2013年3月の読書メーター
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2521ページ
ナイス数:90ナイス
ウェブはグループで進化する ソーシャルウェブ時代の情報伝達の鍵を握るのは「親しい仲間」の感想
目新しい知見がそれほどあるわけではないが、ソーシャルネット主体のウェブの現状とそれを前提としたマーケティングのあり方についてよくまとめられている。オンラインのオフライン化はまさしくその通りだろうが、グローバルなウェブで日本がどのくらい特殊なのかの分析が見たい。インフルエンサー神話を否定的に捉えている点は興味深かった。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月1日 著者:ポール・アダムス
綱吉と吉宗 (日本近世の歴史)の感想
江戸幕府の行政システムを中心に描かれている。冒頭、「養子将軍の時代」と題されているが、側用人などを利用した将軍親政の時代だったというのが本書のテーマと言えるだろう。大岡忠相の日記など具体例から描いている点は興味深かった。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月8日 著者:深井 雅海
禁断の魔術 ガリレオ8の感想
「透視す」はガリレオらしい作品。一方、「念波る」はこれまでの積み重ねがあるから生きる捻り方で印象的。「曲球る」は一冊読み終えた時には忘れてしまっていたくらいで・・・。で、中編と呼ぶべき「猛射つ」は、短編版ガリレオと長編版ガリレオの中間的な仕上がりに感じられたけれど、サスペンスとしては素晴らしい出来だと思うが、すっきりしない結末という印象も。ミステリとしては切れ味に欠けたし、エンターテイメントとしては落としどころに不満が残るような。TVドラマの2時間スペシャルにはいいけど、劇場版には相応しくないという感じか(☆☆☆☆☆)
読了日:3月8日 著者:東野 圭吾
あいの感想
市井の人々の日常の些細な喜び・悲しみを描き、それを積み上げることによって醸し出した空気が「みをつくし料理帖」の素晴らしさだったが、本書ではどうしても上辺だけをなぞっただけのような感じがしてしまう。良い話、お手軽な感動、それが悪いとは言わないが、高田郁ならもっと出来ただろうと思うだけに残念。(☆☆☆☆)
読了日:3月14日 著者:高田 郁
終わらない歌の感想
『よろこびの歌』は読んだという記憶ははっきりあるし、読書メーターのコメントでもかなり絶賛しているのだけれど、内容に関して全く覚えていない。続編である本書を読んでも思い出せない。でも、本書の出来も素晴らしい。出来過ぎなところもあるけれど、宮下奈都の筆致は心地よい。心地よさだけが心に残れば十分かもしれない。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:3月15日 著者:宮下 奈都
マグダラで眠れ (電撃文庫)の感想
ツンデレヒロインものと思いきや、世間知らずの少女をいたぶるSM小説だったとは(笑)。最後は著者らしい展開で締めたものの、物語を牽引する力がやや不足している印象。キャラクターもあまり魅力を感じなかったのが残念。(☆☆☆☆)
読了日:3月15日 著者:支倉 凍砂
盤上の夜 (創元日本SF叢書)の感想
成長したヒカルが再び佐為と巡り合えたならと思わせる表題作。「清められた卓」はまんま『咲』って感じ。量子コンピュータうんぬんはちょっと安直な気も。勝負師を描く様は引き込むものがあるけれど、傍観者視点なのが少し残念に思う。個々に不満はあるものの、全体としては十分に楽しめた。山田正紀っぽさも含めて(笑)。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月22日 著者:宮内 悠介
輝天炎上の感想
『ケルベロスの肖像』が東城大サイドなら、こちらはそれを碧翠院サイドから描いた作品。なんだけど、『螺鈿迷宮』といい碧翠院ものはさっぱり共感できない。本作も前半の面白さに比べて、後半は焦点もぼやけて失速といった印象。そろそろ桜宮サーガじゃないのが読みたいかなあ・・・。(☆☆☆☆)
読了日:3月28日 著者:海堂 尊
読書メーター
ヴァナに入り浸っていたわりには8冊とまずまず。ただ、よく出来た作品が多かったものの、それが面白さに繋がっていたのは『終わらない歌』だけだった気もする。気持ち甘めの採点かなと感じるが、出来そのものが悪かったわけではないのでこんなものか。
ガリレオシリーズ『禁断の魔術』は短編4作と中編1作という構成となっている。このシリーズは短編と長編で味わいが異なるのが特徴で、本作でも短編は「らしい」仕上がりとなっている。問題は中編で、どっちつかずの印象となってしまった。マンネリと言われようが水戸黄門的にすっきりと落とすのもエンターテイメントの王道的展開だ。短編シリーズはそうした作りが魅力だった。一方、長編は構成の妙味が特徴で、テーマ性も強い。「猛射つ」は内容的には長編版の描き方と言えるが、そこまでの緻密な構成が感じられない。サスペンスとしてはよい出来だが、東野圭吾ならもっとキャラクターに深みを持たせられただろうと思ってしまう。期待値が高いがゆえの低評価とも言えるが、そういう作家なのだから仕方がない。
『あい』の場合も、「みをつくし料理帖」を基準にすると粗が目立ってしまう。人の生涯を一冊の本で描こうとすればどうしても駆け足とならざるをえない。どこを描き、どこを省くかという取捨選択が大切だが、それも過ぎればどうしても著者が思い描く道筋ばかりが書かれてしまうこととなる。実在の人物の生涯を描くとなれば、分かりやすいストーリーに沿ったものとはなり得ないわけだが、小説として見せるためにはストーリーを描かざるを得ず、そのせめぎ合いこそが作品たらしめるものである。本書の場合、深みにまで到達できず、上辺だけをなぞるようなものとなってしまった。高田郁なら、と思うだけに、もう少しどうにかして欲しかったと感じてしまう。
「貧乏に耐えて一途に頑張る」系の美談は美談として、近代的自我を確立して以降、欲の無い人間というのはファンタジーのように見えてしまう。『あい』は江戸末から明治にかけての話で、そういう心性も成り立つが、現代を描くにはそれは受け入れがたくなってしまう。『終わらない歌』の恵まれた環境の下での苦労の重みは、些細なように見えても当人にとっては決して軽いものではない。リアルがファンタジー化してしまって、己の分を越えて、欲望や願望が溢れてしまっている社会にどう適応するのか。綺麗に落とし過ぎではあるが、宮下奈都らしい引っかかり具合が出ていて、エンターテイメントとしても上質な出来。
『狼と香辛料』をあと少し積み残しているというのに、『マグダラで眠れ』に手を出してしまった。世界観は前作同様見事。キャラクターは前作に比べるともうひとつ。問題は物語を牽引する力が弱いこと。前作であれば、主人公は商人で、商売上の利であったり、夢であったりを持っていた。そこにヒロインとの恋愛を絡めて物語に葛藤を与えていた。本作の場合、主人公は錬金術師なわけだが、その思いや夢の描写がうまく伝わってこなかった。ヒロインとの関係性も固定的で面白みに欠ける。ライトノベル以外のジャンルで書いた方が良さそうな気も……。
先日、将棋において現役のプロ棋士がコンピュータ相手に公式の場で敗れた。こういう時代が来るだろうと予測はなされていたが、思いもよらぬほどのペースでコンピュータが強くなった。まさに今SFが現実化している中で、ゲームをテーマにした連作短編が『盤上の夜』。マインドスポーツ好きとしては見逃せない作品集と言える。表題作はどう見ても『ヒカルの碁』(笑)。コメントに書いたように「清められた卓」は『咲-Saki』だし、「象を飛ばした王子」は諸星大二郎っぽいなあとか。主人公がライターで、客観的な視点から描かれているのが特徴。それが悪いわけではないが、物足りなさも感じた。佳作だけど佳作でしかない印象。
『ケルベロスの肖像』の姉妹作『輝天炎上』。コメントに書いたように碧翠院の「業」についていけないのが困ったもの。もともとリアリティに乏しい桜宮サーガだけれど、暴走状態になってしまった感じ。前半は物語の体をなしていたのに、後半はひどい有様で『ケルベロスの肖像』の裏話的展開だけが興味を繋ぐ感じに。まあこれだけ壊れた作品をちゃんと読ませる力量だけは素晴らしいけれど。最後はもうどうでもいいやって投げたくなっちゃったけどね。正直、もう桜宮サーガはおなかいっぱい。余程のことがない限り手は出すまいと思うが、さて(笑)
2013年2月に読んだ本
2013年1月に読んだ本
2012年に読んだ本
2011年に読んだ本
2013年3月に読んだコミック
『ラストイニング』36巻(中原 裕 神尾 龍)
『よつばと!』12巻(あずま きよひこ)
『それでも町は廻っている』11巻(石黒 正数)
コミックがさっぱり読めなかった。わずか3冊。
『よつばと!』の非物語の力が素晴らしい。『それでも町は廻っている』も意図的に時間順に描いていないと語られているが、物語に依らずとも面白いものは生み出されている。小説がコミックに勝てないのはこんなところにもある。
読んだ本の数:8冊
読んだページ数:2521ページ
ナイス数:90ナイス
ウェブはグループで進化する ソーシャルウェブ時代の情報伝達の鍵を握るのは「親しい仲間」の感想
目新しい知見がそれほどあるわけではないが、ソーシャルネット主体のウェブの現状とそれを前提としたマーケティングのあり方についてよくまとめられている。オンラインのオフライン化はまさしくその通りだろうが、グローバルなウェブで日本がどのくらい特殊なのかの分析が見たい。インフルエンサー神話を否定的に捉えている点は興味深かった。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月1日 著者:ポール・アダムス
綱吉と吉宗 (日本近世の歴史)の感想
江戸幕府の行政システムを中心に描かれている。冒頭、「養子将軍の時代」と題されているが、側用人などを利用した将軍親政の時代だったというのが本書のテーマと言えるだろう。大岡忠相の日記など具体例から描いている点は興味深かった。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月8日 著者:深井 雅海
禁断の魔術 ガリレオ8の感想
「透視す」はガリレオらしい作品。一方、「念波る」はこれまでの積み重ねがあるから生きる捻り方で印象的。「曲球る」は一冊読み終えた時には忘れてしまっていたくらいで・・・。で、中編と呼ぶべき「猛射つ」は、短編版ガリレオと長編版ガリレオの中間的な仕上がりに感じられたけれど、サスペンスとしては素晴らしい出来だと思うが、すっきりしない結末という印象も。ミステリとしては切れ味に欠けたし、エンターテイメントとしては落としどころに不満が残るような。TVドラマの2時間スペシャルにはいいけど、劇場版には相応しくないという感じか(☆☆☆☆☆)
読了日:3月8日 著者:東野 圭吾
あいの感想
市井の人々の日常の些細な喜び・悲しみを描き、それを積み上げることによって醸し出した空気が「みをつくし料理帖」の素晴らしさだったが、本書ではどうしても上辺だけをなぞっただけのような感じがしてしまう。良い話、お手軽な感動、それが悪いとは言わないが、高田郁ならもっと出来ただろうと思うだけに残念。(☆☆☆☆)
読了日:3月14日 著者:高田 郁
終わらない歌の感想
『よろこびの歌』は読んだという記憶ははっきりあるし、読書メーターのコメントでもかなり絶賛しているのだけれど、内容に関して全く覚えていない。続編である本書を読んでも思い出せない。でも、本書の出来も素晴らしい。出来過ぎなところもあるけれど、宮下奈都の筆致は心地よい。心地よさだけが心に残れば十分かもしれない。(☆☆☆☆☆☆☆)
読了日:3月15日 著者:宮下 奈都
マグダラで眠れ (電撃文庫)の感想
ツンデレヒロインものと思いきや、世間知らずの少女をいたぶるSM小説だったとは(笑)。最後は著者らしい展開で締めたものの、物語を牽引する力がやや不足している印象。キャラクターもあまり魅力を感じなかったのが残念。(☆☆☆☆)
読了日:3月15日 著者:支倉 凍砂
盤上の夜 (創元日本SF叢書)の感想
成長したヒカルが再び佐為と巡り合えたならと思わせる表題作。「清められた卓」はまんま『咲』って感じ。量子コンピュータうんぬんはちょっと安直な気も。勝負師を描く様は引き込むものがあるけれど、傍観者視点なのが少し残念に思う。個々に不満はあるものの、全体としては十分に楽しめた。山田正紀っぽさも含めて(笑)。(☆☆☆☆☆)
読了日:3月22日 著者:宮内 悠介
輝天炎上の感想
『ケルベロスの肖像』が東城大サイドなら、こちらはそれを碧翠院サイドから描いた作品。なんだけど、『螺鈿迷宮』といい碧翠院ものはさっぱり共感できない。本作も前半の面白さに比べて、後半は焦点もぼやけて失速といった印象。そろそろ桜宮サーガじゃないのが読みたいかなあ・・・。(☆☆☆☆)
読了日:3月28日 著者:海堂 尊
読書メーター
ヴァナに入り浸っていたわりには8冊とまずまず。ただ、よく出来た作品が多かったものの、それが面白さに繋がっていたのは『終わらない歌』だけだった気もする。気持ち甘めの採点かなと感じるが、出来そのものが悪かったわけではないのでこんなものか。
ガリレオシリーズ『禁断の魔術』は短編4作と中編1作という構成となっている。このシリーズは短編と長編で味わいが異なるのが特徴で、本作でも短編は「らしい」仕上がりとなっている。問題は中編で、どっちつかずの印象となってしまった。マンネリと言われようが水戸黄門的にすっきりと落とすのもエンターテイメントの王道的展開だ。短編シリーズはそうした作りが魅力だった。一方、長編は構成の妙味が特徴で、テーマ性も強い。「猛射つ」は内容的には長編版の描き方と言えるが、そこまでの緻密な構成が感じられない。サスペンスとしてはよい出来だが、東野圭吾ならもっとキャラクターに深みを持たせられただろうと思ってしまう。期待値が高いがゆえの低評価とも言えるが、そういう作家なのだから仕方がない。
『あい』の場合も、「みをつくし料理帖」を基準にすると粗が目立ってしまう。人の生涯を一冊の本で描こうとすればどうしても駆け足とならざるをえない。どこを描き、どこを省くかという取捨選択が大切だが、それも過ぎればどうしても著者が思い描く道筋ばかりが書かれてしまうこととなる。実在の人物の生涯を描くとなれば、分かりやすいストーリーに沿ったものとはなり得ないわけだが、小説として見せるためにはストーリーを描かざるを得ず、そのせめぎ合いこそが作品たらしめるものである。本書の場合、深みにまで到達できず、上辺だけをなぞるようなものとなってしまった。高田郁なら、と思うだけに、もう少しどうにかして欲しかったと感じてしまう。
「貧乏に耐えて一途に頑張る」系の美談は美談として、近代的自我を確立して以降、欲の無い人間というのはファンタジーのように見えてしまう。『あい』は江戸末から明治にかけての話で、そういう心性も成り立つが、現代を描くにはそれは受け入れがたくなってしまう。『終わらない歌』の恵まれた環境の下での苦労の重みは、些細なように見えても当人にとっては決して軽いものではない。リアルがファンタジー化してしまって、己の分を越えて、欲望や願望が溢れてしまっている社会にどう適応するのか。綺麗に落とし過ぎではあるが、宮下奈都らしい引っかかり具合が出ていて、エンターテイメントとしても上質な出来。
『狼と香辛料』をあと少し積み残しているというのに、『マグダラで眠れ』に手を出してしまった。世界観は前作同様見事。キャラクターは前作に比べるともうひとつ。問題は物語を牽引する力が弱いこと。前作であれば、主人公は商人で、商売上の利であったり、夢であったりを持っていた。そこにヒロインとの恋愛を絡めて物語に葛藤を与えていた。本作の場合、主人公は錬金術師なわけだが、その思いや夢の描写がうまく伝わってこなかった。ヒロインとの関係性も固定的で面白みに欠ける。ライトノベル以外のジャンルで書いた方が良さそうな気も……。
先日、将棋において現役のプロ棋士がコンピュータ相手に公式の場で敗れた。こういう時代が来るだろうと予測はなされていたが、思いもよらぬほどのペースでコンピュータが強くなった。まさに今SFが現実化している中で、ゲームをテーマにした連作短編が『盤上の夜』。マインドスポーツ好きとしては見逃せない作品集と言える。表題作はどう見ても『ヒカルの碁』(笑)。コメントに書いたように「清められた卓」は『咲-Saki』だし、「象を飛ばした王子」は諸星大二郎っぽいなあとか。主人公がライターで、客観的な視点から描かれているのが特徴。それが悪いわけではないが、物足りなさも感じた。佳作だけど佳作でしかない印象。
『ケルベロスの肖像』の姉妹作『輝天炎上』。コメントに書いたように碧翠院の「業」についていけないのが困ったもの。もともとリアリティに乏しい桜宮サーガだけれど、暴走状態になってしまった感じ。前半は物語の体をなしていたのに、後半はひどい有様で『ケルベロスの肖像』の裏話的展開だけが興味を繋ぐ感じに。まあこれだけ壊れた作品をちゃんと読ませる力量だけは素晴らしいけれど。最後はもうどうでもいいやって投げたくなっちゃったけどね。正直、もう桜宮サーガはおなかいっぱい。余程のことがない限り手は出すまいと思うが、さて(笑)
2013年2月に読んだ本
2013年1月に読んだ本
2012年に読んだ本
2011年に読んだ本
2013年3月に読んだコミック
『ラストイニング』36巻(中原 裕 神尾 龍)
『よつばと!』12巻(あずま きよひこ)
『それでも町は廻っている』11巻(石黒 正数)
コミックがさっぱり読めなかった。わずか3冊。
『よつばと!』の非物語の力が素晴らしい。『それでも町は廻っている』も意図的に時間順に描いていないと語られているが、物語に依らずとも面白いものは生み出されている。小説がコミックに勝てないのはこんなところにもある。
マインドゲーム系だと竹本先生のボードゲーム連作シリーズなどを思い出しますが(人工知能ネタとかも)、時代が進んでいよいよってレベルだけにタイムリーではありそうですね。
二年くらい前までは『もう少し掛かる』だったのが、今はもうそこまで来たんだなと。
ソーシャル関係の本は最近重点的に読んでたこともあって、「カブるのは多いだろうなあ」と漠然とわかりますw
マグダラは現時点だと狼の方がどうしてもインパクト強くなるだろうなとは思いますね。
ラノベをぱっと見で判断する際の規準としても機能するウリとして、ラブコメ+異文化交流を持ち込む手法としては前回のがわかりやすいんじゃないかなと。どこかネタで引くのが常態化してきた今だと、こうした作品でヒロインとの関係性強化は取り得る戦略なのかなとか。
今回だと終わらない歌が気になりました。
>漫画
よつばとは完全に意識的に描かれた空気系として飛び抜けてるなと思います。
コマとコマの間の取り方とか、パロディにしやすそうでもありますけど、恐らく発想しようと思ったらこの作者さんくらいにしかできないだろうなと。
あずまんが大王を読んだ上で判断すると、四コマでなくこれが描けるのは作者が更に徹底してきてるからからかなと感じたりします。
AIに関しては工学的アプローチの作品とか読んでみたいですねー。
>マグダラ
レーベルはともかく、内容的に非ラノベの枠組みで書いて欲しいなあと。ヒロインなしでも読ませるものが書けそうなので、マグダラの場合はヤローのみの話で良かったようにも(笑)。狼と香辛料だと主人公二人のやり取りで読ませることができてましたけど。
>終わらない歌
宮下奈都は自意識のぐるぐるをキレイな形で描く作家と認識しています。良くも悪くも少女マンガ的かと。
>よつばと!
そんなに目新しい視点というわけではないのに、描き方ひとつでこれだけ新しさを感じさせるのは凄いことかと。日常を見せるということに最も確信的な作家ですね。
工学系だと観念面ではもうかなり出てきてるので、その先に何を提示してくれるかが楽しみになってます。
>マグダラ
狼はラブロマンス押していける空気が出来てましたしね。
連載を重ねる上でも効果的だったと思います。
MW文庫で出せば良いんですけどねw
あっちもそこそこ認知度が上がってきていますし。
まあ作者買いしない傾向があるとしたら、電撃側で行きたいのかもしれませんが。
というか、それ指摘されて思い出したんですが、ヒロイン過剰でなくてもMWだったら問題なかったんですよねw
一応男女間の話は出ていても、特にそれをゴリ押ししない傾向の作品が多いのを思い出しました。
『人類は衰退しました』『戦う司書』あたりは非ラブコメ系で、どちらかというと角川系でないレーベルの方が多様性がある感じです。まあ書き手の嗜好なんかもあるので、レーベルだけが問題ってわけでもないでしょうが。