酔眼独語 

時事問題を中心に、政治、経済、文化、スポーツ、環境問題など今日的なテーマについて語る。
 

検察とNOVAと船場吉兆

2008-07-31 04:07:40 | Weblog
 外国人講師ら400人分の賃金1億円を払わず、労基法違反容疑で送検されていたNOVAの猿橋望元社長が不起訴処分となった。


 《地検の調べで、猿橋元社長は経営状態が悪化して資金繰りに行き詰まる中で、約20億円の私財を会社に投入したことが判明。「不払いになるまでは、それらを給与の支払いにもあてた」と供述した。このため、地検は「故意に支払わなかったとはいえない」として刑事責任を問うのは困難と判断した》=朝日。

 労基法24条が故意かどうかを問題にしているとは知らなかった。金策に走ろうが、個人の金を一部立て替えようが、被使用者に賃金を払わなければ賃金不払いになると思っていたのだが…。


 猿橋元社長は別に業務上横領容疑で立件されている。こちらの方が罰則が重いのでそれでOK、という判断なのだろうか。大阪地検は容疑者の事情を斟酌する、人情味ある役所なのですね。


 そういえば、あの腹話術女将の「船場吉兆」も略式起訴になるそうだ。


 あれだけ騒いだが、容疑は九州産牛を「但馬牛」などと偽った不正競争防止法違反だけ。

 《大阪地検は(湯木)元社長らが容疑を認め、廃業で社会的制裁も受けていることなどから、正式裁判を起こすほどの悪質さはないと判断したとみられる》=朝日。


 さすが大阪地検やなあ。田中森一元検事の顔が浮かんでくる。「何でもかんでも裁判して、厳罰を食らわせればいいというもんじゃない」と寛大な処分をして、つながりをつくる。これも信頼される検察の大事な仕事です。


 というわけで、社会的制裁というかマスメディアが、悪徳商法をたたきまくるのは「法の執行の一部」と認定されたようだ。これも困ったものだ。昨今のマスコミは、事の大小を判断できない。


 居酒屋タクシーも防衛利権の秋山某も同じレベルで扱っている。小悪と巨悪を峻別することこそ責務のはずだが…。


 確かに船場吉兆などは巨悪とはいえない。でもNOVAはどうだろう。駅前の一等地に教室を構えるのに、政治力や恐い人を使わなかったか。政治家とのつながりはどうか。中悪ランクが相当だろう。


 山口県内の食品偽装では、安倍晋三との関係が取りざたされる業者が問題になっている。こうしたところから食いついて暗部をえぐるのが検察の真骨頂だ。温情ばかりでなく、厳しい顔も見たいものだ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする