ホワイトシェパード・アリエスの日々 ≪一雲日記≫

いつまでもどこまでも一緒に歩こう!

優しい子

2010-07-25 | 2~3歳



 私にあちこちつき合わされている上、梅雨が明けていきなりの酷暑でくたびれているのか、アリエスは鼻水を垂らしてお腹もゆるい。体調のくずし始めは体のキレですぐ分かる。毎日一度は思う存分走らせることにしているが、そのダッシュの出足がほんの少し鈍る。いつもならいきなりサードギアに入ったようなスタートが、セカンドくらいに落ちるのだ。それからくしゃみをしたり、食欲が落ちたり、下痢したりといった症状が出てくる。

 夏の夜は通常、冷たいタイルの玄関に陣取って寝るが、今年は昼の熱気が室内から去らず、モワッとしている。そこで冬と同じように、除湿をかけて2階で寝かせている。今お腹がゆるい彼は、夜中にもトイレに行きたくなる。そんな時。ヘコヘコとしながらも黙ってドアに前に座っている。

 彼は余程のことがない限り、寝入っている私を起こすことはしない。ひたすら我慢だ。基本的には、アリエスが水を飲んだり寝る位置を変えたりするより長く起き出すと、息遣いで私も目が覚めるので、長く待たせることはないはずだ。でも、体調不良なら1秒でも早く解決したいことだってあるだろう。トイレはその最たる例だ。私が起きていると分かっている場合は、彼はフンフンと控えめに声をかけてきて、開けてやると「ありがとね!」とばかりに耳をビュッと倒して笑顔を作り、急いで階下へ降りる。しかし眠っているかもしれないという時は、そっとこちらをうかがって、そっと戸口前へ移動し、そっと耐えて待つ。どこまで優しいのだ、おまえは。母ちゃんを叩き起こせばいいのだよ。一緒に庭へ出れば、急な便意をどんなに我慢したかが分かるから、いじらしくてグッとくる。

 ものすごく空腹で、一気にごはんを食べている時も、隣にしゃがんで見ていると少し場所を譲り、「母ちゃんも食べなよー」とばかりに顔をペロペロする。おやつをもらっているところへ割り込んで横取りしても、ニコニコとこちらを見ている。「これおいしいねぇ」と言わんばかりだ。

 数え上げればきりがない。こんなに優しい子に育ってくれたのだなと、本当にありがたく思う。先日の留守番で、アリ男も同じような感慨を語っていた。毎日を控え目に送ってゆく彼に、なんだか人生の過ごし方を教わるような気がしてしまう。
 

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