月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

仕事を愉しむ力。

2014-03-16 19:24:14 | 執筆のおしごと(主な執筆原稿、最近の公開できるもの記録)





                                   (京都北野天満宮の白梅)





最近はロングバージョンの仕事が多い。
耐久レースでいえば、長距離走者になった。
不思議。
何を宣言したわけでもないのに、1本そういうのが舞い込むと次々と同じ性質の仕事が入ってくる。

1章1節から全部で15章くらいある、長いものを書いているかと思えば(1万5千文字とか)。
100節くらいあるコピー(コピー100本)。冊子物。取材200件分のお手伝いや…。ともかく耐久レース。
それらを同時にやっているといつも書いている。取材以外はいつも机にいる、ということになる。
ありがたいことである。

「言霊」って、やはりあるのかしら、と思う。
昨年、一度に仕事の依頼が集中したことがあって、そのプレッシャーに押しつぶされそうになって。
「もう無理。もう仕事はいい」などと口走ったら、
波のように仕事の依頼が一気に引いた。それから数日いや1月以上、新規の依頼がシンとこなくなった。
誰も彼も、自分をとうに忘れてしまったようだった。

それが今年にはいってからは、「こんな手のレギュラーの仕事。あと数本入ればうれしいなあー」としきりに家族と話していると、
ロングバージョンの仕事依頼が次々。
全てレギュラーとして決まってきた。(レギュラーだから終わったと思ったらまた始まる…)
凄い。波をこちらから、引きよせているの?
自分の口から発する言葉には、責任をもたなきゃあ。当たり前のことだけど。そう気を引き締めようと誓った。
そして、今うまくいったからといって。
「いい気(調子にのらない)にならないことである」。自分への戒めとして。

ふと、こんなことも思うのだ。
知らずしらずのうちに、不平不満ばかりいう人は、本当に不平不満だらけの人生に、なる。
そんな人を私は何人か見てきたから。
「言葉」は大事だ。自分がそう思う以上に、本当に大事なのだ。


さて、私の文章は傾向として。
「特集記事」などを仕上げる時に、文章がダラダラと長くなる傾向があった。
デザイナー泣かせだ。
思いを削る作業をなかなか出来ずに、短い「言葉」であっても要素を入れていくうちに長くなって、
うまく余白を加味したレイアウトを組めないという特集も…。
そのたびにデザイナーは「大丈夫です。全部入りましたから。問題ないです」と爽やかに言ってくれていた。

しかし、最近の傾向として。やはりデザイン優先。写真のいい特集は素晴らしい。
なので、最近はコピーを先にあげるのではなく、デザイナーさんのラフを優先して誌面全体としての美しさ、愉しさ、リズムをつくるように苦心している。
というか、そのほうが絶対に良い仕上がり。つくる段も愉しい。

今の仕事はロングバージョン集中型だ。きっとそんな時期なのだ、と思う。
締め切りも集中して近づいてくると大変だが、
ちょうど私のように根気のない「仕事人」にはいい薬になるのかもしれない。そう、スピードがつくようになるかもしれない(笑)。

昨年までの私なら、仕事が混んでいる時はそれを、優先するあまり、
誰とも会わなかったし、どんな魅力的な展示会も飲み会だって、スルーしてきたが。
今年はどうしても行きたい時には、ほったらかして(締め切りに近くない限り)出たりする。
そうじゃないと、どこにもいけないし、モノが見えなくなると怖いから(と、いいわけ…)
そんな愉しいお話も、またこの次に。


春になったなあ、と思う。今日はどこにも出掛けていないけれど。
それでも春の匂い、肌ざわりは、ちゃんとわかる。