酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

首相の書初め

2009-01-06 05:19:48 | Weblog
 麻生太郎首相が4日、年頭記者会見の席で「書初め」を披露してくれた。筆を取る太郎君を見て、愚妻は「大丈夫? 書けるのかしら」と気をもんでいたが、「安心 活力」の4文字では間違いようがなかった。

 《首相は記者会見の冒頭、「安心して暮らせる日本、活力のある日本という思いを、年始めの字に込めたい」と語ると、演壇脇のイーゼルに立て掛けられた縦約45センチ、横約53センチの色紙に、毛筆で「安心活力」と大書した。首相は日頃から、礼状などを毛筆でしたためる習慣があり、官邸関係者によると、年頭の記者会見での“書き初め”は、「極めて異例」だという》=読売web=。


 しかし、肝心の会見の中身は言葉だけが踊る惨憺たるものだった。

 《国民の皆さんの生活を守るために、やり抜く覚悟です。悲観主義は気分によるものであり、楽観主義は意志によるものである。好きな言葉であり、ある哲学者の言葉です。未来は私たちがつくるもの、我々がつくる、未来は明るい、そう信じて、行動を起こす。そうした意志こそが、未来を切り開く、大きな力になるものだと思っております。国民の皆様のために、明るい日本をつくりたい。そう強く考えております》=朝日web=。

 この国を覆っているのは前途への不安である。意思を持って行動を起こそうにも、その場や機会がない。これが現下の実情だろう。代々木公園の「派遣村」で「未来は明るい」とぶって反応を聞けばよかった。こういうノー天気さが支持率を押し下げていることが理解できていない。困ったものだ。

 
 その後の一問一答もピンボケだ。

 《――支持率が下がる中、解散は自身で(断行)するのか。その場合、どういった争点で戦うのか。

 「あの、まず、基本的には、解散は、最終的に、誰が決断するかと、総理大臣が解散を決断します。すなわち、麻生太郎が決断をします。それから、争点。これは、もうはっきりしてるんじゃないでしょうか。国民生活の安定、我々は効果的な経済対策とか、生活対策とかいうことを迅速にうつ、いうことができるのは、政府自民党、確信しています》=朝日web=。

 「争点」という言葉の意味が理解できていない。「国民生活の安定」などが争点であるはすがない。何のために政治が存在するかを考えればすぐ分かることだ。小泉構造改革路線をどうするのか。財政規律と消費税引き上げの関係は。派遣労働法の見直しを含む、労働環境改善にどう取り組むのか。

 これらについて明確にすれば、争点などおのずから明らかになる。それを言えないところに苦しさがあるのだろう。


 書初めがよくできたことに安心したのか、最後に署名するところでミスをしてしまったらしい。漢字の使い方が間違っていたのだ。テレビでは脇の文字までは見せてくれなかったが、なるほどね。この署名、あらかじめしたためてあったというから、これもまた驚きだ。

 《麻生首相が4日の年頭記者会見で見せた「書き初め」の落款(らっかん)が話題になっている。

 落款は書画に添える筆者の署名で、色紙にあらかじめ「平成廿十一年新春 麻生太郎」と記されていた。国語辞典「大辞泉」などによると、「廿」は1文字で「二十」を意味し、「下の『十』はいらない」というのだ。

 自民党のホームページが元日付で掲載した首相の「年賀状」の日付も「平成廿十一年元旦」。1日にはインターネットで「『廿一』が正解ではないか」と指摘されていた。首相は昨年、漢字で痛い目にあっただけに、与党には「首相官邸のチェック体制はどうなっているのか」と深刻に受け止める向きもある》=読売web=。

 「廿」はパソコンの変換でも一文字で出てくる。間違って覚えることはよくあるが、公にするときにはチェックするぐらいの慎重さが必要だろう。官邸の危機管理能力も麻生首相の漢字能力と同等らしい。
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箱根大混戦=ドングリの背比べ?

2009-01-03 17:25:20 | Weblog
 第85回の箱根駅伝は東洋大の初優勝でフィナーレとなった。不祥事に伴う監督交代を力に変えた戦いぶりは見事の一言だ。おめでとう。

 とはいうものの、好コンディションにもかかわらずタイムは去年より4分以上悪かった。選手が入れ替わる大学駅伝で記録の比較が適当かどうかは判断に迷うところだが、東洋が飛びぬけた力を持っていたから勝ったのでないことだけは確かだ。

 快走といえるのは初日に山を登った一年生の柏原ぐらいで、他の選手は堅実な走りに徹していた。粘ってつなげば何とかなるということだ。負けない駅伝のセオリー通りではあるが、迫力には欠けた。

 追う早稲田は策がなかった。前半突っ込んで終盤突き放されるパターンを繰り返した。知恵がなすぎる。残りの区間トータルで借金を返す走り方がなぜできないのか。渡辺君も瀬古譲りで、作戦が苦手なのかもしれない。

 復路の走者は全体的にスピード不足が目立った。4位から14位あたりまでタイム差がなかったことがそれを裏付ける。箱根人気は盛り上がる一方だが、「参加することに意義あり」的な風潮も散見される。テレビ中継、監督車のあり方、今後に課題を残した大会でもあった。

 でも、ランナーは良く頑張った。

 
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箱根駅伝

2009-01-02 20:02:47 | Weblog
 長丁場の箱根では何が起きるか分かりません。下馬評もかなりでたらめです。不祥事で川島監督が辞任した東洋大が往路優勝するなんて、もうびっくり。一時は出場も危ぶまれていました。それが発奮材料になったのかもしれません。

 V候補筆頭の駒大はまさかの15位でした。リズムが狂うとこんなものなんですね。

 二日目のスタートで繰り上げは2校。それだけ団子になっているということです。シード権を争うことになる4-13位近辺は、3分ほどのところにひしめき合っています。優勝争いは早稲田が一歩抜け出し、東海と日体に初日リードした東洋が絡む展開になりそうです。

 早稲田が勝つのは結構なのですが、瀬古がねえ。
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