シネマトリックス

面白かった映画、つまらなかった映画、見なかった映画は空想で・・今はたまののんびり更新です。

日本人でよくここまで・・「トーマの心臓」

2007-03-29 21:45:08 | Weblog
私たち日本人の多くは無宗教である。

そんな日本人にはわかりにくい「神」への想い・・

だって「エクソシスト」だって、「神」と対抗する「悪魔」だからこそ、欧米ではゲロを吐く人、失神する人が続出だったわけだし。
ごく普通の日本人は、「首がくるくる~~」とか「緑のゲロがドバドバ~~」とか、顔の傷が恐かったわけで。
欧米人が感じたであろう「あんな神様を冒涜することをやりたい放題なんて!!そんなの恐い!」ってのはピンときてないのさ。

ところが、日本人でここまで描くか!っていうすごい作品があったんです。

萩尾望都のコミック「トーマの心臓」

キリスト教的な神への想い、愛、信仰というものを取り上げている最高傑作のひとつだと思う。

萩尾望都と言えば、「ポーの一族」でもそうなように元祖美少年もので有名で・・この「トーマの心臓」に出てくる少年もみな、美形である。

でも、今はやりのボーイズラブとは全く違い、根底を流れるものが、命を投げ出してでも相手の魂を救いたいという救済の愛なのだ。

「君、翼ないの?僕のをあげる」

「神様、神様、御手はあまりにも遠い」

いまだに忘れられない強烈な台詞の数々・・

あまりにも壮大なストーリーなので、今日1日では書ききれん

明日以降、もうちびっと詳しく書くとしよう。

何度か舞台になったようだが、これは日本人がブロンドのヅラをかぶってやってほしくないな~~

できれば、欧米人で映画化していただきたい傑作です





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6 コメント

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傑作ですよね~ (HAL)
2007-05-16 18:12:17
実は私は三人の子持ちですが、
長女の名前は「ユーリ」です。

長女が産まれて、名前を考えていたときに、
「赤ちゃんの名前の付け方」といった本を見ていた
夫が、「『ゆり』って名前も名字に合うって書いてあるよ」
という様なことを言ったので、
私が「それより『ゆーり』ってのばした方がいいな」
と何気なく言うと、
夫が、「あれ?『ユーリ』ってドイツ語で『7月』って
意味じゃなかったっけ?」と言うので、
私が「しらん」と言うと、本棚からいにしえの
フラワーコミックス「トーマの心臓」を出してきまして、
「ほら、これ」と
そこには、エーリクの
「ユーリなんて名前のやつにはろくなやつがいない」
という台詞があり、「ユーリ」の横に「7月」と仮名が
ふってあったのでした。
「この子も7月生まれだしいいじゃん、これ」
ということで、ユーリにきまったわけです。
(コミックスは夫が学生時代に買ったものです…夫婦そろって
こういう人種…)
その後私が、「大きくなって、出家するとか尼寺に行くとか
言い出したらどうする?」と聞くと、
「大丈夫、八角メガネの男とはつきあわないように厳しく
しつけるから」なんて言ってました。

因に、ユーリには二人弟がいますが、
一人はトーマで、もう一人はエーリクです…ってなことは
ありません。 ←バカ

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夫婦そろって・・ (anupam)
2007-05-16 19:08:00
そういう趣味なんて、なんてステキ!
男性で「トーマの心臓」を読んでいたなんて、絶滅危惧種に近い方、希少価値のある方ですな。

「ポーの一族」はどうでしょ~~
「風と木の歌」はどうでしょ~~
(風と木~は過去記事に書きました)

ユーリなんて、かっちょいい名前をつけてもらえていいですな~
私なんぞ、どっこにでもある名前なので、つまんないこと、この上ありません
返信する
気合いを入れて読みます! (HAL)
2007-05-17 18:28:57
「ポーの一族」「風と木の詩」
もちろん知っていますとも!!
で、「ポーの一族」は」私が買った、いにしえの
フラワーコミックスの1、2、3巻があり、ほかにも
夫が買ったプチコミックス版が、何巻かあったはず…
お互い結婚前に買ったものなので、何話かダブっていた様な…
「風と木の詩」については、単行本は持っていませんが、
連載時にリアルタイムで読んでいました。
でも、あまりにもドロドロネチネチな展開についていけず、
途中をすっ飛ばしてしまっていました。
(多分夫は全部読んでいます)

anupamさんの「風と木の詩」についての記事
を読んで、勉強になりました。

そ~か~それで「オーギュは彼の父親だ」ってせりふが
あったわけだ。
こんど読んでみようと思います。
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そそそ (anupam)
2007-05-17 20:03:10
オーギュはジルの父なんですよ。ジルは知らないんだけど。

オーギュに仕える執事が「あまりの仕打ちです、あなたのお子様なのですよ」と訴えるとジロ~~っとすごい目力でにらみ「誰がそんなことを決めた。ジルベールには父などいない。あれは野生のものだ」

って、今考えると「どんだけぇ~~」だし、自分の息子とわかっていて○○しちゃうんですから~~

これがよくもまあ、当時の少女雑誌に連載できたものですわね
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Unknown (Qp)
2007-07-28 19:40:25
初めまして!!「トーマの心臓」は私が一番大切にしている漫画です☆

よくトーマの死の理由について「ユーりの罪を引き受けるため」と解釈なさっている方がいますが
でも私は、

トーマが自ら命をたったのは,ユーりを独りにしないためだったと思います。
「人は独りではいきていけない」
トーマはそれをしっていました。
そしてユーりが独り心を閉ざしていることも…

そこでトーマは考えた。
自分は死んで,彼の目の上に生きよう…と。
「自分を忘れないで欲しいカラ」という、自分のための死ではない。
ユーりを独りにしないため,ユーりを生かすための死。
自分を愛して逝った者を,誰が忘れることができようか?

トーマが死と引き換えにユーりに残したモノは、
決して姿を変えることなく,ユーりの中に存在することになる。
ユーりはもう独りではない。トーマがユーりに残したモノ…それは「愛の記憶」。それをユーリに捧げるために、トーマは命を絶ったのではないかと思っています。

「トーマの死の理由」について
ご意見いただけるとうれしいです!!
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Qpさん、コメントありがとうございます! (anupam)
2007-07-29 12:57:10
「トーマの心臓」はすでに30年近い歳月がたっているのに、こんなにも人の心をつかんでいることに今更ながら「すごいな~」と感動です。

トーマの死はユーリの罪を引き受けるため・・という解釈は初めて聞きました。読む方が様々に解釈していくのも、それはそれで良いことかと思いますが・・

私はトーマはある意味、天使のような役割だったのかなと思います。自分の死によって「何をしようとあなたは無条件に愛され許されている存在なのだ」ということをユーリに気づかせたかったのではないかと。

西洋人の中には根深く「罪悪感」があるようですね、日本人には少し理解できない感覚ですけど、そうみたいです。

ユーリはほんの一瞬でも悪魔に魅了され神を裏切った自分を許せず、心を閉ざしますが、トーマはそんなユーリに「何があっても許す愛情」を死をもって示したように思います。

こうなるとトーマは、非常に大きな愛を表現するシンボリックな存在だったのかな・・と。そういう意味ではQpさんの感覚とかぶる・・かもしれないですね!

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