酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

新聞社と創価学会

2009-01-29 05:53:17 | Weblog
 さる26日の朝日、毎日、産経各紙に奇妙な記事が掲載された。創価学会の池田大作名誉会長が「平和提言」を行ったというのだ。

 《創価学会の池田大作名誉会長は25日、核軍縮交渉のための米ロ首脳会談を早期に開催するよう求める「平和提言」を発表した。核兵器のない世界を目指すという米国のオバマ大統領の就任に触れ、「この機運を逃さず、大胆な核軍縮に向けて基本合意すべきだ」としている》=朝日第2社会面=

 《創価学会の池田大作名誉会長は25日、「人道的競争へ 新たな潮流」と題する平和提言を発表した。人類が人道的な価値を巡って競い合うべきだとして、「『人道的競争』こそ21世紀を拓(ひら)きゆくパラダイム(認識の枠組み)の先駆けたりうる」と訴えている。

 米国にオバマ大統領が誕生したことを受け、核軍縮を促進するため米露首脳会談の早期開催を提案。これと並行し、各国に核兵器の使用や保有を全面的に禁止する「核兵器禁止条約」を締結すべきだとしている》=毎日第2社会面=

 《創価学会の池田大作名誉会長は25日、「人道的競争へ 新たな潮流」と題する平和提言を発表した。創価学会インタナショナル(SGI)結成記念日に合わせた毎年恒例の提言。今年は、環境・資源問題を解決する国際機関の創設や核兵器を禁止するための国際社会の取り組みなどを呼びかけた》=産経第3社会面=

 共同通信も同じ内容の記事を配信している。地方紙でも掲載した社があるかもしれない。

《創価学会の池田大作名誉会長は25日、オバマ米新大統領の就任を受け、核軍縮に向けた米国とロシアの首脳会談の早期開催などを求める平和提言を発表した。

 提言は、世界が経済危機に加え、地球温暖化や食糧問題などが連鎖しながら悪化していく恐れがあり、変革の挑戦は米国一国だけではなく、世界全体で必要とされていると指摘。

 国際持続可能エネルギー機関や世界食糧銀行の創設を提案するとともに、国連の機能強化のため市民社会担当の事務次長ポスト新設などを訴えている》=共同=

 産経によればSGI結成記念日に毎年出されている提言だという。うかつなことに、いままでこの記事を見逃していた。これまでもこのようなもったいない記事が掲載されてきたのだろうか。

 新聞社には数百、数千本の原稿が届いているはずだ。この大作先生の貴重な提言を載せるには、どれかを外す必要がある。どの記事との取捨選択でこんな有難い記事が載ってしまったのか知りたいところである。

 毎日と共同はほかに比べて丁寧に書いている(文章はつたない)。聖教新聞や公明新聞の印刷でお世話になっている(共同の場合は加盟紙が)度合いが朝日、産経より高いということだろう。

 この記事を掲載するかどうか当日の整理部デスクが判断したとは思えない。普通の感覚があれば、こんな無内容なものはボツにする。しかし、現場にはその判断権限はなかった。ここがポイントである。新聞と創価学会のつながりは想像以上に深いと考えたほうがいい。

 学会系新聞の印刷と学会系出版社の書籍広告は右肩下がりの経営が続く新聞社にとって貴重なカネづるに違いない。だからといって、こんな提灯記事を掲載して恥ずかしくないのだろうか。掲載各紙は、なぜこの記事を載せたのか、きちんと説明すべきだろう。さもないと、いよいよ読者から見放されますよ。
コメント
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