杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

ジーサンズ はじめての強盗

2018年02月04日 | 映画(DVD・ビデオ・TV)

2017年6月24日公開 アメリカ 96分

ウィリー(モーガン・フリーマン)、ジョー(マイケル・ケイン)、アル(アラン・アーキン)の3人は平和な老後生活を送っていたが、40年以上勤めていた会社の合併によって大きく変わってしまう。突然の年金打ち切りで会社から見放され、銀行からも冷たくあしらわれてしまった彼らは、今までの生活を取り戻し、家族と幸せに暮らすため、まさかの銀行強盗という命がけの大勝負を決意する。(映画.comより)


「お達者コメディ シルバー・ギャング」(1979)のリメイク作品。平穏な余生を取り戻すために銀行強盗を企てる老人3人組の犯罪コメディですが、年金問題や定年延長など考えると笑った後に何だか背中が寒くなります

住宅ローンが焦げ付いたジョーが銀行の窓口にやってくるところから始まります。デザイン重視の椅子は立ち上がるのも一苦労だし、甘い言葉で融資話を持ち掛けた担当は掌返し。(この光景、今の日本でも他人事じゃないかも)ところが突然押し入ってきた銀行強盗が鮮やかに大金を奪って消えます。ジョーが目撃した犯人の一人のド派手なタトゥーは大きな手掛かりの筈ですが、犯人は捕まらないんですね (犯人がジョーが差し出した財布を受け取らず「年寄りを敬うのは社会の義務だ」と言いますが、このセリフが伏線になっていました

そんな事件があってもローンは待ったなし!さらに悪いことに勤めていた会社の年金が合併により打ち切られてしまうことに。(そんなバカな!!・・と思いつつも日本の年金制度だって盤石じゃないし、ありえない話じゃない)住宅差し押さえの赤紙が届いてさすがのジョーもプッツンと理性の糸が切れました。そんな彼の頭に浮かんだのは鮮やかな銀行強盗の姿。「できるんじゃない?俺(たち)にも!」

ジョーの親友のウィリーは透析の効果が低下して移植しか道がないと医師から告げられています。ジョーに計画を聞かされ乗り気になりますが、同居人で心配性のアルは人生の最期を刑務所で過ごしたくないと反対。仕方ないのでアルには何も知らせずに手始めにスーパーで万引きする二人!バレバレな行動ですから当然捕まります。巻き添えを食ったアルが大激怒したのは当然。でも年金がいよいよ消滅すると知り彼も賛成に転じます。 (ウィリーとアルが同居しているのは、そういう関係なのかと思ったらどうも違うみたいたぶん、住宅費の節約のためよね。)

そうと決まれば盗みのプロにコーチを頼もうというわけで、ツテ(ジョーの元義理の息子)を使って表向きは動物保護施設の運営者で泥棒のジーザスを紹介してもらい指導を受けます。警察が到着するまでの2~4分の間に事を運ぶための様々な下準備をして本番を迎えるのですが、客の少女と会話するうち、ウィリーが体調を崩して・・これは捕まっちゃう?と思ったらそこはうまく切り抜けました

ウィリーの病状が二人にばれた時、最初にジョーが迷わず「俺の腎臓をやるよ」と言います。でも実際に提供したのはアルの腎臓。年齢か適合性の問題が発生したのかな 

素人ジーサンズの強盗なので、あっさり捕まるかと思いきや、当日のカーニバル会場で様々なアリバイ作りが成されていたんですね~ 防犯ビデオから彼らの特徴が割り出され、面通しに例の少女が連れて来られてもうダメ?とハラハラさせておいてのどんでん返しも、リアリティとしてはどうかと思いますが、ハートフルでした

ジーザスと会っていたダイナーにFBI捜査官(マット・ディロン)がやってきた場面でもドキドキする瞬間が この時ジーザスの意外な正体があのセリフから判明するのもでした。

アルは好意を持って積極的に押してくるアニーと良い関係になり、遂には結婚しますが、二人に「結婚するとは思わなかった」と言われると「俺も・・」みたいな返事をします。この時のアルの心情(幸せなんだけど今までの自由を失ってしまう不安と後悔の気持ち)が透けて見えて面白かったです。 そしてこの時のモーガン・フリーマンの立ち姿が超キマッテル

ともにアカデミー賞受賞者という映画界のレジェンドが揃い、後期高齢者バカにすんなよ!な彼らの行動に笑いながらも共感し、胸のすく結末を楽しみました。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする