酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

朝日告発記事と朝日広告不始末の関係は?

2009-01-09 05:21:37 | Weblog
 今朝の朝日新聞を見て驚いた。「障害者割引利用のDM 朝日広告が印刷受注」の見出しがついた長い記事が載っていたのだ。見出しだけでは何のことかよく分からない。不正の文字も見当たらない。

 「朝日読者なら分かる」という書き方である。朝日は昨年秋以来、身障者用のDM割引を悪用した手口が横行している、というキャンペーンを続けていたからだ。web上の朝日の記事は消えているので、当時の時事配信を引用する。 

 《東証2部上場の印刷・通販会社ウイルコ(石川県白山市)が、心身障害者団体の定期刊行物郵送に適用される割引制度に便乗し、約4年間にわたってダイレクトメール(DM)広告を格安で送付していたことが6日、分かった。
 
 障害者団体の定期刊行物については、日本郵便から「低料第3種郵便物」として認可を受けると、通常120円のところ最安で8円という格安料金で郵送できる。
 ウイルコはこの制度に便乗。2004年ごろから、神戸市や大阪府内の障害者3団体の定期刊行物に同社の通販事業のDMを同封し、顧客に郵送していた。
 大阪市内の広告会社から「法的な問題はない」と提案を受けたといい、広告料を支払っていた。

 日本郵便によると、07年度の割引制度の利用は約1億2000万通。1刊行物あたりでは年間約60万通に上る。利用には「8割以上が有償購読者」といった条件があるが、ウイルコの場合は送付した人のほとんどが同社の顧客で、障害者団体と関係がなかったという。

 ウイルコの話 コンプライアンス(法令順守)チェックを怠っていた。心身障害者団体や関係者に多大な迷惑を掛け心からおわびする。今後、不適切な「低料第三種郵便物」の利用は一切しない=時事2008・10・06=》

 その後も朝日は博報堂などの大手も同様の手を使ってDM印刷の受注などを行っている--などと報じている。毎日が追随したぐらいで、他紙はあまりこの件に熱心ではなかったように見受けられる。なぜだろう。深く考えもせず、年を越したらこの報道である。いよいよ分からなくなってきた。朝日を読んでも謎は深まるばかりだ。

 
 《障害者団体向けに郵送料が大幅に割り引かれている「低料第3種郵便物」制度が企業の顧客向けダイレクトメール(DM)広告の郵送に悪用されていた問題で、朝日広告社(東京)が08年10月、この制度を使ったDM17万通の広告印刷業務を受注していたことがわかった。同社は関係した社員の処分を検討している。

 取材に対する朝日広告の説明によると、08年10月初め、それまでに取引があったスポーツ関連品販売会社(大阪市)のDM発送にあたり、制度の対象となる定期刊行物の発行団体を紹介。その後、封筒や広告の印刷業務を受注して納品した。この取引で朝日広告は370万円を売り上げ、20万円の利益があったという。


 スポーツ関連品販売会社はこの時期、大手印刷・通販会社「ウイルコ」を通じてDM広告を出す予定だったが、朝日新聞の報道でウイルコが制度の利用を中止したためこの取引が成立した、と朝日広告は説明している。

 「低料第3種」は本来、障害者団体が発行する刊行物の8割以上が有料で購読されていることを前提にしている。このため、通常、1通80円はかかる封書の郵便料金が8円と格安になっているが、郵送先が有料の購読者でないなら悪用となる。

 この点について朝日広告は「広告主から定期刊行物の有償購読者と聞いている」としながらも、その確認はしなかったという。これに対し、定期刊行物の発行団体関係者は「郵送先は朝日広告側が用意した」としている。

 朝日広告は、朝日新聞が約3割の株を所有する関連会社。》

 《障害者団体向けに郵送料が割り引かれる「低料第3種郵便物」制度が企業のダイレクトメール(DM)広告の郵送に悪用されていた問題で、朝日新聞の関連会社「朝日広告社」(東京都中央区)が、この制度を使ったDM17万通の印刷を請け負っていたことが8日、わかった。

 同社は「不適切だった」として、関係した社員の処分を検討している。

 同社によると、昨年10月初旬、取引先である大阪市内のスポーツ用品販売会社から依頼を受け、割引制度を利用している福祉団体(文京区)を紹介。その後、大阪市の会社からDMに使う広告と封筒の印刷を370万円で受注したという。

 大阪市の会社は当初、印刷・通販会社「ウイルコ」(石川県白山市)に依頼する予定だったが、朝日新聞が制度の悪用問題を報道したことでウイルコから断られたため、朝日広告社に紹介を依頼したという》=読売web=。

 朝日と読売の記事を並べたが、分かりやすさは読売が数段上だ。朝日はわざと分かりにくく書いているとしか思えない。読売を読めば、朝日広告が福祉団体を紹介したことは一目瞭然だが、朝日ではその点があいまいになっている。ここは核心部分である。どちらが主導したかにかかわる部分だからだ。朝日広告が朝日新聞の関連会社だということを最後に書く神経も理解できない。


 要は、一連の朝日の報道でウイルコの仕事が朝日広告に回ってきた、ということである。いくら広告不況とはいえ、朝日広告のために朝日がキャンペーンを張ったとは思えない。朝日のキャンペーンといい、何か裏がありそうだが…。
コメント (1)
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