日々是好舌

青柳新太郎のブログです。
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我輩は 糖尿病の 患者です

2012年12月07日 10時09分28秒 | 日記
若いころからの暴飲暴食がたたって糖尿病を発病したのが丁度40歳のころである。

最初に気づいたのは会社の健康診断で血液検査をしたときに、医師からガンの疑いがあるからと言われた。ガンときけば当然が~~~んとショックを受けた。

しかし、健康診断を受けた診療所の医師の説明はきわめて曖昧でとても納得できるものではなかった。そこで、県立病院で改めて検査を受けた。結果はガンなどではなくて糖尿病だということになった。ガンよりはいくらかマシだが糖尿病もけっして簡単に直る病気ではないことは、祖母が同じ病気であったから解っていた。

さて、糖尿病患者になってからは県立病院へ毎月通って診察をうけると同時に血糖降下剤の処方をうけて治療に専念した。当時の主治医は若い医師であったが医師としての指導は適切であったと思っている。そのころ私は土建業界で営業つまり談合を担当していたのであるが、同じ営業仲間の今田氏(仮名)と平野氏(仮名)も同じ医師の患者だった。

今田・平野両氏は普段からつるんで行動していることが多く、飲み友達でもあったから糖尿病で県立病院へ入院するのも一緒にした。病院の食事ではとても我慢ができないからといって、コンビニで買ったツマミと缶ビールを密かに持ち込んで病院の屋上で酒盛りをしたりしていた。案の定とでも言おうか、今田氏は程なく就寝中に突然死してしまった。これはまったくの余談だが、夫を失った今田氏の未亡人は亡夫の葬儀そのほかのことを元彼に相談したというから死んだ今田氏も浮かばれないだろう。

残った平野氏も数年後には後を追うように冥途へ旅立った。私は医師の言いつけを守って血糖値も比較的安定していたのであるが、あるとき定期健診に行くと、医師ではなくて中年の看護婦がえらい剣幕で”秋山さん。アンタ昨夜お酒を飲んだでしょう”という。いえいえお酒なんてとんでもない一滴たりとも飲んではいませんと答えると、”嘘をいってもだめ。こんなに血糖値が高いんだから”と、畳み掛けてきた。

そこで私が切れた。”何で、てめェに嘘を吐かなきゃならないんだ。看護婦風情が医者以上の能書き垂れるんじゃねェ。この婆ァ”と悪たれた。若い医者は突然豹変した私を見て驚いた様子だったが、”秋山さん。昨夜は何を食べましたか”と訊くから、昨夜は肉じゃがを食べましたと答えたら”なるほどね、それで解りました。ジャガイモは澱粉の多い食べ物ですから、それで血糖値が上がったんでしょう”ということだった。”それ見ろ。酒ばっかりが原因じゃないじゃァないか”と今度は私のほうから看護婦に言い返してやった。

そんな気まずい場面があってから、暫くの期間、病院へ通うのを中断してしまったのが結果的にいけなかったのである。

次に別の総合病院で診断を受けたときは糖尿病はかなり進行していてインスリン注射をしたほうがよいということになり、今度は私が入院する羽目になった。その病院でも隠れて買い食いをしている患者がいた。私は医者の言いつけを守って正しい食生活を続けた。

発病以来25年、インスリン注射をするようになってから15年ほど経つ。入院した当時の主治医が自宅から車で15分ほどのところへ開業してから11年目になる。開業当時からいた美人看護婦も昨年辞めて、変わらないのは主治医の先生だけである。

写真は私の朝飯である。米飯100グラムに京都鞍馬の名物”ちりめん山椒”、若布と麩の味噌汁、讃岐名産の蕪の漬物、ウインナーソーセージが3本・・・正確にカロリー計算をしているわけではないが、これで太らない程度の食餌になっていると思う。

糖尿病との闘いは私が棺桶に納まるまで続くのである。
コメント (2)
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