【葉山透】
■半分の月がのぼる空【橋本紡】
■彩雲国物語【雪乃紗衣】
■よくわかる現代魔法【桜坂洋】
■GOSICK -ゴシック-【桜庭一樹】
■ネオクーロン【鷹見一幸】
■空ノ鐘の響く惑星で【渡瀬草一郎】
★自衛隊三部作【有川浩】
■我が家のお稲荷さま。【柴村仁】
★吉永さん家のガーゴイル【田口仙年堂】
■わが輩はヴィドック【あちたろう】
■ぺとぺとさん【木村航】
■殿様気分でHAPPY!【杉原智則】
■とある魔術の禁書目録【鎌池和馬】
■銃姫【高殿円】
★デュラララ!!【成田良悟】
■フェンネル大陸 偽王伝【高里椎奈】
■復活の地【小川一水】
■南青山少女ブックセンター【桑島由一】
■ゼロの使い魔【ヤマグチノボル】
■BLACK BLOOD BROTHERS【あざの耕平】
★新本格魔法少女りすか【西尾維新】
■お・り・が・み【林トモアキ】
■ドラゴンクルス【あすか正太】
■食卓にビールを【小林めぐみ】
■電波的な彼女【片山憲太郎】
■レンタルマギカ【三田誠】
■砂糖菓子の弾丸は撃ちぬけない【桜庭一樹】
■All You Need Is Kill【桜坂洋】
■薔薇のマリア【十文字青】
■Add【仁木健】
■小市民【米澤穂信】
■煉獄のエスクード【貴子潤一郎】
■狂乱家族日記【日日日】
■サマー/タイム/トラベラー【新城カズマ】
■わたしたちの田村くん【竹宮ゆゆこ】
■ヤングガン・カルナバル【深見真】
■シャングリ・ラ【池上永一】
■七人の武器屋【大楽絢太】
■円環少女【長谷敏司】
■戦う司書【山形石雄】
■ある日、爆弾がおちてきて【古橋秀之】
■紅【片山憲太郎】
■鋼鉄の白兎騎士団【舞阪洸】
■神曲奏界ポリフォニカ【榊一郎他】
■学校の階段【櫂末高彰】
■狼と香辛料【支倉凍砂】
■ぼくと魔女式アポカリプス【水瀬葉月】
■鋼殻のレギオス【雨木シュウスケ】
■図書館戦争【有川浩】
■とらドラ!【竹宮ゆゆこ】
■"文学少女"シリーズ【野村美月】
■オオカミさん【沖田雅】
■れでぃ×ばと!【上月司】
■獣の奏者【上橋菜穂子】
■けんぷファー【築地俊彦】
■僕僕先生【仁木英之】
■"化物語"シリーズ【西尾維新】
■黄昏色の詠使い【細音啓】
■神様のメモ帳【杉井光】
■刀語【西尾維新】
■バカとテストと召喚獣【井上堅二】
■シュピーゲル・シリーズ【冲方丁】
■EX!【織田兄第】
■ミミズクと夜の王【紅玉いづき】
■扉の外【土橋真二郎】
■えむえむっ!【松野秋鳴】
■電脳コイル【宮村優子】
■人類は衰退しました【田中ロミオ】
■創世の契約【花田一三六】
■虐殺器官【伊藤計劃】
■嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん【入間人間】
■ライタークロイス【川口士】
■機動戦士ガンダムUC【福井晴敏】
■暴風ガールズファイト【佐々原史緒】
■さよならピアノソナタ【杉井光】
■"生徒会の一存"シリーズ【葵せきな】
■ベン・トー【アサウラ】
■とある飛空士への追憶【犬村小六】
■俺の妹がこんなに可愛いわけがない【伏見つかさ】
■アカイロ/ロマンス【藤原祐】
■GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン【川上稔】
■翼の帰る処【妹尾ゆふ子】
■電波女と青春男【入間人間】
■プシュケの涙【柴村仁】
■蒼穹のカルマ【橘公司】
■空ろの箱と零のマリア【御影瑛路】
■アクセル・ワールド【川原礫】
■這いよれ! ニャル子さん【逢空万太】
■ソードアート・オンライン【川原礫】
■僕は友達が少ない【平坂読】
■天冥の標【小川一水】
■シュガーダーク【新井円侍】
■さくら荘のペットな彼女【鴨志田一】
(★はライトノベルめった斬り掲載)

ヒット作は増えてきたがそれでもライトノベルの認知度は高くなかった。書店でも発売直後を逃すと入手は困難で在庫も芳しくなかった。インターネットの普及に従い、徐々にライトノベルの存在が知られるようになる。東浩紀や大塚英志による評論、ライトノベル出身作家の越境、『涼宮ハルヒの憂鬱』のヒットなどがその要因となった。
多様化し、優れた作品も生まれる一方で、類型的な作品も少なくはない。高い支持を受けている作品でも「子供だまし」的な内容のものも見かけてしまう。出版点数は数多いがそのうちのどれだけが読まれ継いでいくだろうか。

ゼロ年代は「萌え」の発見から、キャラクター小説の自覚化、ゼロ年代型主人公の確立と展開し、オタク系サブカルチャーの中でもコミックやアニメと並ぶまでに成長したと思われる(少なくとも作品の流行傾向に関しては)。
「萌え」という概念が広まったのは2000年代に入ってからだが、更にそれを軸にキャラクターが形成され売り出されるようになった。ライトノベルは元来コミック的な手法であるキャラクター重視を積極的に行ってきたジャンルであるが、自覚的にそれを強調するようになっていった。美少女キャラクターのハーレム的展開が増えるにつれて、主人公は希薄化していく。特にコミックよりも主人公が動く必要のないライトノベルにおいてそれは顕著に現れたと考えられる。
ただこうしたパターン化は両刃の剣でもある。他の作品との差別化が難しくなり、飽きられやすい状況を自ら生み出しているとも言えるだろう。新人が次々とデビューして活性化はしているが、この10年間で『涼宮ハルヒの憂鬱』を除いてブレイクした作品はほとんど思い浮かばない状況であることも事実だろう。

以前からコバルト文庫出身で一般向けで活躍する作家は少なくなかったが、この数年ライトノベル出身で一般向けで活躍する作家が増えていた。ライトノベル界から出て行ってしまうだけであればこの状況は喜ばしいとは言えない。2009年のメディアワークス文庫の創刊はこうした流れへの受け皿的なものとなるのかどうか。
また、ライトノベルとは何かという根本が改めて問われる必要があるようにも思う。ライトノベル界のこの10年は「拡散と浸透」の時期でもあった。認知され、ライトノベル関連の書物も発行されている。明確な定義のないライトノベルという存在にこれから何を期待していこう。これからの10年にワクワクさせてくれる作品をどれだけ生み出してくれるのか、期待と不安を持って見守っていきたい。


ライトノベル・ブックガイド 【1990-1999】

2010年01月20日 23時11分49秒 | ライトノベル
詳しくはWiki「奇想庵の100冊」。

★スレイヤーズ【神坂一】
★時の果てのフェブラリー【山本弘】
■ツインハート抱きしめて【唯川恵】
■ソード・ワールド・ノベル【山本弘、水野良など】
★星虫シリーズ【岩本隆雄】
★炎の蜃気楼【桑原水菜】
■自転地球儀世界【田中芳樹他】
■艦隊シリーズ【荒巻義雄】
■メルヴィ&カシム【冴木忍】
■狩野俊介シリーズ【太田忠司】
★ゴクドーくん【中村うさぎ】
★ヘルメハイネの水晶の塔【井辻朱美】
★蓬莱学園【新城カズマ】
■道士リジィオ【冴木忍】
★十二国記【小野不由美】
■クレギオン【野尻抱介】
★六番目の小夜子【恩田陸】
■〈卵王子〉カイルロッドの苦難【冴木忍】
■ルナル・サーガ【友野詳】
★ヴィシュパ・ノール変異譚【水杜明珠】
■ロスト・ユニバース【神坂一】
■ザンヤルマの剣士【麻生俊平】
■クリスタニア【水野良他】
■アイドル防衛隊ハミングバード【吉岡平】
★ヤマモトヨーコ【庄司卓】
★爆れつハンター【あかほりさとる】
★デルフィニア戦記【茅田砂胡】
■妖魔夜行・百鬼夜翔【グループSNE】
★封殺鬼【霜島ケイ】
★大久保町【田中哲弥】
■建築探偵桜井京介の事件簿【篠田真由美】
■西の魔女が死んだ【梨木香歩】
★魔術士オーフェン【秋田禎信】
★あいつ【須和雪里】
■百鬼夜行シリーズ【京極夏彦】
★風の白猿神【滝川羊】
★ロケットガール【野尻抱介】
★タイム・リープ あしたはきのう【高畑京一郎】
■封仙娘娘追宝録【ろくごまるに】
■KLAN【田中芳樹他】
★楽園の魔女たち【樹川さとみ】
★ブラックロッド【古橋秀之】
★星界の紋章【森岡浩之】
■S&Mシリーズ【森博嗣】
■狂科学ハンターREI【中里融司】
■守り人シリーズ【上橋菜穂子】
■聖刻群龍伝【千葉暁】
■戦塵外史【花田一三六】
★電脳天使【彩院忍】
■JDCシリーズ【清涼院流水】
■デュアン・サーク【深沢美潮】
■闇の運命を背負う者【神坂一】
■バッテリー【あさのあつこ】
★都市シリーズ【川上稔】
★月の系譜・桜の系譜【金蓮花】
■召喚教師リアルバウトハイスクール【雑賀礼史】
★星のパイロット【笹本祐一】
★悪魔の国からこっちに丁稚【ディ・キャンプ】
★ちょー【野梨原花南】
■気象精霊記【清水文化】
■夢から、さめない【白倉由美】
★西の善き魔女【荻原規子】
★カナリア・ファイル【毛利志生子】
★天夢航海【谷山由紀】
★ペリペティアの福音【秋山完】
■僕の血を吸わないで【阿智太郎】
★ブギーポップ【上遠野浩平】
★機械の耳【小松由加子】
★マリア様がみてる【今野緒雪】
■皇国の守護者【佐藤大輔】
★ラグナロク【安井健太郎】
★フルメタルパニック!【賀東招二】
★やみなべの陰謀【田中哲弥】
■ザ・サード【星野亮】
■コールド・ゲヘナ【三雲岳斗】
■スクラップド・プリンセス【榊一郎】
■薬屋探偵妖綺談【高里椎奈】
■夢の樹が接げたなら【森岡浩之】
■バトル・ロワイアル【高見広春】
■住めば都のコスモス荘【阿智太郎】
■月と貴方に花束を【志村一矢】
★スカーレット・ウィザード【茅田砂胡】
★流血女神伝【須賀しのぶ】
■月と闇の戦記【森岡浩之】
★天魔の羅刹兵【高瀬彼方】
★EDGE【とみなが貴和】
(★はライトノベルめった斬り掲載)

ライトノベルの成立については様々な見方があるだろうが、『スレイヤーズ!』の登場が果たした役割の大きさは誰もが認めるものだろう。単にヒットしたかどうかではなく、第1回のファンタジア長編小説大賞に準入選した作品であり、それまでの周辺ジャンルの書き手による作品ではなくライトノベルを書くためにデビューした作家による作品という点が特徴的だ。
コバルトシリーズでは先に挙げた氷室冴子のように自前で発掘し育てるシステムができていたが、少年向けでもそれが機能し始めることとなる。更に、この作品はコミックはもちろん、TVアニメ、OVA、劇場アニメなど繰り返しアニメ化されメディアミックスのお手本のような作品ともなった。また、本編シリーズとは別に、外伝的短編シリーズを平行して発表する手法を開発したこともその後のライトノベルに大きな影響を与えた。

神坂一に続いて冴木忍、秋田禎信らファンタジア長編小説大賞出身者が次々とファンに支持される作品を発表しライトノベルは活況を呈するようになる。
1993年電撃文庫が創刊。翌年から電撃ゲーム小説大賞が創設され、高畑京一郎、古橋秀之、川上稔、上遠野浩平、橋本紡、三雲岳斗らを輩出する。特に第2回大賞受賞作『ブラックロッド』はその後の電撃文庫の流れを決めたとも言われる。

1995年サブカルチャー全体に激震を与えた『新世紀エヴァンゲリオン』のヒットは、直接的にはライトノベルに波及したとは言い難い。しかし、エヴァの影響はTVアニメのビジネスモデルを激変させた。それまでおもちゃのマーチャンダイズとしての側面の強かったTVアニメを作品のビデオ・LD・関連グッズ販売によって収益を得る手法を導いた。不況下においても趣味への投資を惜しまないオタク層をターゲットとするビジネスモデルを確立させたのがエヴァである。
現在のTVアニメの状況を見ると信じられないくらいだが、当時はまだ深夜アニメは存在していなかった(まれに単発としてはあったが)。エヴァのヒットを受け多くの新規参入が図られ、このビジネスモデルが深夜アニメという形で花開くこととなる。そして、これらの作品はコミックと共にライトノベルを原作とするものが少なくなかった。その後人気ライトノベルは次々とアニメ化されることになる。

1998年には電撃文庫から『ブギーポップ』シリーズ、コバルト文庫から『マリア様がみてる』、富士見ファンタジア文庫から『フルメタル・パニック!』と各レーベルを長期に渡り牽引する作品が登場する。これらの作品は高い人気のみならず多大な影響を後の作品に与えることとなった。なかでも『ブギーポップ』シリーズはライトノベルの枠を広げた画期的な作品であり、西尾維新を始めその影響を公言する作家は少なくない。


ライトノベル・ブックガイド 【-1989】

2010年01月20日 23時10分59秒 | ライトノベル
詳しくはWiki「奇想庵の100冊」。

■時をかける少女【筒井康隆】
■ねらわれた学園【眉村卓】
★クラッシャージョウ【高千穂遙】
■セーラー服と機関銃【赤川次郎】
■グイン・サーガ【栗本薫】
★クララ白書,アグネス白書【氷室冴子】
★ダーティペア【高千穂遙】
■宇宙航路【光瀬龍】
★星へ行く船【新井素子】
■魔界水滸伝【栗本薫】
■吸血鬼はお年ごろ【赤川次郎】
★キマイラ・吼【夢枕獏】
★銀河英雄伝説【田中芳樹】
■吸血鬼ハンターD【菊地秀行】
■おもいでエマノン【梶尾真治】
★トレジャー・ハンター八頭大【菊地秀行】
■ジュゼ【大和真也】
■敵は海賊【神林長平】
★少女小説家は死なない【氷室冴子】
★なんて素敵にジャパネスク【氷室冴子】
■宇宙皇子【藤川桂介】
★妖精作戦【笹本祐一】
★丘の家のミッキー【久美沙織】
■イル&クラムジー【大原まり子】
■スターライト☆だんでぃ【火浦功】
■ラブ・ペア【岬兄悟】
■ぼくらの七日間戦争【宗田理】
■星子【山浦弘靖】
■要塞シリーズ【荒巻義雄】
★アルスラーン戦記【田中芳樹】
★未来放浪ガルディーン【火浦功】
★ARIEL【笹本祐一】
★創竜伝【田中芳樹】
★天使【折原みと】
★私闘学園【朝松健】
★魔獣戦士ルナ・ヴァルガー【秋津透】
★ロードス島戦記【水野良】
★マヴァール年代記【田中芳樹】
★逆宇宙レイザース【朝松健】
★風の大陸【竹河聖】
■灼熱の竜騎兵【田中芳樹】
★女戦士エフェラ&ジリオラ【ひかわ玲子】
■隣り合わせの灰と青春【ベニー松山】
■悪霊シリーズ【小野不由美】
★ゆらぎの森のシエラ【菅浩江】
★宇宙一の無責任男【吉岡平】
★破妖の剣【前田珠子】
★鉄甲巨兵SOME-LINE【吉岡平】
■後宮小説【酒見賢一】
★フォーチュンクエスト【深沢美潮】
★ハイスクール・オーラバスター【若木未生】
(★はライトノベルめった斬り掲載)

児童向け小説の歴史は古い。活劇としては江戸川乱歩の『少年探偵団』シリーズやモーリス・ルブランの『ルパン』シリーズなどが有名だろう。1960年代後半あたりからジュブナイルSFが盛んに出版された。翻訳ものだけでなく、国内の作家の作品の中からも優れた作品が生まれ、これらは70年代以降NHKの少年向けテレビドラマに取り上げられる。

1975年ソノラマ文庫が創刊。翌76年集英社文庫コバルトシリーズがスタートする。親が買い与える小説ではなく、子供が自分のお金で買う本という位置付けがその後のライトノベルへと繋がっていくこととなる。
SF作家の高千穂遥のスペースオペラ『クラッシャージョウ』シリーズはSF冒険活劇のフォーマットを完成させその後劇場アニメ化された。同じ高千穂の『ダーティペア』は美少女二人が主人公と現在のライトノベルのスタイルの先鞭となった。
1978年の『スター・ウォーズ』の日本公開頃からSFブームが到来し、これらレーベルの牽引役も若いSF作家が務めることとなった。コバルトシリーズは富島健夫らベテランが多く執筆していたがやがて若い女性作家の台頭が図られるようになる。その代表格が氷室冴子だった。

当時エンターテイメント路線を走っていた角川書店は1976年から角川映画との連動を盛んにするようになった。特に80年代以降は薬師丸博子ら人気アイドルを軸とした作品を公開した。その際、SFジュブナイル作品や赤川次郎のライトミステリが映画化されることとなる。若者向けエンターテイメントに力を注ぐ角川書店は、カドカワノベルスで『魔界水滸伝』『宇宙皇子』を、角川文庫では『アルスラーン戦記』『魔獣戦士ルナ・ヴァルガー』といったファンタジーを精力的に起用した。
特に1986年に発売された『ドラゴンクエスト』以降ファンタジーが急速に若者に受け入れられるようになり、角川スニーカー文庫創刊とその最初の代表作である『ロードス島戦記』のヒットはまさにその表れだった。1989年には新潮社を後援に日本ファンタジーノベル大賞も創設された。


ライトノベル・ブックガイド

2010年01月20日 23時09分35秒 | ライトノベル
先日、「ライトノベルめった斬り!」の記事にアクセスが急増した。はてなブックマークで取り上げられたことが原因だった。ライトノベルのブックガイドである『ライトノベルめった斬り!』についての記事だが、もう3年も前のものである。ここ最近数多くのライトノベルを読んだこともあり、なんらかの見直しをしたいと思うようになった。

最初は通常のブログの記事として書こうとしたのだが、『ライトノベルめった斬り!』だけでは物足りないと思い、『ライトノベルデータブック 【作家&シリーズ/少年系】』で取り上げられている作品も加え、更に辺境の作品、ライトノベルに影響を与えた作品、新作など加えていくうちに大量にリストアップすることになってしまった。
単に網羅的にリストアップすることが目的ではなかったのだけれど、ブログの記事だけでまとめるのは困難と思い、とりあえずWiki「奇想庵の100冊」の方に掲載した。『時をかける少女』から『さくら荘のペットな彼女』まで329の作品・シリーズとなった。

これだけ網羅すれば万全かと言えばとてもそうは言えない。少年向けに比べて少女向けは著しく少ないし、少年向けでも取り上げるべき作品に漏れがあるとは思う。逆に、これが取り上げられてるのって作品も少なくはないだろう。2冊のブックガイド以外で取り上げた作品は読んだことがあるものをメインとしているので偏りがあることは自覚している。
今回のブックガイドの主眼はライトノベルの歴史を鳥瞰できるようなものにしたいというものであった。完全版とは言えないまでも、それなりのリストにはなったのではないかと思う。

詳細は後の記事に譲るとして、Wikiについての弁解などを。レンタルWikiということもあってデザイン等あまり満足していない。アマゾンへのリンクも何度かリロードしなければ表示されない不具合もあり、不満が強いが改善の手間を考えるとなかなか変えにくくなってしまった。
DataについてはWikipediaの記述を中心に主にネット上から拾ってきたが、当然誤記等もあると思うので、気付いた方は教示してもらえると助かる。また、取り上げるべき作品・シリーズの提示についても伺いたい。
私自身は今回の作業で現状のライトノベルの幅が実感できたように思う。ただ少女向けについてはネット上でもまとまったサイトが見当たらず、潮流を読み解くことができなかったのは残念だ。

ライトノベル・ブックガイド 【-1989】
ライトノベル・ブックガイド 【1990-1999】
ライトノベル・ブックガイド 【2000-】
Wiki「奇想庵の100冊