杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

王狼たちの戦旗 上下巻

2007年01月15日 | 
王狼たちの戦旗 (上・下)
   氷と炎の歌 第2部
ジョージ・R・R・マーティン 著 
岡部 宏之訳 
早川書房

ローバート王暗殺後、王妃の策略通り玉座を継いだジョフリーと、バラシオン家の次男スタンニスと三男レンリー、北の王を名乗るスターク家の長男ロブの4人の王が立ち、混戦が始まった。新たに王の手として摂政にあたるティリオンは首都攻防のために秘策を練るのだが・・。

運命に翻弄され散り散りになったスターク家の子供たちとラニスター家のティリオン、ターガリエンのデーナリスが「目」となり語られていく物語。

相変わらずの、というより輪をかけて混乱する戦国模様。それぞれの家に忠誠を誓う諸侯を含めると数百に及ぶ登場人物は、はっきりいって覚え切れません。
おまけに下巻では船の名前まで数多く登場しますから

第二部でも「語り部」となるのは何かしら弱者である者たち。王である4人の視点ではなく、その周辺の人々の視点で描かれていくのは変わりません。

スタンニスに仕える「光の主」ルラーの女司祭メリサンドルの奇怪な力や、生きたドラゴンと共に王座奪回を狙うデーナリスなど、ファンタジーとしての要素もますます高まってきています。

逆に「純真なお子さま」には決して読み聞かせられない男女の描写も健在且つ頻繁に登場し、その具体的なタッチはまさに大人の読み物 

「壁」の向こうの脅威はまだ具体化していないし、スターク家の子供たちも依然として逆境の中にいます。さて、第三部では彼らは・・・

今回もお気に入りはティリオン。自分の欠点(主に外見ですが)を冷静に捉え、知性で生き抜こうとする姿勢と心根の優しさに惹かれてしまうのです。

また、スターク家の次女アリアの波乱の逃亡劇にハラハラし、ブランの潜在能力を想い、といったぐあいにどこかの部分でそれぞれに感情移入できる点も「次を」という気持ちにさせてくれます。

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