酔眼独語 

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政府高官発言

2009-03-07 10:07:49 | Weblog
 西松建設による巨額献金疑惑が政界を揺るがしている。震源は5日に飛び出した政府高官の不用意な発言だ。

 《政府高官は5日、西松建設の違法献金事件について、首相官邸で記者団に「自民党側は立件できないと思う。特に(違法性の)認識の問題で出来ないだろう」と述べ、自民党議員に捜査は拡大しないとの認識を示した。民主党は小沢代表の公設第1秘書の逮捕を「不公正な国家権力の行使だ」と批判しており、政府高官が捜査の見通しに言及したことは、波紋を広げる可能性もある。高官は同夜、「(議員側に)西松建設から献金を受けた認識があるという傍証がない限り(立件は)難しいという意味だった」と釈明した》=朝日com=。

 なんとも無邪気な発言である。こんなことを言われたら、検察は自民党に手を伸ばさざるを得ないだろう。二階、森らの関係者から聴取するのは確実だ。

 ところで、この政府高官とは誰か。メディアの世界ではこの人物は官房長官を指すとされているが、河村は「私ではない」と否定している。朝日の続報によれば警察庁出身の漆間巌官房副長官らしい。官邸の運営をギクシャクさせている張本人とされる人物だ。自民党へのリップサービスのつもりが、墓穴を掘った格好だ。警察庁長官も務めた司法官僚の発言だけに、尾を引くのは間違いない。


 《西松建設の違法献金事件で「自民党側は立件できない」と発言した政府高官は6日夜、改めて記者団の取材に応じ、「一般論として、違法性の認識の立証がいかに難しいかという話をした。『自民党側に捜査が及ばない』とは言っていない」と発言を否定した。一方、民主党はこの政府高官を元警察庁長官で官僚トップの漆間(うるま)巌官房副長官とみて、週明けの国会で追及する。

 政府高官は記者団に「記者の皆さんのとらえ方で、私の本意ではない」と釈明。「捜査は検察が決めることで、私は情報が入る立場ではない」と捜査情報を踏まえた発言でないことも強調した。朝日新聞はこの高官に身分を公表するよう求めたが拒まれた》=朝日com=


 参照文の最後のくだりが泣かせる。「公表するよう求めたが拒まれた」。後生大事にオフレコを維持している場合か。オンとオフは事の重大性によって切り替えるべきだろう。拒まれたから公表しないという朝日の姿勢は、おかしい。記事の前後で漆間と匂わせておいて、朝日は本人を特定していませんというような態度は卑怯である。

 それにしても「国策捜査などはない」などと口をそろえる自民党議員のナイーブな国家観には「寒心」する。権力の本質について無知なのか、とぼけているのか。こういう国がまともな外交などできるわけがない。

 

 
コメント
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