おにぎり2個の里みち歩き 農山漁村の今昔物語

おにぎりを2個持って農村・山村・漁村を歩き、撮り、聞き、調べて紹介。身辺事象もとりあげます。写真・文章等の無断転載禁止

ご先祖のコシカケと盆の行事

2016年08月19日 00時00分00秒 | 民俗

写真1 ご先祖のコシカケ(仏様の腰掛け)



写真2 コシカケ(写真1と同一。)はカイドウの入口に供える



写真3 コシカケは墓にも供える


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 2016年08月16日、埼玉県吉川市の深井新田及び平方新田を歩く
 両集落は江戸川右岸域、旧太日川自然堤防上に立地(弊ブログ2015年02月18日
 お盆三が日、両集落を貫通する堤防天端の細道は「仏の腰掛け道」の様相(弊ブログ2015年08月17日
 この盆景を撮るために、台風に伴う雨のなかを歩く
 本年も昨年と同じくホトケサマのコシカケ(仏様の腰掛け)や精霊馬が並ぶ

 帰途、Tさん(92歳・吉川市K地区の郷土史家)にコシカケなどK地区の盆行事を20分ほど伺う
 次のよう
 <08月12日>
 1)ハカナギ 墓石を洗い、コシカケ、花立て、線香立てを供える(写真3)
   12日の、いつでもよい
 2)コシカケを供える
   カイドウ(久喜市域ではケード:弊ブログ2015年01月22日)の入口に供える(写真1・写真2)
   花立て、線香立てといっしょに
   ホトケサマのお膳にもなる
   コシカケの近くにホトケサマの好物は供えない
 3)ナスの馬・精霊馬
   ナスやキュウリの馬は、ショウリョウダナ(精霊棚)に供えたまま
   コシカケの脇には供えない(深井新田・平方新田と違う)

 <08月13日>
 1)午前
   ホトケサマを迎えに墓地へ行く
   蝋燭を立てた提灯を持参
   墓の前で提灯の蝋燭に火を点けて帰宅
   その火を精霊棚の蝋燭に移す
 2)夕方
   菩提寺のお坊さんがタナギョウをあげに来る
 
 <08月14日>
 1)シンセキマワリ(親戚回り)
   線香上げに親戚を回る
   そのため、親戚は互いに忙しい
   イエ(「家」)の代表が行く
   子供の頃、お供えのウドン(購入品)を5把持参して親戚回り
   今、派手になってオカネ5千円あるいは1万円を供える
 2)昼、茹素麺を精霊棚に供える
 
 <08月15日>
 1)永福寺(エイフクジ・杉戸町高野)のお施餓鬼
   ホトケサマは永福寺に行くので精霊棚にはいない、と年寄りが言っていた
 2)シンボン・新盆の「家」
 (1)08月01日、トウロウタテ(灯籠立て)
   かつて、杉丸太3本を組み、シメナワ・注連縄を張り、灯籠を吊るした
   杉の葉をシメナワの両脇(杉丸太に繋げた箇所)と天辺につける
   夕方、灯籠の蝋燭に火を点ける
   
   現在、トウロウタテはほとんどやらない
   仏具店で無地の白い大きな提灯を買い、夕方から中の電灯を点ける
 (2)08月23日、永福寺の「どじょう施餓鬼」に行く
   タカノノセガキ(高野の施餓鬼)とも云う
   永福寺でドジョウをいただき、当寺の池に放つ
   塔婆をいただいて帰宅
   普通の半分くらい、3尺くらいの塔婆
   今は行かない
 3)夕方、暗くなってから、ホトケサマを墓へ送って行く
   提灯の蝋燭に精霊棚の火を移して行く
   その蝋燭を墓に立て供える

 <08月16日>
 1)イドナギ・井戸浚い
   各戸で井戸を浚い、綺麗にした
   終えたら、お膳に塩とお神酒を載せて井戸に供えた
   井戸水は、そのまま飲んだ。シュロ(棕櫚)と砂で濾さなかった

 執筆・撮影者:有馬洋太郎 撮影日:2015年08月16日 撮影地:埼玉県吉川市K地区
コメント
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