月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

ウィーンのホテル・ザッハの紅茶を買いに「デンメア」

2021-08-23 11:41:00 | 東京遊覧日記

 

 

 



 

 

白洲次郎、白洲正子の暮らしを垣間見える茅葺き屋根の家「武相荘」をでて、再び小田急線にのる。

新宿までもどり、六本木へ。

この日のもうひとつのお目当ては、ティーハウス「デンメア」である。

 

一昨年、ウィーンのザッハで買い求めたオリジナルティーが気に入っていた。日本では、六本木に直営店があるとのこと。さっそく向かってみた。

 

六本木の新美術館とは近い。通りに面していないので、わざわざ足をむけないとわからない奥まった場所である。

 

こぢんまりとしたかわいい店、赤い紅茶缶が目印。わたしたち以外は誰もいなかった。まもなく運ばれてきた、ティーポットにたっぷりの紅茶。Nとわたしは、おのぼりさんのように写真をパチパチ撮る。

 





 

ここは、東京の六本木だというのに、ウィーンの人通りの少ないカフェの風景がひろがっているような錯覚を覚え、初夏というのに気分だけは12月の冬を連想しながら、お目当ての「ザッハブレンド」を飲んだ。

 

きれいなオレンジに茶褐色のまじった、澄んだ水色。紅茶のカップのふちに口をつけた時、最初にジャスミンの白い花びらの香りがほのかにするのだが、少し弱い。気のせい?  

セイロンのブラックティーにベルガモットのブレンド(中国茶、インド茶、セイロン)の紅茶だという。若いお茶だとおもった。清楚で個性の少ないすっきりしたお茶だ。

 

2019年ウィーンの旅から帰路につき、「ホテル・ザッハ」の紅茶を開封したときの記録を、こう書いている。




静かなプロローグにはじまり、おそらくダージリンをベースに、ジャスミンの白いはなびら、ベルガモットがブレンドされている、飲み飽きないとても香り高いティーだ、と。華やかさが違う、と。

 

「ホテル・ザッハと同じものですか? やはり水が違うから少し違う印象になるんですね」

「ホテル・ザッハの場合は本当いうと少し特別にアレンジしています。ジャスミンの花にしても選び抜かれているものだけに独自の香りづけしています。こちらはつぼみの花を使っています。ただ製法やブレンドの仕方は同じですので気づかれない方がほとんどなのですよ」

 

十分においしい。ザッハトルテとあわせていただいた。

 

帰りに六本木ヒルズをぶらりと歩いた。

グランドフードホール六本木店。

 











 

海外のフードサーカスを思わせる。世界中、日本中のおいしいものを選りすぐって並べている。芦屋とくらべ、品数が多いし、店の作り自体が楽しい。食品のセレクトの仕方も秀逸で、眼をみはる。どの棚も、惣菜も、おいしそう。店のレイアウトからしてセンスを感じた。

奈良の黒川本家の葛餅があったのがうれしかった。

 

よし、スパークリングワインなどを買ってささやかな晩餐としよう。おいしそうなものを全部で8千円ほど買った。

家に持ち帰って食べる惣菜を選ぶ。マンゴーのサラダやローストビーフ、アボガドのポテトサラダ、オムレツ等々。1品で900円とある総菜が、「4品つめて2千円ジャスト」という特価で買えた。

帰りにみた東京タワーが暮れていく。ブルーグレーの海にくっきりと美しかった。

 

 





 

店をでて、山の手線、東急電車で変える。Nのマンションがある最寄り駅までいかず、多摩川で下車。マンションまで25分の道のりを夜風にふかれ、くだらない話をあーだ、いやこーだ、と話ながら家路にむかった。

 

この日は町田市の鶴川(「武相荘」)から六本木界隈。そして多摩川沿いの中原街道沿いまで、一日10キロの道のりを歩いた。

 

 



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