行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

年金生活者のマネー運用、PBRが注目されている

2023-04-21 23:12:51 | 年金生活者

今年はPBR(株価純資産倍率)1倍割れ企業が注目されだした。これは東京証券取引所がプライム市場とスタンダード市場の上場企業の中で、PBR1倍を割り込む企業に具体的な改善策を公表するよう要請し、東証の世界の中で落ち込んだ地位を回復するというこれまでにない行動に出たことによる。PBRは、会社が仮に事業活動を止めて解散した場合に残る純資産が時価総額の何倍であるかを表す指標で、良く言われるのは「1倍を下回れば、理論上は解散した方が投資家はより多くの資金を得られ、企業の存在価値が問われる」つまり投資家の求める(資本コスト以上の)リターンを生み出せてなく、少なくともROE8%の資本コストリターンが要請されている。

東証の6割がPBR1以下なので、玉石混淆状態で、この中から玉を見つけるスクーリングが必要だ。改善策として増配アナウンスを打ち出す企業が多くなると考えられ、配当利回り水準が改善され年金生活者には好都合となる。

どんな企業を選択するか、先ずROEがこれまで継続的に8%以上、そして増配原資、自社株買いなどが可能な無借金経営で手元流動性が潤沢、そして業績が安定しているといった企業だろう。

但し、企業に投資をすることは投資信託に投資をするよりはるかにリスクが有ることは認識しておかなければならない。

尚、東証は価値創造に着目した新指数「JPXプライム150指数」を7月3日より算出を開始すると発表しているので、それを待って発売されるインデクス投信なり、ETFを買うという方法もある。

東証の発表内容
プライム市場に上場する時価総額上位銘柄より、(1)ROE(株主資本利益率)と株主資本コストの差である「エクイティスプレッド(注2)」、(2)株価による市場評価である「PBR」、という価値創造を測る二つの指標を用いて選定された銘柄を「価値創造が推定される我が国を代表する企業」と位置付け、これらの銘柄により構成する新たな株価指数「JPXプライム150指数」を開発することとしました。
「JPXプライム150指数」により価値創造が推定される我が国を代表する企業を見える化し、本指数やその構成銘柄が国内外の機関投資家や個人投資家の中長期投資の対象となることを通じて、価値創造経営の浸透、日本株市場の魅力向上に寄与することを目指します
(注2)株主資本コストを上回る利益をどの程度実現したか測定する指標であり、ROE(株主資本利益率)から株主資本コストを減じて算定します。なお、株主資本コストの算定には、CAPM(資本資産評価モデル)を活用します


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