今日の考え事〈applemint1104〉

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NHKスペシャル「老衰死」の感想

2015-09-22 23:40:26 | テレビ

とても重いテーマで、何とも言えない迫力がありました。
明確な問いとそれに対する答えが出されていて、分かりやすかったです。

取材班は世田谷にある特別養護老人ホームで半年間取材をしています。
平均年齢90歳、認知症や持病を持った人がこのホームに百人入っています。
無理に延命せずに自然に任せるという方針の下でやってきて、ここの医師は200人を見送ったといいます。

老衰死というのは、病気によってではなく、老いによって亡くなる死に方だそう。
日本では年々老衰死が増えてきて、去年は今までで一番多く7万人だったそうです。

死が近づくと、それまでにない変化が起こります。
死の一週間前くらい前から食べられなくなるのだそうです。
そういえば、去年親戚の人を見舞った時に、(80代でした)「変ね、何だか急に何も食べられなくなったのよ」と話していました。
それから一週間くらいしてその人は亡くなりました。

老人の摂取カロリーと体重を調査した結果によると、亡くなる前のある期間から、栄養を摂っているのに、体重が減って来るそうです。
体重の維持が出来ない、つまり生命の維持も難しくなっているということ。
老化して細胞が減り、臓器が萎縮して栄養を取れなくなっている。
それは老いが死に向かう自然な現象なのだそうです。

TVでは何人かの死にゆく人を追っていました。
やせ衰えて、食事も水分も喉を通らない。一日の大半を眠って過ごす老人。
親族が集まり、話しかける。昔の若い頃の写真が出ます。
美しかった若い頃。そして、段々呼吸が荒くなります。これは最後を迎える時の特徴らしいです。
カメラは荒い息を映し、最期の時は遠くから頭の動きが止まった所を捉えていました。

立ち会った息子さん達は「最高の死に方でした。幸せな最期でした」と語ります。
ある息子さんは、最期の時に母親が苦しんでいないか、痛みはないのか、を気にしておられました。
外国の研究者によるとそれはなく、最後の数日間は痛みもなく穏やかに亡くなると言っていました。

欧米では「終末期ケア」の研究がかなり進んでいるそうです。
外国のホームの様子も映りましたが、どこの国も同じだなと思いました。

老人の死にゆく姿というのが、見慣れていないだけにどうも受け付けず、
音楽もそれに拍車をかけていて、とにかく怖いというか、恐ろしかったです。
過去の人生にいいことも楽しい事もあったというのを承知している家族ならともかく、いきなりこういう場面だけ見るのは、正直きついです。
日曜日の夜にこういう番組は…。でも見ておいて損はなかったはずです。

老衰というのが細胞の穏やかな死であって、それは自分の生を閉じる自然なものだと頭では分かりました。

死を意識するということは、今のこの時間を意識することです。
この時間を有意義に使わないと、穏やかな死もないのでしょう。
しかし、最後の最後まで生きることは、家族には迷惑ではないのかとちょっと考えてしまいました。


 



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