細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

「豊穣祭」?「新嘗祭」? ー米と土木ー

2024-09-05 08:43:56 | 研究のこと

11月23日が何の日かご存じですか?以前は、新嘗祭の日だったことをご存じでしょうか?今は、へんちくりんな名前の日になってしまっていますが、なぜ変わったのか(大東亜戦争で敗北を受け入れたことが関係しています)、ご存じで無い方は勉強してみてください。

さて、11月24日(日)に、豊穣センターのイベントを実施することになりそうです。23日に実施したかったのですが、コアメンバーの予定が合わず、23日は前夜祭的なイベント(都合の付く方々で遅めの午後からイベント)、24日の午前にイベント本番、としたいと思っています。

「食糧」とくに、「米」をテーマにします。

私は、土木、インフラの重要性を、個人の生活への影響や、社会の健全な発展、防災・減災などの観点から話すことが多いのですが、理解していただける場合も多いですが、なかなか一般に浸透しません。

「食」をテーマにした方が面白いし、身近に感じるのではないか、と以前からぼやっと思ってはいましたが、昨日の、元気なインフラ研究所の所長のマツさんと、仙台でゆったりと昼食を取りながらの対話で、双方が確信し、今回のイベントを実施することにしました。

日本人にとっての最重要な食糧とは?間違いなく、米です。

新嘗祭。五穀豊穣を祝う、最重要とも言える神事。

米を食わなくなり、小麦食が激増し、健康を失った日本人。大きな圧力が、戦後かかり続けていることは当然ご存じかと思います。

ベトナムに数多く出張しますが、様々なおいしい麺の食事がありますが、米の麺ばかりです。私の周囲にはずっと力説していますが、小麦の麺などやめて、米の麺を普及すべきと思います。ものすごくおいしいですよ。

自然災害に対する防災も大事。でも、まずはとにかく食糧安全保障、です。食わなければ死にます。

米、大豆、魚。極論すると、この三つを死守すれば、日本人は生きていけると思っています。我が国家、国民は、この三つをどれくらい大事にしてますか?本当に飢える時代が迫ってますよ。

極端な減反政策。食糧安全保障を捨てて、札束で食糧を輸入し、増えた人口を危険な土地に密集させて住む。災害が増えるに決まってます。

米の問題から、国土の利用の仕方、個人の健康問題、新嘗祭をはじめとする日本国の成り立ちや伝統・文化への興味・憧れ、様々な話題に発展できます。

とにかく日本の食事はおいしい。8月下旬にアメリカの西海岸に一週間ほどおりましたが、使いやすいフリーウェイ(高速道路)と大谷翔平の活躍をドジャースタジアムで観たこと以外、アメリカに魅力を何一つ感じませんでした。食事はまずいし、高すぎる。

食事は楽しいですね。食文化と言いますから、日本の良さを見直すことにもなるでしょうし、少なくとも食事をしない人はいませんから、極めて多くの方々の関心につなげることができると思います。

米と言えば、日本酒。日本酒も、戦前は純米酒しかなかったことをご存じですか?日本酒にはいろんな種類がありますが、私は基本、純米酒しか飲みません。大吟醸、吟醸、などとこだわっている方もおられますが、そもそも純米でないかどうか、そちらの方が重要と思います。なぜ、純米酒で無いものがこれほど多く出回っているのかも知ってますか?結局、敗戦(終戦)がきっかけです。

米、五穀豊穣、豊穣な社会、土木、食文化、安全保障、国土、田園、天皇、古事記、・・・

キーワードは増えるばかりと思いますが、

11/23、24にイベントを開催しますので、ぜひご参集ください。イベントの詳細は、追ってご案内します。


素直さ

2024-09-05 08:08:36 | 人生論

「素直であること」の大切さについては、私の過去のブログでも何度か書いてきました。今の時点で、改めて、素直さの大切さを強く感じていますので、土木学会全国大会で仙台に来ている今、書こうと思います。

時代は激変しています。100年に一度くらいの変化が生じていると言う人もいますし、もっと大きな変化だと言う人もいます。私もそう思います。また、過去の古き良き時代があるとして、そこに戻りたいという気持ちを持つ人も少なくないと思いますが、我々人類は、前に向かって進んでいくしかありません。

人口爆発、食糧・エネルギー不足、大都市の過密化と地方の過疎化、人間個人の分断と孤立、先の見えない時代における不安、問題は限りありません。豊穣センターが真正面から立ち向かう、防災・減災や、インフラの長寿命化・維持管理なども、極めて大きな課題です。

時代や社会が変わるのですから、人間個人も変わらざるを得ないと思います。何のために変わるべきなのでしょうか。

幸せに生きるためだと思います。

何をもって幸せ、豊穣、豊穣な社会、というのか。それこそ、今、そして今後、問い続けるべきです。問うて、実践すべきです。

変わるためには何が必要か。素直さ、でしょうね。

私の周囲を見ていても、素直でない人はとても多い。私の本当に近くにいる方々は、素直な方が多いです。

素直でない人と話していると疲れる。もう一度話したいとあまり思わない。話していても、受け入れる様子もないし、とにかくクリエイティブに会話が進まない。

素直な方、学ぼうとする方、変わっていく時代、社会に適切に対応し、少しでも貢献したいという気持ちを持つ方々とは、話していて楽しいし、その時間こそが幸せ、豊穣、であると感じます。

私自身は、素直な方だと自覚しているし、いろんな方に「素直ですね」と言われるので、おそらく素直な素質は持っているのだと思います。そのように育てていただいた両親や先輩方に深く感謝いたします。

私自身、本質的には生まれたときからそれほど変わっていないとは思いますが、多くの方々の導きや、自身が置かれた環境において、数知れず、変化を遂げてきました。

今回、2024年の3月末くらいから経験した、自身の体調の不良(基本的には過剰な業務、責任から来ていた)、精神面での脱皮、心身のバランスを高次元で確保するための人生設計・生活環境・生活スタイル・仕事スタイルの大転換、は私自身にとって極めて大きな学びの期間となりました。

その期間、本当に信頼できる方々とたくさんコミュニケーションを重ね、多くの新たな出会いがあり、同志が増え、豊穣な社会を目指していく人のつながりが急速に増えてきました。

素直であり続け、学び続け、そして誠実であり続けるために努力を重ねる。

逆説的ですが、素直であるためには、したたかさも必要です。

私が素直で、学び続けられるのは、そして誠実であり続けられたのは、研究者であるから、という面が大きいと思っています。

自然科学、工学の場で研究、実践をしていると、自分の仮説や思い込みが覆されることなど日常茶飯事。日々、学びます。そして、自分の思い込みほど恐いことはない、と思い知らされます。

社会で実践、技術や考え方などを社会に実装、していくとなると、素直なだけでは上手く行きません。原動力は素直さでよいと思うのですが、誠実かつ、したたかさ、たまにはずる賢さも合わせ持っていないと、大きな改善は形になりません。

清濁併せ呑む、というような言葉もあります。

今回の仙台出張は、とても大きな仕事はすでに終わりましたが、自分一人の時間も多く、休養も取りつつ、その時間を貴重に使わせていただいています。また、多くの方々と懇親する場もいくつかあるので、豊穣な社会のための、豊穣な時間となるよう、素直さを前面に出して全力で懇親します。。。