酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

哀れな警察官

2009-06-06 06:29:04 | Weblog
 何とも情けない事件である。愛媛県警の刑事が引ったくりをして、高校生に取り押さえられてしまった。

 《岡山県警岡山中央署は4日、岡山市内で財布をひったくったとして愛媛県警松山南署刑事1課盗犯係の巡査部長、野村尚史容疑者(29)=松山市北土居3=を窃盗容疑で現行犯逮捕した。

 逮捕容疑は、4日午後7時50分ごろ、岡山市中区森下町の路上を歩いていた無職女性(75)に背後から徒歩で近付き、女性が胸に抱えていた財布(現金1万740円、クレジットカード在中)を奪ったとしている。

 野村容疑者は逃げたが、自転車で帰宅途中だった私立関西高3年、伊井飛鳥君(17)と同1年の宝来隆太郎君(15)が、「どろぼう」という女性の悲鳴を聞いて自転車で約250メートル追跡、挟み撃ちにして取り押さえた》=毎日jp=。

 29歳の警察官なら二人の男を相手に立ち回り、これを制圧できなくては務まらない。柔道、剣道のいずれかを正式に学び、逮捕術などでも鍛えているは何のためだ。とっ捕まった男は、もともと警官に向いていなかったのかもしれない。

 なぜ、愛媛から岡山まで出掛けていって、引ったくりなのか。ここも分からない。「地元でやるのは、ちょっと」と怖気づいたのかもしれない。気が弱い男なんだろう。そうでなければ、追いかけてきた高校生ぐらい、気合で圧倒できるはずだ。悪事を働いたあとなので、余計に気が動転し、体も動かなかったということか。どこかを患っている疑いが濃厚だ。

 いずれ、岡山県警から高校生2人に感謝状が贈られるだろうが、警察も決まり悪いことだ。なにせ、高校生に「世も末だ」などと嘆かれるのだから。

 でも、警察の実態ってそんなものだろう。清く正しい警察など、映画やテレビの話だ。いまどきそんなことをぼやいても仕方ない。ところが、毎日新聞などは社説にまで取り上げて、「警察よしっかりしろ」と叱咤している。なんだかなあ。

 《警察官が、自ら罪を犯すとは言語道断だ。市民の信頼への裏切りだが、人並み以上に正義感や使命感に燃える若者が巡査を拝命していることに照らせば、警察組織に何らかの欠陥があるように思われてならない》=6日付け社説=

 中学生の作文ならまだしも、中年以上の新聞記者がこんな能天気な文章を書いていることに驚く。警察組織は数ある官僚組織の中でも極めつけの縦社会だ。「何らかの欠陥」どころの話ではない。組織そのものが欠陥なのだ。正義や使命という言葉を、何の定義もなく使っているのも度し難い。


 
 
コメント
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