酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

「泳ぐのは選手だ」

2009-06-23 05:56:25 | Weblog
 世界記録として認められるかどうかが注目されていた入江のタイムは、公認されなかった。男子200背泳ぎは、日本記録が世界記録を上回る珍現象が確定することになる。

 《国際水泳連盟は22日、男子200メートル背泳ぎで入江陵介(19)=近大=が5月10日の日豪対抗(キャンベラ)でマークした1分52秒86のタイムについて、認可された水着を着用していなかったという理由で世界新記録に公認しなかったと発表した。

 入江はライアン・ロクテ(米国)が昨年の北京五輪で出した1分53秒94の世界記録を1秒08も上回った。しかし、3月に導入した水着の新規定に基づき審査した国際水連は、入江が着用したデサント社製水着は「空気をためる効果を発揮する構造をつくってはいけない」というルールに抵触するため認可しなかった。国際水連は3月から世界記録公認の条件に、認可水着の着用を追加し、入江の記録公認の結論を出していなかった。

 国際水連は22日、これより先に入江が着たデサント社製など、5月に認可せずに改良後に再提出された世界20社の計188タイプを認可したと発表した》=22日・共同=

 FINAが結論を出すまで1か月以上も掛かっている。水着の構造だけの話なら、もっと早く裁定が下されていたはずだ。デサントなどの改良型水着に対する認可を同じ日に出す必要もない。「直した方は認めてあげたから、あの速い水着と記録は諦めなさい」ということか。

 FINA御用達ともいえるスピード製水着の記録を上回らないようにという「気遣い」が透けて見える。以前にも書いたが、推進力と直接関係のない設計にごちゃごちゃいうのは極力避けるべきだ。オープンにするのがいい。途上国の選手などにはFINAが援助して最新モデルを提供すればいい。

 泳ぐのは選手である。ジャパンオープンでLRを着けた入江のタイムが世界記録に及ばなかったことにメディアが大きく反応していた。毎レース世界記録やそれに近いタイムをたたき出すなど、神様の領域だ。心技体ともベストな状態で、しかも環境も整っている。観衆の後押しもある。こういう条件がすべてそろって、世界新記録が生まれるのだ。

 「跳べば世界新」は1cm刻みの更新を旨としたブブカだけだ。こんなことが誰にでも当てはまることでないぐらい、常識で分かりそうなものだが…。
コメント
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