細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

土木史と技術者倫理2012 終了

2013-01-29 18:55:14 | 教育のこと

何だかあっという間でしたが、土木史の講義が本日終了しました。

この講義は2年目ですが、2年目を始めるに当たっての不安は「1年目と同じレベルの迫力を生み出すことができるか」というものでした。それくらい1年目には気合を入れて臨み、全力を尽くしたのでしょう。

さて2年目が終わりましたが、結果はレポートを読んだり学生の反応を見ている限りでは、1年目よりもクオリティは向上したようです。理由はいろいろとあると思いますが、
・私の力が向上した。読書の幅が広がっていること、お付き合いする人の幅が広がったこと、「実践」の研究が増えたこと、などでしょうか。
・時代が大きく動いたこと。政権交代はやはり大きな出来事でした。その勢いに私も乗り、私の発信する情報の迫力が増大したと思います。
・慣れた。「慣れ」はプラスにもマイナスにも作用しますが、今年はプラスに作用しました。全ての回を通しての情報のつながりも把握できているので、伏線を張ったり、全体を有機的にコーディネートできたように思います。そのような感想がレポートでも多かったです。

本日の最終回のレポートでは、この講義に対する感謝や好意的な記述が多く、多くの学生に対して刺激になったり、自分自身を見直すきっかけになったようで、よかったです。「歴史」というものに対する見方が根本から変わった学生が多いようで、普通の歴史学者には真似できないでしょう。「素人」のなせる業です。

さて、この講義をどう発展させていくかですが、いくつかおぼろげながら目標を記しておきたいと思います。

(1) 非常に実験的な講義であり、これだけ多くの学生からポジティブな反応をもらっているので、大学での講義のあり方を模索するための場として、自分自身も活用するし、なるべく部外に公開し、活用してもらえるようにしたい。講義の内容を本にしてもいいかもしれない。

(2) 土木史の教科書を晩年に執筆できるように、勉強を重ねたい。今は、合田良実先生の秀逸な教科書を使わせていただいていますが、私も合田先生に負けないくらい勉強、経験を積んで、味わい深い、全国の大学で使ってもらえるような土木史の教科書を書きたい。

半年間、休憩、と言いたいところですが、諸事情により、来年度の春学期に、この講義を開講します。

4月からまた第一回から開始です。私にとっては繰返しですが、受講生は一新されますので、新たな気持ちで臨めるよう、リフレッシュしておきます。


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