酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「田母神講演」やらせなさい

2009-06-30 05:34:45 | Weblog
 あの田母神俊雄センセイが「広島原爆の日」の8月6日に、広島市での講演を行う予定だという。演題は「ヒロシマの平和を疑う」だそうだ。わけの分からないタイトルではある。この企画に対して、広島市長が文書で日程変更を求めたらしい。「被爆者や遺族の悲しみを増す…」を理由に挙げている。


 《広島市の秋葉忠利市長は29日、田母神俊雄前航空幕僚長が8月6日の原爆の日に「ヒロシマの平和を疑う」の演題で予定している広島市での講演会は「被爆者や遺族の悲しみを増す結果になりかねない」として、日程の変更を文書で要請した。

 田母神氏の事務所と、講演会を主催する日本会議広島へファクスや郵送した。田母神氏の事務所は「主催者側から依頼がない限り、変更する予定はない」とコメントしている》=共同=。


 8月6日に田母神が何をしゃべるのか。存分に語らせて、その無内容さを広範にアピールした方がはるかに有益だ。「原爆投下の当日」「広島で」「田母神が」講演するというだけで意味がある。主催者の意図がそこにあるのは明らかだ。日程変更になど応じるわけがない。「秋葉市長による言論弾圧」と言い募るのは目に見えている。秋葉クンも思慮が足りない。

 核はいま最も論ずべきテーマだ。北の核武装に対抗して、日本も核を持てという声が高まっている。アメリカは、ほうっておくとまずいというので「力強い核の傘を提供し続ける」となだめるのに懸命である。

 在日米軍や日本に来航、飛来する艦船や航空機の核所持は黙認するとした密約が確かに存在したと元外務次官が実名で証言した。

 《日米両政府が1960年の安全保障条約改定時に、核兵器を搭載した艦船の寄港や領海通過を日本政府が黙認する密約を交わしたとされる問題で、1987年7月から89年8月まで外務次官を務めた村田良平氏(79)は29日、読売新聞の取材に対し「そういうたぐいの文書はあった」と述べ、密約の存在を認めた》=読売ONLINE=

 密約があろうがなかろうが、寄港する米空母などが核兵器を搭載していると考えるのは軍事の常識だろう。沖縄の嘉手納基地にも核兵器がおかれている可能性が高い。核戦略では、どこに、どれぐらいの核があるかは最大の秘密だ。相互確証破壊の下ではなおさらである。

 田母神サンには大いに弁じてもらえばいい。日米密約も語ってほしいところだが、こういうノー天気な人物は蚊帳の外だったんだろうな。
コメント
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