建設会社の業務担当といえば少しは聞き前がよいが露骨にいえば談合屋です。
28歳のときから48歳まで20年ほどやりました。
現在、63歳ですから15年前に足を洗いました。と、いうわけでこの間に海外へ渡航していた期間はわずかですから談合罪などは全て時効です。
以前にも談合のことに触れましたが20年間の間に談合金の授受に関して危ない場面が二度ありました。
一度目は海岸の波消ブロックの製作工事に関して談合金をもらったときでした。
工事は5工区に分割して発注されたために全ての工区について多かれ少なかれ談合が行われていたのですが、私が参加した工区では立件されませんでした。
別の工区では入札参加企業の担当者が全員逮捕されて送検起訴されました。
私も次は自分の番だなと半ば観念していましたが遂に司直の手は届きませんでした。
この違いは何だったのでしょうか。
後日談として巷間ささやかれた理由はこうです。
逮捕された連中は仲間で繁華街の風俗店やクラブやバーで豪遊したそうです。川崎あたりの歓楽街まで繰り出して風俗店を梯子したってことも聞きました。
そういう店には必ずといってよいほど警察の犬がいるんです。警察犬ではありません。情報提供者つまりスパイです。
私は談合金といえども会社の収益ですから会社へ入金して売り上げに計上しました。ですから談合に対する罪の意識はありましたが金銭的な後ろめたさは一切ありませんでした。
もう一度は私個人に対する談合金授受の嫌疑です。
同業A社から私に対して30万円の談合金が支払われたという噂が広まったのです。当然、私の会社の社長の耳にも達しましたから私は社長から厳しく糾弾されました。
実は少し前にA社長が会社を訪れて受注のお礼にといって封筒を差し出したのを社長は受け取らなかったというんです。だからお前のところへ渡したんだろうという推量です。
そこで私は社長に対してその話はいったい誰から聞いたのかを逆に質しました。
すると社長は同業者のS社長から聞いたと答えました。私に談合金を支払ったとされたA社の工事部長とは普段から懇意にしていたので二人でS社へ出向き何を根拠で出鱈目をいうのかS社長を糾弾しました。するとS社長はB社の営業担当者から聞いたとあっさり白状しました。
そこで今度はB社へ怒鳴り込んでいって、担当者を羽交い絞めにして二人がかりで取り押さえて詰問しました。
すると意外なことに噂の発信元はA社の女子事務員だったんです。
そこで二人でA社へ引き返し経理担当の女子事務員を厳しく詰問しました。すると女子事務員は間違いなく30万円の現金を私に渡す目的でA社長に渡したっていうんです。
私がそのお金はウチの社長が受け取らずに突き返したっていうと、女子事務員は自分のところへも戻っていないのでてっきり渡したものだとばかり思っていたというんです。そこで今度はA社長に確かめるとやっぱりA社長が着服していたんです。
そこまで確かめてから会社へ戻り事の顛末を社長に報告しました。
社長は己の不明を恥じて詫びてくれましたが私の腸は煮えくり返ったままでした。
その後、私はA社長のことを一切信用できなくなり談合は何度も決裂しました。
しばらくするとA社が白旗を掲げて降参してきました。実力者を介して仲直りの手打ちをして欲しいと言ってきたのです。
そこで市内の高級料亭で手打ち式を行うことになったんですが、その費用のことで又も悶着があったんです。つまり、相手は手打ち式の費用を折半にして欲しいっていうんです。
馬鹿野郎っ。泣きを入れてきたのは手めえっちの方だろう。俺に呉れる積もりだった30万円ありゃァお釣りがくらァ。私がそう啖呵をきったのは言うまでもありません。
さて、この談合金の話ですが下の小沢さんの話に当てはめるとどうなるでしょうか。
水谷建設の経理は小沢事務所へ渡すという名目で間違いなく5000万円を出金処理している。
水谷建設役員はどこかのホテルのロビーで小沢氏の秘書だった石川元秘書に紙袋を手渡している。そこに居合わせた第三者の目撃証言もある。ただし目撃者は紙袋の中身まで確認したわけではない。しかし肝心な小沢氏は5000万円どころか鐚一文も受け取っていないという。
小沢氏が本当に受け取っていないとするならば、私の経験に基づいて推理すれば、水谷建設の役員が大半を着服しておいて、石川元秘書には菓子折りと僅かなお金が入った紙袋を渡したか、または石川元秘書が受け取った5000万円全額を着服したかのどちらかということになるのだが果たして真相はどうなんでしょうか。
28歳のときから48歳まで20年ほどやりました。
現在、63歳ですから15年前に足を洗いました。と、いうわけでこの間に海外へ渡航していた期間はわずかですから談合罪などは全て時効です。
以前にも談合のことに触れましたが20年間の間に談合金の授受に関して危ない場面が二度ありました。
一度目は海岸の波消ブロックの製作工事に関して談合金をもらったときでした。
工事は5工区に分割して発注されたために全ての工区について多かれ少なかれ談合が行われていたのですが、私が参加した工区では立件されませんでした。
別の工区では入札参加企業の担当者が全員逮捕されて送検起訴されました。
私も次は自分の番だなと半ば観念していましたが遂に司直の手は届きませんでした。
この違いは何だったのでしょうか。
後日談として巷間ささやかれた理由はこうです。
逮捕された連中は仲間で繁華街の風俗店やクラブやバーで豪遊したそうです。川崎あたりの歓楽街まで繰り出して風俗店を梯子したってことも聞きました。
そういう店には必ずといってよいほど警察の犬がいるんです。警察犬ではありません。情報提供者つまりスパイです。
私は談合金といえども会社の収益ですから会社へ入金して売り上げに計上しました。ですから談合に対する罪の意識はありましたが金銭的な後ろめたさは一切ありませんでした。
もう一度は私個人に対する談合金授受の嫌疑です。
同業A社から私に対して30万円の談合金が支払われたという噂が広まったのです。当然、私の会社の社長の耳にも達しましたから私は社長から厳しく糾弾されました。
実は少し前にA社長が会社を訪れて受注のお礼にといって封筒を差し出したのを社長は受け取らなかったというんです。だからお前のところへ渡したんだろうという推量です。
そこで私は社長に対してその話はいったい誰から聞いたのかを逆に質しました。
すると社長は同業者のS社長から聞いたと答えました。私に談合金を支払ったとされたA社の工事部長とは普段から懇意にしていたので二人でS社へ出向き何を根拠で出鱈目をいうのかS社長を糾弾しました。するとS社長はB社の営業担当者から聞いたとあっさり白状しました。
そこで今度はB社へ怒鳴り込んでいって、担当者を羽交い絞めにして二人がかりで取り押さえて詰問しました。
すると意外なことに噂の発信元はA社の女子事務員だったんです。
そこで二人でA社へ引き返し経理担当の女子事務員を厳しく詰問しました。すると女子事務員は間違いなく30万円の現金を私に渡す目的でA社長に渡したっていうんです。
私がそのお金はウチの社長が受け取らずに突き返したっていうと、女子事務員は自分のところへも戻っていないのでてっきり渡したものだとばかり思っていたというんです。そこで今度はA社長に確かめるとやっぱりA社長が着服していたんです。
そこまで確かめてから会社へ戻り事の顛末を社長に報告しました。
社長は己の不明を恥じて詫びてくれましたが私の腸は煮えくり返ったままでした。
その後、私はA社長のことを一切信用できなくなり談合は何度も決裂しました。
しばらくするとA社が白旗を掲げて降参してきました。実力者を介して仲直りの手打ちをして欲しいと言ってきたのです。
そこで市内の高級料亭で手打ち式を行うことになったんですが、その費用のことで又も悶着があったんです。つまり、相手は手打ち式の費用を折半にして欲しいっていうんです。
馬鹿野郎っ。泣きを入れてきたのは手めえっちの方だろう。俺に呉れる積もりだった30万円ありゃァお釣りがくらァ。私がそう啖呵をきったのは言うまでもありません。
さて、この談合金の話ですが下の小沢さんの話に当てはめるとどうなるでしょうか。
水谷建設の経理は小沢事務所へ渡すという名目で間違いなく5000万円を出金処理している。
水谷建設役員はどこかのホテルのロビーで小沢氏の秘書だった石川元秘書に紙袋を手渡している。そこに居合わせた第三者の目撃証言もある。ただし目撃者は紙袋の中身まで確認したわけではない。しかし肝心な小沢氏は5000万円どころか鐚一文も受け取っていないという。
小沢氏が本当に受け取っていないとするならば、私の経験に基づいて推理すれば、水谷建設の役員が大半を着服しておいて、石川元秘書には菓子折りと僅かなお金が入った紙袋を渡したか、または石川元秘書が受け取った5000万円全額を着服したかのどちらかということになるのだが果たして真相はどうなんでしょうか。