酔眼独語 

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村木局長は「被害者」か

2009-06-16 05:40:42 | Weblog
 障害者団体割引郵便不正事件に関与したとして厚生労働省の村木厚子雇用均等・児童家庭局長が逮捕された。障害保健福祉部の企画課長当時、資格のない団体に虚偽の証明書を発行したという容疑だ。

 《自称・障害者団体「凛(りん)の会」(現・白山会)を郵便割引制度の適用団体と認めた証明書を不正に発行したとして、大阪地検特捜部は14日、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長の村木厚子容疑者(53)を虚偽有印公文書作成・同行使の疑いで逮捕した。厚労省によると、同省局長が逮捕されるのは初めて。村木局長は容疑を否認し、「凛の会や証明書のことは知らない。私はこの件に関与していない」と述べているという》=朝日com=

 これまでの報道によると、村木は上司の部長から「証明書案件」を頼まれていたらしい。「あの先生のあれ、頼みますよ」というようなことだったのだろう。部内では「政治案件」と呼ばれていたという。

 村木はさほど重大なことと認識していなかった可能性が高い。「面倒くさいことはさっさと片付けよう」。こんな意識で係長に指示していたのではないか。公印を押した公文書が、これほど杜撰に作成されるとは驚きだ。

 逮捕容疑が公文書偽造ではなく、虚偽公文書作成であることは注意を要する。大阪地検は「文書は正当なものだが、記載内容は嘘だ。しかも、故意に作成された」というのだ。誰が、何の目的でこんな文書を作ったのか。最も疑わしいのは村木にこの案件をつないだとされる元障害保健福祉部長だ。なぜこの人物を飛び越えて村木が逮捕されたのか。朝日の以下の記事を見てもその疑問は解けない。

 《04年当時、厚労省の障害保健福祉部では、元部長や、部下の企画課長だった現在の雇用均等・児童家庭局の村木局長らが、福祉サービス利用者に原則1割の負担を求める障害者自立支援法の成立に向けての責任者として、与野党の国会議員や障害者団体との折衝を続けていたとされる。

 元部長の証言によると、元部長は04年2月ごろ、面識のある民主党幹部の国会議員から「障害者団体の認可の件でよろしく頼む」と電話を受け、村木局長らに「議員絡みだからうまく対応してほしい」と伝えたとされる。
 
 元部長は、有力議員の依頼に応じることで法案がスムーズに成立することに期待した、などと特捜部に説明しているとされるが、一方で「虚偽の証明書が発行されるとは思わなかった」とも話しているとされる》=朝日com=

 元部長は凛の会を障害者団体と認識していたことになる。部長が資格ありと判断する団体に証明書を発行する。所管課長として通常の事務をこなしただけのようにも思える。

 問題は厚生労働省の対応だ。割引郵便が悪用されていると民主党の牧が衆院経済産業委員会で取り上げたのは、昨年の5月だ。事務方の答えは「承知しておりません」だった。その後、何の対応もしてこなかったということなのか。

 この不正事件では石井一、牧ら複数の民主党国会議員の名前が取りざたされている。凛の会の倉沢は鳩山邦夫の秘書をしていたこともあるらしい。政局がどろどろ状態になり、鳩山は郵政を所管する大臣を降りた。このタイミングでの村木逮捕は、気になる。民主党を狙い打ちにせよ、などという指示が出ているとは思えないが…。
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