杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ダンケルク

2018年02月26日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年9月9日公開 アメリカ 106分

1940年5月26日から6月4日。イギリス、ベルギー、カナダ、フランスの連合軍は、フランスのダンケルク海岸でドイツ軍に包囲され、ダイナモ作戦による撤退を余儀なくされていた。英国陸軍兵士のトミー二等兵(フィオン・ホワイトヘッド)は、ダンケルクの街で、自身の分隊がドイツ軍の銃撃で全滅し武器も失った状態で一人、撤退作戦中のダンケルクの砂浜にやってくる。彼は友軍の兵士を砂浜に埋葬していた、ギブソン(アナイリン・バーナード)という無口な兵士と偶然出会い、行動を共にすることになる。一方、ダイナモ作戦による民間船徴用で、自身の小型船の徴用命令を国より受けたドーソン(マーク・ライランス)は、息子のピーター(トム・グリン=カーニー)と、ピーターの知り合いであるジョージ(バリー・コーガン)と共に、英国兵士たちを母国に運ぶため、ダンケルクに向けて出港する。英国空軍のパイロットのファリア(トム・ハーディ)とコリンズ(ジャック・ローデン)らの小隊は、ダンケルクでの撤退行動を阻害するドイツ空軍への阻止攻撃に赴く。トミー達は、ドイツ軍の攻撃にさらされ、幾度となく乗っている船を撃沈されながらも、母国に帰るべくわずかな数の救助船に乗ろうと奮闘する。(ウィキより)

 

クリストファー・ノーラン監督が、実話をもとに、史上最大の救出作戦と言われる「ダイナモ作戦」が展開された、第2次世界大戦のダンケルクの戦いを描いた戦争映画です。戦争ものですから面白さを期待してはいけないのですが、それにしてもひたすら敵の空襲を受けながら逃げ惑う姿が延々続くとなぁ・・・。

トミーたちが敵から逃げ救援を待つ『陸』の一週間、ドーソンたちが民間船として救援に向かう『海』の一日、陸の兵士に襲い来るドイツ軍の戦闘機を迎撃するファリアら『空』の一時間の三幕を時間を並行させながら進行していきますが、週・日・時間ですから並行するうちいつがいつだがわからなくなってきました

イギリス主導の作戦ですからまずは同国人兵士が優先乗船。自分の隊が全滅したトミーは海岸で出会った無口な兵士と共に何とか乗船しようと必死です。やっと乗船できてもすぐに敵の戦闘機に沈められ、また別の船を見つけ、それもまた攻撃され・・その必死さはまさに生に対する執念です。

無口な兵士の正体がフランス兵だったとわかり追い出されそうになった彼を庇うトミー。誰もが自分だけは助かりたい中、トミーにとっては隊をはぐれた孤独を抱える同胞に思えたのかな。

防波堤で撤退作戦の指揮を執るボルトン海軍中佐(ケネス・ブラナー)とウィナント陸軍大佐(ジェームズ・ダーシー)の威厳ある姿と将兵たちの必死な様が対照的でした。

コリンズたちが自らを危険に晒しながらも敵機を撃ち落としていく様は陸からはまさにヒーローに見えたでしょう。仲間が次々散っていく中、最後に残ったコリンズも燃料が尽きて海岸に不時着し敵に捕まるところでエンドロール。彼は捕虜になったのか?

民間船を操り救助に向かったドーソンたちは、救助した英国兵(キリアン・マーフィー)が錯乱状態になりジョージが負傷(その後死亡)します。最終的には大勢の兵士を救助して帰るのですが、ジョージの死は、後に表彰という形で昇華されます。そうだよね、じゃなきゃ無駄死にだものね。

民間レベルまで駆り出しての救助活動は成果を上げますが、それを讃える政治家たちと生還した兵士たちの間には温度差が。戦争とはいつだって名の無き者たちの犠牲の上に成り立つことを監督は伝えたかったのかなぁ?

個人的には劇場鑑賞しなくて正解!な作品でした。


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