杏子の映画生活

新作映画からTV放送まで、記憶の引き出しへようこそ☆ネタバレ注意。趣旨に合ったTB可、コメント不可。

新装版 遠野物語

2024年08月26日 | 
柳田 國男 (著), 谷川 健一 (解説) 大和書房(発行)

日本民俗学の原点となった「遠野物語」を完全再録。民俗学の基本語を説く補注から、詳密な検索に耐えられる索引、柳田文学を追求した解説のほか、遠野の原風景を切り取った口絵写真も収録する。(作品紹介より)


ちょっと選択間違えたな~😓 というのが正直な感想。
学術書ではなく、「昔っこ」としての物語を期待していたのでね😅 

「遠野物語」は柳田国男が遠野出身の民話蒐集家 ・佐々木喜善から伝え聞いた民話に、現地での見聞・調査による補完を加えて 明治43年に発表した説話集です。
田村将軍征討の時代から 日露戦争の頃まで、遠野の人々が自然と深く共生して暮らしてきた記録書でもあります。

遠野を取り囲む遠野三山は、女神が3人の娘に分け与えたものと伝えられ、戦前まで女人禁制の霊験あらたかな山々でした。黄昏時に子女が忽然と消える「神隠し」(今なら誘拐や遭難と考えられますね)を人々は「山人」の存在と関連付けていました。

家や土地の神への信仰も根付いていて、旧家に祀ると幸運がやってくるという「オクナイサマ」や「オシラサマ」、子宝の神「コンセサマ」(男性器を模った精神 )、繁栄をもたらす「ザシキワラシ」などの神々が祀られていました。

沼や川、里山、狼や熊などの獣といった自然にまつわる伝承も多く収められています。また天狗や河童といった妖怪についても触れられており、「マヨヒガ(迷い家)」(家の物を持ち帰った遭難者に富をもたらす。)の伝説や、「オシラサマ」(馬と夫婦になった娘を許せず、馬の首を切り落としたら、娘がその首と天に昇り神になった)の成り立ちについても記録されています。
臨死体験をした男の話や、母殺し(姥捨て山の風習も含む)の話、山姥など、内容は多岐に渡っています。
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