細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

2020年の総括

2020-12-31 13:26:39 | 人生論

とんでもない1年が終わろうとしています。2月末に、学校が休校になることを聞いたときはさすがに驚きましたが、その後、丸3ヶ月以上、二人の子どもの学校も休校となり、異常な数ヶ月でした。我が家に関しては、コミュニケーションも増え、食事のレパートリーも増え、悪いことばかりではなかったと思いますが、それにしても異常でした。

4月から、大学の土木系の主任教授となりました。過去、2年間の任期のポストなので、2021年度まで、これまでのように出張で動き回る仕事のやり方はできないかな、と思っていましたが、コロナの状況となり、そもそも動けなくなりました。会議もほとんどすべてオンライン、講義もオンライン、というこれまた異常な状況に陥りましたが、YNUの土木の教員やスタッフの方々はとてもよく働いてくれるので、一つ一つ課題を解決しながら、何とか2020年の終わりまでたどり着くことができました。私自身は6月ごろから出張ができるようになり、結果的には、社会が制約された状況ではありますが、それなりに研究のための国内出張を行うことができました。

変な表現ですが、私にとっての「青春」が終わり、次のステージに入ったのかな、と思っています。20代の最後にJR東日本で実務経験を積み、30代の10年間は、YNUで自由にのびのびとやらせていただきました。研究者としてもあまりにも未熟な状況でYNUに助教授として赴任し、学生たちにも迷惑もかけたようにも思いますが、でき得るチャレンジを同僚や後輩たちと重ねてきたように思います。YNUに赴任してからちょうど10年が経過した2013年10月から、1年間のフランス滞在を経験させていただきました。これも大きな1年間でした。そして、2014年9月末に帰国し、山口システム・東北システム関連の仕事で日本中を飛び回る時期が続き、2018年7月に教授となりました。そして、2020年4月から土木系の主任教授を拝命しました。

未熟者ゆえ、ある意味怖いものなく、ひたすらチャレンジし、駆け回ったのが青春であった、とすれば、一つのターニングポイントは、2020年4月であったように思います。

五十にして天命を知る、とも言いますが、まだ私自身の天命を明確に覚る状況には至っていないように思います。自分自身の得意とするところや、ぜひ貢献したいところ、チャレンジを重ねたいところ、などはもちろん見えてきていますが、天命というにはもう少し時間をかけて熟慮したいと感じます。熟慮するようなものではないのかもしれませんが、あと数年ありますので、自分の原則に従って日々を重ねていく先に自然に覚るものなのでしょうか。

あまり無責任に放り出すことは許されませんが、私自身は、研究能力が適切なレベルを満たせなくなった場合、すぐにでも現在の職は辞そうと思っています。という意味では、2020年は、研究能力、研究テーマ、という点でも改めてもがき始めた年であったようにも思います。品質確保、耐久性確保、ひび割れ抑制等でまい進してきた青春時代については、それはそれでよいものの、この先、青春時代を終えた研究者として、どのようなテーマに研究者としての人生をどのように捧げていくか、ということを真剣に熟考するタイミングに来ていると感じています。青春時代のテーマを極めることも重要、ということを念頭に置いた上で、よく考えたいと思います。

土木学会のコンクリート標準示方書の施工編の改訂部会の幹事長を拝命したことも、自分にとっては転機の一つのように思います。示方書の改訂作業には、2012年版のための委員会から関わってきましたが、今回は幹事長ということでより全体を把握したり、深く理解したり、他編との連携等の役割もあり、より多くの時間を割く必要があります。改訂部会の主査の綾野先生を始め、改訂部会の活発な議論からも、非常に多くのことを学ばせていただいており、2023年の発刊へ向けて、施工編の将来を担う気持ちで努力したいと思います。

2020年は、社会状況が異常であったので、私自身としてはとにかく無理をしないで、大きな波のないように、自己コントロールするよう努めてきました。とにかく睡眠をしっかりと取ることを心がけました。10月以降は、毎年繁忙期となりますが、運動の量を例年より減らし、無理をしないようにしました。そのため体重も例年の同時期より数キロ増えましたが、まずは無事に乗り切ることを目標にしていたのでよしとします。

2020年を楽に乗り切れた人はほとんどいないと思いますが、私自身も悩んだ時期もありました。2020年度の序盤に、仏教の教えに大きく支えられました。大愚和尚の動画での教えや、著書も読み、以前から少し興味のあった仏教に大なる興味を抱くきっかけにもなりました。所詮、自分でコントロールできると思う時点で不遜であり、自然の摂理を悟り、それに則って生きていけるようになるのが今の私の望みです。

小さなことですが、肌荒れが改善しました。元々肌が弱いのですが、数年前までは比較的良好な状態を保っていましたが、数年前から肌荒れがひどく、悩みの一つでした。時々行くスーパー銭湯で、重炭酸の入った人工温泉の風呂に浸かると肌の調子が良くなることを踏まえ、日常の風呂でもその効果を利用できるとよいと思い立ち、11月の上旬から毎日、入浴剤を使用し、明らかに肌の調子が改善しました。2ヶ月使用し、自分には合っているようなので、自分自身のメインテナンスメニューに加えようと思います。

自宅でもオンライン会議、打ち合わせ、講義がほとんどなので、自宅での仕事スペースであるキッチンでの環境を快適にするため、仕事用のチェアーを新調し、足を温めるための簡易コタツ(足用)も購入し、ほぼ常に足を温めながらオンラインの仕事をしています。どうせオンラインの仕事に拘束されるのであれば、体調や心の調子を健全に保ちつつやり抜こう、と開き直りました。

オンラインでの講義のやり方は教員としてはほぼ確立できましたが、やはり学生たちがかわいそうに思います。オンラインの方が効果が上がる面ももちろんあるのですが、人間の本来のやり方、あり方、生き方に反するオンラインツールに過剰に頼ると、大きなしっぺ返しを食らうと思います。一日も早く、通常の日常が戻ることを祈念しています。

研究室の指導学生たちも苦労していると思いますが、全般的にとても頑張ってくれていると思います。ポスドクや学生の皆さんと有意義な研究活動を重ねていくことで、社会へも貢献していけると思っていますので、彼らが高いモチベーションを持って研究にまい進できるよう、特に10月ごろ以降、研究指導においても少しモードを入れ替えて取り組んでいるつもりです。

年末の12月29日から2泊で、私の実家(浦和)に来ました。なんと、父親と会うのはほぼ1年ぶりで、このような状況をもたらしているコロナ社会状況を改めて恨めしく思います。ウォーキングを日課としている父親と、29日、30日と二人でウォーキングしました。久しぶりに実家で和やかな時間を過ごし、日常や家族の意義をしみじみと感じました。

年末年始も留学生たちは研究を頑張ってくれており、実家滞在中も、投稿論文の添削や講義レポートの採点をゆったりとやりました。本日大晦日も10時から研究打ち合わせを一件しました。ゆったりした時間の中で追い立てられずに論文執筆・添削や、講義のレポートの採点、自分の勉強をするのは心地よく、年明けの1月が危機的な状況にならないよう、年末年始の日々は仕事とリラックスを上手に両立したいと思います。よりクリエイティブでエネルギーを必要とする仕事を溜めており、明日の元旦から少しずつ着手したいと思います。

とりとめのない内容になりましたが、年明け後、3ヶ月、2020年度末までを無事に、かつ充実して乗り切ることで精一杯になると思いますが、少しでも我が国にとって良い一年になることを祈念しますし、私自身はできることをやろうと改めて決意します。


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