月の晩にひらく「アンデルの手帖」

writer みつながかずみ が綴る、今日をもう一度愉しむショートショート!「きょうという奇蹟で一年はできている」

石山寺の秋月祭に行く

2012-10-04 00:12:34 | どこかへ行きたい(日本)


このところ、あまりに天気が素晴らしいので「小旅」に出たいなあ、と思っていたら、古い友人が面白いイベントに誘ってくれた。
「紫式部ゆかりの石山寺で秋月祭があるよ、行ってみない?」
勿論、仕事はあったが、小休止して、いそいそと出掛けていった。

先週29日の土曜日のことである。

JR草津駅から近江八幡方面へ。途中、何度も迷いながら

お昼処の「秀明庵」へ到着。


築150年、茅葺き屋根の古民家だ。


近江の山を借景に、秋らしい風情。
途中ススキがきれいだった。
お庭も素敵!

ランチは、 お友達が快気祝いで予約してくれたフルコースで。

離れの間だったので
ゆっくりとマイペースで
食事ができる。

まずはウエルカムスイーツの抹茶の甘納豆。
前菜はオマールエビのサラダ
・かぼちゃのポタージュ
・秋鮭と季節の野菜のグリル
メインは
・近江牛のステーキ、松茸と農園野菜とともに
・デザートのフルーツ盛り合わせ
・自家製天然酵母パン

食べきれないほどのボリュームだ。
思わず赤ワインをオーダーしてしまいました。

途中、蜂が入ってきたりしたがこれもご愛嬌。
近江牛はさっぱりした脂質で柔らかいなかに、深いコクがあっておいしい。


添えられた満願寺唐辛子も、ナスも、里芋も大地とお日様がしっかり注ぎ込んだいい味で、おいしかった。
松茸は目前で焼いてくれた。



このあと、近江八幡の市街地を散策し

「日牟禮八幡宮」を参拝。

当日開催していた手作りアートなどもぶらりと見て
レターセットなどを買い
いよいよ、愉しみにしていた「たねや」へ、いざ。

前に建つ「近江八幡日牟禮ヴィレッジ クラブハリエ」も。


さすがに名店。
スタッフの動きが、さばけている。

オープンになっているので、
職人たちの仕事ぶりを眺めながら、おいしそうなスイーツをお買い物できるのがいい。
実はバームクーヘンファン(ドライバームもいい)だが
この日は「リーフパイ」と「たねや栗子みち」を購入する。
ほんとうなら、江戸風の茶屋であんみつを頂く予定だったが、この日は秋月祭メインなのでやむなく断念なのであった。



小雨のなか、しばし大津方面へ。

6時~の夕刻に石山寺に拝観というのは、なんとも幻想的だ。


眼下には琵琶湖の夜景。
鈴虫の鳴き声で話し声が聞こえないほど、というのも非現実的で
ぞくぞくするほど、いい感じ。


しかし、残念なのは秋月祭というのに、この日近畿地方に台風が近づいていて空はねず色、そぼふる雨!これは紛れもなく信じられない事実であって。なんとも…。
必死で自分の中に満月を描く。

それでも
一番の収穫といえば、
6時30分~予定どおり野中久美子氏による能官演奏をゆっくり堪能できたことだ。
古代の音色は清くて怪しげで、儚くて。
源氏物語ひとりもの語りの「明石の段」の台詞を最高に盛り上げてくれた。
お釈迦様に捧げる能官演奏を古寺で、聴けるなんて、これだけでも十分に価値があった。



近江八幡の秋の名月を愛でるために、平安時代に建立された
「石山寺の月見亭」

にて、御抹茶と御菓子を頂く。

古い歴史文化の佇まいのなかに自分がいると一体、ここがいつどこなのか

一瞬戸惑うほどに、心が澄み渡って
日々の雑多が浄化されるよう。
だから、旅は時に必要なのだ。

もう胸のなかには
しっかりと

まあるいお月様が宿っている。
今週もがんばって乗り切ろう!