このところ5月からずっと仕事が混んでいて、おいしいお店へ行ったり日々の発見も更新できないでいたが、今週末から落ち着く予定。
なのでそれらを紐解いていくなかで、この日のことだけは先に「アンデルの手帖」にメモしておこうと思う。
6月1日(土曜日)、大阪中央病院にて10日間共に入院生活を過ごした時のメンバーと
1周年の同院会(同窓会と違うから 笑)だった。
本来は6人で集まる予定だが、Oさんはお母様の体調が思わしくなくて欠席(明るく気丈な人で、自宅で誠心誠意の介護をされているという)。
それでも約9カ月ぶりにみるメンバーの顔。
懐かしくてすぐに意気投合した。
北浜のライオン橋(京阪電車26番出口)で待ち合わせをして、
この日は北浜の「エッサンシエル」へ。
ご存知の方も多いが、ここは大阪「ル・コントワール・ド・ブノワ」にてエグゼクティブシェフを勤めた大東和彦シェフが独立後、
はじめて自分のスタイルでフレンチレストランをオープン。
無駄な装飾を排除した引き算の料理を志しておられるそうで、修業されたフランスにはない、
日本における日本人のための、フランス料理を表現したいというのがコンセプトである。
エレベーターが7階に到着すれば、いきなりのダイニングだ。
カウンターで窓際の席をリザーブすれば、堂島川と土佐堀川を見下ろす圧巻のロケーション。
そして、オープンキッチンの臨場感まで味わえる構成である。
一見は割烹のようになっていて、シェフとの距離が近く、料理の行程がよくみえるのがいい。
もちろんステンレス製のキッチンはよく磨かれてピカピカだ。
ガスは使用せずIHだけで調理しているのには驚いてなぜ?と聞かずにはいられなかったが、
丁寧に理由を教えてくれた。
(10年近く、往来の店がそうだったから。掃除の手間はかからないし、便利極まりないという)
まず、アミューズは小鮎のフリッタータから。お箸でいただく。
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旬の鮎だけに、ほんのり鮎の苦みと香ばしさがいい感じ。
サクサクッと一瞬で口の中に入ってしまった。
この時、柑橘のパンとともに、軽めのボルドー(赤ワイン)を注文。
お友達は白ワインを。
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皆さんで乾杯!再会の喜びとお料理への期待感に高揚してきた。
おしゃべりも一気に弾む。
次は、熊本のフルーツトマトと白トマトをメインに、
フランス産のロメスト(レタスの一種)などの葉野菜や
ハーブをつかった爽やかなサラダ。
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トマトがおいしい!こんなに甘いなら、冷えた器でキリッと冷たいトマトで食べたかった気も。
(おそらくフライドした野菜の印象も残したかったに違いない)
続いて、絶品!ふわふわの枝豆のスープ。
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しっかりとコクを残しながら、
ふわっふわの舌触りとやさしい味わい。
これはおいしかった!器(日本の現代作家もの)も素敵。
この日いちばんときめいたお料理でした。
次はフォアグラとびわ、はちみつのソースで。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3f/d1/a65f537820dbc45ed2444b112a83effd.jpg)
フォアグラの火入れ加減がよく、臭みも濃すぎる感じもない。
すっとした端正のなかに、口のなかで味わいが広がっていく。
びわのやさしさに包まれて、
デザートのようにフォアグラを食べたのは面白かった。
メインは、豚肉のローストだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/15/246732594c2c652b8cb8098afc23e15a.jpg)
フランス産のアスパラとの彩りがきれい。
これはさすがにお箸でなく、ナイフフォークでいただく。
ワインの効いた軽いデミグラスソースがよくあっていた。
肉質もよかった。
メインということはもう終わりだね。
沢山いただいたのに、まだまだお腹に余裕のある気がするのはフレンチには珍しい。
きれいなお箸と洗練された器で、少しずつ様々な素材感をあわせるところは、
和のテイストを随分と意識されているようである。
デザートはシュークリームだった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/62/fb23b143a73bc462af1eb6ed883650eb.jpg)
ナイフで半分に切ると、なかには抹茶とあずきの餡子が顔を出す。
漆器の器で登場した珈琲とともにゆっくりといただいた。
帰りには、大東シェフ、快く記念撮影まで参加してくださり、感謝・感謝!
オープンキッチンを意識するあまり、下ごしらえされたお料理をすべて
目の前でソティなり、フランベなりの火入れをするサービス精神があって。
欲をいえば、お料理の温度の変化、
味わいの強弱、が少しあってもよかったのかな、と思いました。
でもとても気持ちよく過ごせるいいお店でした。
また時期をかえて訪れてみたい。お料理はお昼コース4500円でした。
さて、本当はこのまますぐそばの「モトコーヒー」でセーヌ川(堂島川と土佐堀川)気分を味わって
個室で談笑しようと考えていたのだがあまりにお料理の満足感があって、
もう少し歩きたい気分に!そこで急遽、老松通りにある中国茶館「無茶苦茶」まで足を延ばすことに…。
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ここは本当に私の好きな店のひとつである。
オーナーの黄さんは美しくて、茶の作法においては一流の腕前。
お店やライフスタイルを取材させてもらったこともある。
大阪綿業会館でお茶会のイベントにも参加させてもらった。
明前黄山雀舌(青茶)
安渓鉄観音春茶(青茶)
白毫銀針(白茶)
の3種のお茶をいただきながら、
黒胡麻白玉団子と
5人前のドライフルーツで。
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![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/45/8f/4eb2c50f7fcd894dddedf6673ebf92ed.jpg)
ああこの店はいつ訪れてもくつろぐなあ。
湯気がしゅんしゅんと吹く音を耳で感じながら、青々とした茶の香りに酔いしれ、
黒胡麻餡がなかに包まれた白玉をパクリとやる快感は他の店では無理。
築100年の一戸建て日本家屋がかもす独特の雰囲気と、派手すぎないがセンスのいい中国調度品とがよくあっていて、
空間・茶・もてなしと、なにもかもがしっくりと溶け合っているのだ。
だから、混んでいなければゆっくりと自分たちのペースで会話できるのがいい。
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この日もお互いの近況をのべあい、最近いった素敵なところやお互いの未来の夢、そして悩み、将来の不安、子供たちのこと、
老後のあり方にまで話しがずんずんとエスカレートし、有意義な1周年の同院会となった。
同じ痛みをわけあった仲間たち。
まるで大学の合宿生活のような愉しい(?)日々だった。
病を通して知り合った私たちなのだが、病というほど暗い関係ではなく
年齢も個性も様々で生きてきた道筋もなにひとつ共通点はないけれど、
なんだかいつも懐かしい存在。
元気でいらっしゃるかしら、
と日常の句読点で、季節折々に、思い出す不思議なお友達である。
●「エッサンシャル」
06-4963-3767
大阪市中央区北浜1-1-28ビルマビル北浜7階
ランチ12;00~
ディナー17;30~
日祝休
美味しそうなお料理で、とてもお腹がすいてきました。
次回は参加させていただきたいものです。
今日は、私たちが退院して丸1年!早いですね。