酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

父親刺殺は寝ボケが原因?

2008-07-27 05:43:25 | Weblog
 20日に起きた川口市の中3女子による父親刺殺事件の捜査が迷走している。発生から1週間たつのに、動機らしい動機がつかめていない。

 父親と仲が悪かったとの報道もあったが、決定的なものではない。当夜も別段変わった点はなかったとされる。

 期末試験の成績が悪く、追試を受けることを親に内緒にしていた。追試は無断欠席した。学校からの問い合わせには、少女が弟のふりをして対応した疑いがある。追試を受ける羽目になり、かつこれを無断欠席した。これが親にばれたらどうしよう。焦る気持ちは分かる。でも、それが殺人の動機になるのか。

 気になる記事を共同?が伝えている。

 《専門家の中には寝ぼけ症状の一種「覚せい障害」と指摘する声もある。
 「お父さんが家族を殺す夢を見たので包丁で刺した。その後のことは覚えていない。

 
 長女のこの供述に注目するのは睡眠障害に詳しい熊本大発生医学研究センターの粂和彦准教授。「怖い夢を現実と勘違いし、混乱したまま刺してしまった。確定的な殺意などないのでは」との見解だ。


 埼玉県警少年課捜査幹部は「長女の夢に関する供述には嘘があるかもしれない」と懐疑的だ。》


 なかなか面白い分析だと思う。しかし、こうした指摘があることを伝えているメディアはほかに見当たらない。


 夢に関する報道は事件後まもなく登場している。


 毎日新聞は21日付けで次のように報じた。


 《母親は「(寝るまでは)長女に特に変わった様子はなかった」と証言。長女も「母親が寝た後も、父親とは特にトラブルはなかった」と供述している。一方で長女は事件直後、駆け付けた武南署員に「お父さんが家族を殺す夢を見た」などと、混乱した様子で話したという。》


 事件直後の混乱した頭で、とっさに出てきた一言が「お父さんが家族を殺す夢を見た」である。メディアがこれに注目しないのは不自然だ。


 寝ぼけていて=覚せい障害で=父親を刺したとなると、責任能力はないことになる。当然、殺人罪や傷害致死罪は問えない。この事件に絡んでは怪奇アニメなどの影響も伝えられている。このあたりが焦点になると、立件や公判の維持が難しくなる。今後、同種の事件が起きたときの捜査にも影響を及ぼす。


 こうした警察サイドの事情に配慮して、「夢問題」が棚上げにされているような気がする。ネットでこの事件を検索しても、25日配信の件の記事が引っかからない。共同?が引っ込めてしまった可能性もある。


 続発する「動機不可解」な事件で、寝ぼけ症状はなかったのかどうか。統合失調症などとも絡み、大きな問題になるかもしれない。
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