外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

ばらまき予算!?

2009-12-26 12:28:29 | 社会全般
今朝の日経新聞は、企業よりも家計や農家にお金がばらまかれたという来年度予算案に対する経済団体幹部の不満を例に上げ、「ばらまきで安心得られず」と断じています。

企業の視点に立てば、不満の残る予算案でしょう。
経済のグローバル化への配慮が足らないというのは、その通りです。
民主党政権の一部に「反グローバリズム」的な考え方を持つ人たちがいるのは残念なことです。

しかし、現実に重い教育負担を背負った家計への予算配分が必ずしも「ばらまき」だと私には思えません。

橋や道路のように形として残る出費には、ある種の安心感がありますし、将来への投資という感じを抱きがちです。
しかし、実態は関連業界が"現在"潤うだけで、将来の世代には大した便益がもたらされず、建設資金の返済負担、施設の維持修繕費用の負担だけが受け継がれるケースも少なくありません。

一方、人への投資は、農地に水をまくようなもので、形が残りませんし、資金が有効に使われるようにするための技術的な課題は残ります。
その意味で、先日ご意見をいただいた奨学金制度の充実も、有効な選択肢でしょう。
優秀な学生を海外留学させるという制度も大切ですが、親の経済的な問題で学業を断念する若者を一人でも救うという裾野の広い施策が、より緊急性が高いように思います。

ただし、巨額の予算配分を行なうからには、例えば、高校中退率の低下に数値目標を設定して、施策の効果をモニタリングするなどの工夫も必要でしょう。

いずれにしても、この予算配分によって一人でも多くの若者たちが教育を受ける機会を得て、将来バリバリと活躍してもらいたいと私は期待します。

若者たちは、私たちの後継者。
彼らには、今後さらにグローバル化が進展する世界を逞しく勝ち抜いてもらわなければなりません。

そんな彼らのために使われるならば、私も税金の"納め甲斐"があるというものです。
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2 Comments

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雇用の吸収力 (ay1881)
2009-12-28 15:59:29
「税金を払うことのできる人を増やす」という方向性は、その通りだと思います。
問題は、どの産業に雇用吸収を期待するのかという点です。

日本で雇用吸収が期待できる産業の条件としては、次の二点があると私は考えています。
(1)機械化・自動化による生産性向上が難しい、労働集約型産業であること
(2)業務の海外移転が困難な産業であること

このような条件を満たす産業は、飲食、教育、ホテル、建築、医療・介護、法律・税務などの専門サービスなどが挙げられます。
そして、現在、不況に苦しんでいるホテルと建築、そして就職に際して高度な専門知識が必要となる教育・医療・専門サービスを外すと、緊急の雇用吸収先として残るのは飲食と介護しか残りません。

飲食サービスと介護という業種の問題点としては、機械化・自動化が進めにくい性質であるために、一部の富裕層向けサービスを除いて付加価値を高めることが難しく、本質的に将来的にも賃金水準が上がりにくいという点です。

したがって、飲食サービスと介護は、雇用を吸収する力はあるが、家庭を豊かにしていく底力に欠ける業種ということだろうと思いますので悩ましいです。

一方、中長期的な視点に立って若者に目指してもらわねばならないのは、次のような人材となることでしょう。
(1)機械化・自動化による生産性向上が期待できる業種に勤務し、業務の海外移転にも主体的に対応できる人材。
(2)あるいは教育・医療・法務・税務など、業務の海外移転が難しい業種で働くことのできる、専門知識を有する人材。

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Unknown (伊藤)
2009-12-27 15:19:40
私はたぶん社会主義的な考え方を持ってるんですが、日本は情が良くも悪くも政治が動かしていると思います。悪平等というところでしょうか。
湾口、空港、鉄道、道路を見ても集中と選択をしていたら、アジアの拠点を韓国にやらずに済んだのではと思います。
政府として税金を払う額を増やすより税金の払える人数を増やすことが一番の課題です。
まず、働く力を着けさせるようなハローワークと訓練所の運営をお願いしたいです。
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