酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

金賢姫面会の???

2009-03-12 05:16:29 | Weblog
 北朝鮮に拉致された田口八重子さんの家族が、田口さんから日本語などを教わった金賢姫と釜山で面会した。金とはあの大韓航空爆破事件の死刑囚(特赦で釈放)である。田口さんの子ども(拉致された当時1歳)が母の記憶につながる人に会いたがっていたことが面会を実現させた最大のモメンタムだという。

 面会そのものはいいムードで終始し、面会前後の会見などでは感動のシーンもあった。

 《【釜山11日共同】「こんなに大きくなったのね。抱いてもいいですか」「初めまして、耕一郎です」。手をつなぎ日本語で言葉を掛け合う。拉致被害者田口八重子さんの家族と金賢姫元北朝鮮工作員(47)の面会が11日、韓国・釜山の国際会議場で実現。金元工作員は田口さんの長男飯塚耕一郎さん(32)と抱き合って涙ぐみ、ハンカチで顔を覆った》


 金は拉致に関する北朝鮮の説明のいくつかを否定、田口さんや横田めぐみさんは「生きていると思う」と語った。これもかなり古い記憶に基づく発言なので、現在の状況とは違っているかもしれない。ただ、今の金が嘘をつく必要もなさそうなので、北にいた時点での話としてはそのまま受け止めてもいいのはないか。


 疑問なのは、なぜ今金が出てきたのかということだ。しかも、大韓機事件の被害者の前ではなく、日本の拉致被害者の前に、である。イ・ミョンバク大統領の意向を反映していると日本のメディアは伝えるが、その意向の裏側にあるのもが見えてこない。

 米韓合同軍事演習が行われている最中の面会だ。ミサイル発射も近いとされる。金を引っ張り出せば、北がさらにカリカリするのは間違いない。とすれば、これは挑発の一種なのか。

 面会の印象を聞かれた際のはしゃぎぶりからすると、政権浮揚に腐心する麻生が同病相哀れむイに頼み込んだのかもしれない。

 《麻生太郎首相は11日夜、北朝鮮による日本人拉致問題について首相官邸で記者団に「時間はない。年を取ってきた方もいるから問題の解決にすべてをかけてやる」と述べた。金賢姫(キム・ヒョンヒ)元死刑囚と拉致被害者家族との面会については「長年の思いを一つ達成されたということだと思う」と強調した》=日経NET=

 金は無職無収入と伝えられるが、身なりはきちんとしており、容貌の衰えもない。韓国政府が手厚く保護していると見ていいだろう。「抱いてもいいですか」などという言葉をさらっと吐ける演技力は、さすが元エリート工作員だ。この種の人物に多くを期待することはできない。

 日本の拉致被害者らは今回の面会を「一歩前進」と評価している。まったく進展がない中では、どんなアクションでも手掛かりには違いない。

 
コメント
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